不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


竣工1年経過の再販マンション・チラシは―

爆音施設と道路一つ挟んで建つ、竣工済みの大規模マンション。

東京駅直通24分(快速利用)、駅徒歩8分。総戸数684戸、22階建。平成20年2月15日竣工済み(本チラシ掲載日の1年10カ月前)。

  • クリスマスステージ 本広告】販売戸数16戸、3LDK(70.78m2)〜4LDK(90.87m2)。販売価格2,288万円〜3,148万円、最多価格帯2,500万円台。
  • 【先着順】販売戸数3戸、4LDK(90.43m2〜91.23m2)。販売価格2,898万円〜3,298万円。
  • ※08年2月15日(金)・4月28日(月)・6月5日(木)・7月17日(木)、09年8月2日(日)物件と同じ。

新聞半紙大のチラシのクリスマス・カラーにキャッチコピーが躍る。

  • 聖なる季節に大きな夢をご提案する
  • “クリスマスステージ”もまもなく締切!
    • 連続完売を続ける684邸の○○(=物件名)では、いよいよフィナーレへ向けて“クリスマスステージ”もクライマックス。

「連続完売」「フィナーレ」「クライマックス」といった“煽りワード”で、クリスマス気分を盛り上げる。


第1期、第2期といった期分け表現が一般的なのだが、「クリスマスステージ」って、いったい何なのか?
リクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解いていて、妙なことに気が付いた。


この物件は再販物件。
この夏に、再販をスタートさせたときの表現が「サマーステージ1(8月2日号)」。
その後、「オータムステージ(9月22日号)」「オータムステージ2(10月20日)」となり、本日の「クリスマスステージ(11月24日号)」に至っている。
妙なのは、各ステージの販売戸数が、登録受付締切日に向けて、ほぼ毎週のように戸数が追加修正されていることだ(次図)。
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「発売戸数」をこんなに、毎週ころころと変えてもいいものなのか?
業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」第1条(用語の定義)第2項(6)号に次のように記されている。

(6)販売戸数 販売しようとする新築分譲住宅の戸数又は新築分譲マンションの住戸の戸数をいう。

ルール上は、発売戸数を毎週ころころ変えても問題なさそうだ、と思ったら、このルールは新築マンションが対象だった!
「新築」と呼べるのは、「建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの(規約18条1項)」。
この物件は、1年10カ月前に竣工済みだから、新築とは呼べない。


中古マンションとは、「建築後1年以上経過し、又は居住の用に供されたことがあるマンションであって、住戸ごとに、売買するものをいう(規約第3条10号)」。
中古マンションということであれば、「当該物件が存在する階」の表示が義務付けられているのだが、本日のチラシにはそのような表示は見当たらない。
「新築」でない、しかも再販マンションだから、1期、2期という表現は使いづらい。
そこで、○○ステージという表現を使って「新築」を演出しているのか・・・・・・。

(本日、マンション広告3枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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