不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


耐震強度の偽装事件に巻き込まれないために

火曜日、マンション・チラシ1枚。

    • -

外科医が医療事故で新聞紙上をにぎわすことは、ときどきあるが、構造技術者がこれほどまでに世間をにぎわすことは極めて異例だ。
手術室という密室での外科医の過誤が顕在化しにくいのと同様、コンピュータで処理された分厚い構造計算書から誤り部分を発見するのは難しい。
筆者にも構造技術者の知り合いは多いが、皆まじめなエンジニアだ。
構造技術者は、総じてクソがつくほど真面目だ。真面目でないと、根気を要する構造設計など、とても務まらない。
でも、一部の高名な構造技術者を除けば、構造設計事務所の多くは、必ずしも経済的に恵まれているとはいえない。
経済的に恵まれている外科医とこの点は大きく異なる。
経済的に恵まれていなくても、日の目をみなくても、姉歯秀次一級建築士と違って、設計事務所の多くの構造技術者が日夜努力を怠らないのはなぜか。
彼らが、建物の骨組みを支えるための構造設計という重要な役割を担っているというプライドを持っているからだと思う。

    • -

昨日、国交省が倒壊の恐れのある16棟のマンション名を公表した。千葉県の発表によれば、姉歯建築設計事務所が1996年から設計にかかわった物件が、22都府県で合計194件に上るという。
今回、耐震偽装マンションをつかまされた方々には、お気の毒としかいいようがない。
拙著『一生住めるマンション』に出会う機会があったならば―。
いま、マンションをご検討中の方は、拙著『一生住めるマンション』の「7.マンション会社はシェアと実績と経営で選べ」を今一度ご確認ください。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.