不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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地元優先分譲とは?


金曜日、マンション・チラシ11枚。

大手町駅直通16分、駅徒歩25分。総戸数45戸(管理員室1戸を含む)、10階建。地元優先販売戸数15戸、3LDK(67.47m2)〜4LDK(90.23m2)。平成18年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年1カ月後)。

駅徒歩25分と遠い、10階建ての中規模マンション。
チラシのオモテ面の左上に「地元優先分譲」と14ポイントサイズで控え目に書かれている。また、「物件概要」にも、「地元優先販売戸数15戸」と書かれている。
この「地元優先分譲」の意味を確認すべく、電話取材した。

  • 筆者「チラシに『地元優先分譲』とありますが、どういう意味でしょうか?」
  • 男性販売員「地元の方に、優先してご紹介させていただいています」
  • 筆者「優先して紹介するというのは、気に入った住戸を地元でない人よりも優先的に契約できるということですか?」
  • 男性販売員「第1期のご案内は10月からになります」
  • 筆者「ということは、地元の人は、10月の第1期に先立って契約できるということですね」
  • 男性販売員「いいえ、申込み受付は9月23日からとなっています」
  • 筆者「よくわからないのですが、地元の人にはどういうメリットがあるのでしょうか?」
  • 男性販売員「安く買えるというようなことは、ございません。モデルルームにきていただければ詳しくご説明いたします」
  • 筆者「『地元』の定義は、何なのでしょうか?」
  • 男性販売員「配布されたチラシをご覧になられた方が、地元の方ということになります」

「地元優先分譲」に関して、筆者のように、わざわざ電話で尋ねてくる人などいないのだろう。男性販売員のしゃべり方と、かみ合ってない電話の受け答えから、その狼狽ぶりがうかがえる。
「地元優先分譲」と謳っているが、結局のところ、チラシを見た人(=地元の人)であれば誰でも申し込みをすることができる。「地元」の人が優先的に住戸を選べるわけでもなく、経済的メリットがあるわけでもない。
地元の人(=チラシを見た人)に優先的に分譲案内を出していることをもって「地元優先分譲」というならば、ほとんどゴマカシに近い。
男性販売員の定義に従えば、世の中のほとんどのチラシは「地元優先分譲」物件ということになってしまう。
「不動産の表示に関する公正競争規約」第18条(不当表示の禁止)1号(53)項によれば、「不動産への案内の条件、契約手続の条件その他の取引条件について、実際のものよりも有利であると誤認されるおそれのある表示」を不当表示として禁止している。
チラシに「地元優先分譲」と謳うことは、「不動産への案内の条件」について、「実際のものよりも有利であると誤認されるおそれのある表示」となっていないだろうか・・・・・・。

2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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