東京港区の湾岸エリアに建つ高層マンション。
品川駅徒歩12分の超都心型マンション。総戸数325戸、地上32階、地下2階。販売戸数20戸、1LDK(49.01m2)〜3LDK(99.80m2)。販売価格2,930万円〜7,250万円、最多価格帯5,200万円。平成18年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年後)。
- 8月26日(木)の物件と同じ。
文字の小さな「物件概要」に記載されている「修繕積立金」を確認すると、月額3,680円〜7,490円となっている。
専有面積が、1LDK(49.01m2)〜3LDK(99.80m2)だから、面積当たりに換算すると、月額75円/m2だ。
修繕積立金は、安ければ良いとは限らない。将来、修繕工事が必要になった時に積立金が不足して困るのはマンション購入者自身だからだ。
では、この月額75円/m2という金額は妥当なのか?
住宅金融公庫の「修繕積立基準」によれば、専有面積55m2以上、築5年未満で、6,000円/戸。仮に専有面積を80m2とすれば、月額75円/m2。本物件の修繕積立金額の水準とピッタリ一致する。
でも、本物件は32階建ての高層マンションだ。
高層マンションの維持管理や大規模修繕の実績は、まだそれほど多くはないが、エレベータ、防災設備、給排水設備など、設備機器への依存度が高いことや外壁面の改修工事の難しさなどを考えると、低層のマンションに比べて、修繕費用が安くないことは容易に想像できる。
では、世間相場的にはどうなっているのか?
23区内の新築マンションのうち、「20階以上」の物件をリクルートの『住宅情報ナビ』(http://www.jj-navi.com/)で、検索してみたところ、全部で52件あった。
修繕積立金額が「未定」の9件を除いた、43件の修繕積立金の平均月額は、87円/m2・月(80m2換算で、6,960円/月・戸)だ。公庫基準の月額75円/m2の16%増し(=87÷75)である。
本物件の修繕積立金(75円/m2・月)は、23区の新築高層マンションの43物件の平均修繕積立金の水準(87円/m2・月)よりも、低く設定されていることがわかった。マンションの形状は、単純な直方体だから、将来外壁の改修工事を行う場合には、ゴンドラ方式が採用される可能性が大きい。はたして積立金は足りているだろうか?
43物件の修繕積立金のデータを分析した結果、修繕積立金とマンションの階数とは次のような関係にあることが分かった。あまり相関は高くないが、あなたが高層マンションを検討中であれば、修繕積立金額をチェックする際の目安にしてみてください。
- 修繕積立金額(円/月)=(マンション階数×0.7+66)×専有面積
- <計算例:30階建てのマンション、専有面積80m2の場合>
- (30×0.7+66)×80=6,960円/月
- <計算例:30階建てのマンション、専有面積80m2の場合>
※あなたが検討中のマンションの修繕積立金額が87円/m2・月を下回っていると、世間相場よりも安めに設定されていることになる。これは必ずしも喜ばしいことではないので、販売担当者になぜ安いのか尋ねてみましょう。
(本日、マンション広告1枚)