不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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タワー型マンションの欠点

金曜日、マンション・チラシ11枚。

新宿駅直通17分、駅徒歩9分。総戸数290戸、30階建のタワー型マンション。平成16年9月14日竣工(1ケ月後)。

竣工まで1ヶ月を切ったのに、今回の販売戸数は20戸もある。
総戸数290戸のうち、共用施設3戸分(集会室1戸、学童クラブ室1戸、スカイラウンジ1戸)を除くと、実質的に7%(=20÷287)が売れ残っているということになる。
本物件は、「東京都優良マンション登録表示制度」仮認定マンションである。だから、共用部分の性能と、管理の両面で、一定の水準を確保しているマンションとして、都のお墨付きを得ている。将来の売却の際にも有利なはずだ。
なのに、まだ20戸も売れ残っている。
なぜか。

間取りを見れば、その理由は一目瞭然だ。全ての住戸のリビングが、西向きまたは東向きだからだ。
タワー型マンションの欠点は、

  1. 南面以外の住戸の日照環境が劣ること
  2. 上層階(金持ち)と下層階(貧乏人)の住人のコミュニケーション形成が難しいこと

後段のコミュニケーション形成については、別の機会に譲るとして、ここでは日照環境について、補足する。
南面以外の住戸の日照環境のひどさ(南面住戸の日照環境の素晴らしさ)は、意外と認識されていないのではないだろうか。
夏の朝日は暑くて睡眠の妨げになるし、夕方の西日は汗かきものだ。この不快さは経験者でなければ理解できないかもしれない。
でも、冬至の日当たりによる心地良さは、可照時間から理解してもらえるかもしれない。
壁面の方位別の冬至の可照時間は次のとおり。

  • 南面 :9時間32分(100%)
  • 東面・西面 :4時間46分(50%)
  • 北面 :0分(0%)

つまり、東向き・西向きの住戸は、冬至には、南向きの住戸の半分しか日が当たらないということ。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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