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「京都市民泊の在り方検討会」各業界からの要望

京都市は9月20日、「第1回京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」を開催。法律や観光などの専門家8人が出席し、京都市の民泊の現状や意見交換が行われた。

会議当日に配布された資料「(参考1)関係団体意見」(PDF:949KB)が公開されたので、各業界からの要望を確認しておこう。

筆者の雑感(※印)も記しておいた。


もくじ

住宅宿泊事業法の条例化にあたって、各業界が要望している主な事項は以下のとおりである。

【生活衛生営業指導センター】旅館業法並み基準

(京都府生活衛生営業指導センター)

同センターは、生衛法により京都府知事の指定を受けて昭和56年2月16日に設立された公益財団法人。
違法民泊に対して、実行力のある運用体制を求めている。

また、旅館業法並みの基準や、営業日数を玄関など目に付きやすい場所に標示することなども求めている。

※旅館業法並みの基準の要望は、規制緩和の流れに反することになる。

住宅宿泊事業法の条例化にあたって

(略)違法不適切施設の管理・指導には、警察のみならず警備会社等民間会社とも連携のうえ、1室ごとの個別確認、ビルの所有者への賃借人の確認、利用確認等、人権に十分配慮しつつ、実行力のある手法をとれる運用体制とすべきである。
 また、旅館業法並みの構造基準や衛生管理要件、建物の耐火基準、避難経路の確保など、明確に定めるべきである。
 さらには、施設の営業日数の把握は、営業日数を玄関等目に付きやすい場所に標示するなど、厳正な管理・把握を可能とすべきと考える。(以下略)

【ホテル・旅館業界】営業日数上限60日

(京都府旅館ホテル生活衛生同業組合・京都観光旅館連盟)

営業日数の上限を60日、集合住宅の営業日数の上限を30日、住居専用地域での民泊禁止を求めている。

※住宅宿泊事業法の上限は180日だから、それよりもかなり厳しい。

 

また、新たに民泊用に新築した家屋は住宅宿泊事業の対象としないことを求めている。

※これが条例化されると、京都市内では民泊用のマンションを建てられなくなる。

住宅宿泊事業法の条例化にあたって

  • (1) 全域の営業日数は、60日を上限としてください。この60日は。連続した日数とし、届け出の時に、かならず営業日を記載し、その旨ネット上に掲示すると同時に玄関等日につきやすい場所に掲示すること。

  • (2) 集合住宅の営業日数については30日を上限とすること。(1) 同様事前に届け出しネット上、玄関等の目につきやすい場所に営業日を掲示すること。

  • (3) 住居専用地域での、民泊営業は原則できないこととする。認めるとしても営業日数の上限は30日とすること。

  • ((4) ~(7)は省略)

  • (8) 第2条第1項2号「その他の家屋」については、新たに民泊用に新築した家屋は「空き家の活用」という法制定の目的から逸脱するので、住宅宿泊事業の対象とはならないとすること。
  • ((9)~(12)は省略)

【宅建業界】違法民泊に加担しない宣言

(京都府宅地建物取引業協会)

違法民泊に加担しないことを宣言している。

※あらためて宣言しているくらいだから、違法民泊に加担している事例があるということなのか……。

宣言

(略)

ここに改めて、

  • 違法な「民泊」には加担せず、適法で周辺環境に調和した良質な民泊等宿泊施設の提供に協力していく
  • しない、させない違法民泊!」をスローガンに、会員及び従業員に徹底していく

ことを宣言します。

【タクシー業界】連絡先の屋外表示義務化

(京都府域個人タクシー組合8団体)

タクシー乗務員が民泊を発見できず苦労していることを踏まえ、京都市で統一したマークや連絡先番号を屋外に表示すること、施設鍵の受け渡しを有人で行うことなどの義務化を要望している。

※京都市で統一したマークの屋外表示義務化に1票!

住宅宿泊事業法の条例化にあたって
(略)
  • 1.住宅宿泊事業法の条例化に当たりては、関係者が適切に運用することが可能となるよう、必要な基準を定めていただきたい。登録外施設に対しては厳止なる対応をお願いしたい。

  • 2.民泊施設については、当該住所に何ら目印がない施設が多数見受けられ、タクシー乗務員が発見できず四苫八苦している状況がある。法13条で規定された標識のほか、京都市で統一したマークや連絡先番号を屋外に表示することを義務付けていただきたい。

  • 3.民泊施設については、施設商号や住所地・連絡先などの情報を、速やかに電磁式検索可能な形式で情報公開をお願いしたい。また。違法営業申告の窓口を設けていただきたい。

  • 4.民泊施設については、管理人が不在で鍵の受け渡しをキーボックスなど無人で行う例が多い。旅客によっては鍵の受け渡しまでを乗務員に要求する例も多く、多大な負担である。施設鍵の受け渡しにあっては、原則有人で行うことを義務付けていただきたい

  • (5~7は省略)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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