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航空機騒音事件の裁判例まとめ

羽田新飛行ルートの実現に向けて今後、訴訟が起きないのか?

航空機騒音事件の裁判例としては、どのようなものがあるのか?

村頭秀人弁護士著『騒音・低周波音・振動の紛争解決ガイドブック』慧文社 (2011/05)(全591頁)を手掛かりに、整理してみよう。

同書の「付録」に多数の裁判例が掲載されている。

同裁判例は、D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)に登録されている民事事件(昭和20年~平成22年3月30日)を対象に検索し、「騒音」でヒットした1,637件のうち、「騒音に関する裁判所の見解が示されている裁判例」を絶対条件として絞り込んだ結果だという。

特に「付録 A-2 大規模騒音事件の裁判例一覧表」に、「航空機騒音」として38件掲載されている。その38件の裁判例を筆者なりにザックリまとめたのが次表。

首都圏にある、横田基地(夜間飛行差止等請求)や厚木基地(航空機離着陸差止等請求)は複数次にわたって、裁判が長期化していることが分かる。

航空機騒音事件の裁判例まとめ


以下、判決日・登載誌・著名事件名(または事案の内容)のみ抜粋しておいた。

ちなみに、【26】では、横田基地周辺の不動産売買で、公害問題(飛行機騒音を含む)の告知義務が争われている。

※以下、判決日が新しい順。

  • 【38】那覇地沖縄支判平成20・6・26(判例時報2018号33頁)
    普天間基地騒音公害訴訟

  • 【37】千葉地判平19・10・19(登載なし)
    成田空港関係の工事実施計画変更認可等の処分は違法であるとして、周辺住民が当該処分の取消しを求めた

  • 【36】最判平成19・5・29(判例時報1978号7頁、判例タイムズ1248号117頁)([34]の上告審)
    横田基地夜間飛行差止等請求事件(横田基地第5次~第7次訴訟の上告審)

  • 【35】名古屋高金沢支判平成19・4・16(登載なし)に[29]の控訴審)
    小松基地戦闘機離着陸差止等請求事件(小松基地第3次・第4次訴訟の2審)

  • 【34】東京高判平成17 ・11 ・ 30 (判例時報1938号61頁、判例夕イムズ1270号324頁)([30]の控訴審)
    横田基地夜間飛行差止等請求事件(横田基地第5次~第7次訴訟の2審)

  • 【33】大阪高判平成17・7・27(裁判所ウェブサイト)
    神戸空港建設関連事業に対する神戸市の予算支出が違法であることを理由とする、神戸市長に対する支出の差止めと、神戸市を代位しての元神戸市長に対する損害賠償等が請求された事件

  • 【32】千葉地判平成17・7・15(訟務月報52巻3号783頁)
    新東京国際空港建設事業の第2期工事差止請求事件

  • 【31】横浜地判平成14 ・10・16(判例時報1815号3頁、判例夕イムズ1115号86頁
    厚木基地第3次~第5次訴訟

  • 【30】東京地八王子支判平成14・5・30(判例時報1790号47頁、判例タイムズ1164号196頁)
    横田基地夜間飛行差止等請求事件(横田基地第5次~~第7次訴訟の2審)

  • 【29】金沢地判平成14・3・6(判例時報1798号21頁)
    小松基地戦闘機離着陸差止等請求事件(小松基地第3次・第4次訴訟の1審)

  • 【28】東京高判平成11 ・7・23(訟務月報47巻3号381頁)([15]の控訴審)
    航空機離着陸差止等請求控訴事件(厚木基地第2次訴訟の2審)

  • 【27】福岡高那覇支判平成10・5・22(判例時報1646号3頁、判例タイムズ987号87頁)([21]の控訴審)
    嘉手納基地騒音差止等請求控訴・仮執行の現状回復及び損害賠償請求事件(嘉手納基地訴訟の2審)

  • 【26】浦和地川越支判平成9・9・25(判例時報1643号170頁)
    土地付建物売買契約の買主が、売主である宅地建物取引業者に対し、公害問題(米軍横田基地を離着陸する航空機による騒音・振動・電波障害)の存在を告げなかったことは宅地建物取引業法の重要事実の告知義務及び誠実義務に違反し、不法行為または債務不履行が成立するとして、損害賠償を請求した。

公害問題については宅地建物取引業者が専門的知識に基づき説明ないし告知すべき事項とはいえない。但し、宅地建物取引業者は、事柄によっては、専門的知識に基づき説明ないし告知すべき事項ではなくとも、その職務が誠実性を要求される面からして買主に告知すべき義務を負う場合もあるといえるが、当該航空機騒音については、

  • (1)原告らとしては、被告から告知されなくとも、事前に調査し現地を確認する過程で契約絲結に至るまでに当然気付くべき事柄であること、
  • (2)当該土地付建物は横田基地からかなり離れており、横田基地周辺の騒音は社会問題化して公知の事実となっていたこと、
  • (3)騒音の程度も一日のうちのごく限定された時間で、その受け止め方にも個人差のあること、
  • (4)被告が航空機騒音の存在を意図的に隠したとか、原告らが被告に購入物件の紹介を依頼するに当たり、その点について特に注文をつけたとかの特段の事情もないこと、

から、被告が原告らに対し告知すべき法律上の義務があったとまではいえないとされた。

 

  • 【25】東京地判平成8・5・14(判例時報1576号27頁、判例タイムズ924号158頁)
    松本空港の施設変更(従来はプロペラ機のみが離着陸可能たったところをジェット機も離着陸可能にする)許可処分の取消しが請求された。

  • 【24】東京高判平成7・12・26(判例時報1555号9頁)([18]で差し戻された後の控訴審)
    航空機発着差止等請求控訴、同附帯控訴事件(厚木基地第1次訴訟の差戻審)

  • 【23】名古屋高金沢支判平成6・12・26(判例時報1521号3頁、判例タイムズ886号114頁)([12]の控訴審)
    小松基地騒音差止等請求控訴事件(小松基地第1次・第2次訴訟の2審)

  • 【22】東京高判平成6・3・30(判例時報1498号25頁、判例タイムズ855号246頁)([10]の控訴審)
    横田基地夜間飛行差止等請求控訴事件(横田基地第3次訴訟の2審)

  • 【21】那覇地沖縄支判平成6・2・24(判例時報1488号20頁、判例タイムズ850号72頁)
    嘉手納基地騒音差止等請求事件(嘉手納基地訴訟の1審)

  • 【20】東京地判平成6・1・27(判例時報1495号67頁、判例タイムズ865号134頁)
    新東京国際空港設置のための工事実施計画の認可等の取消しが請求された。

  • 【19】最判平成6・1・20(平成4年(オ)第1179号、1181号)(訟務月報41巻4号532頁)([13]の上告審…国が上告人)
    福岡空港夜間飛行禁止等請求上告事件(福岡空港第1次・第2次訴訟の上告審)

  • 【18】最判平成5・2・25(昭和62年(オ)第58号)(民集47巻2号643頁、判例時報1456号32頁、判例タイムズ816号113頁)([7]の上告審)
    航空機発着差止等請求事件(厚木基地第1次訴訟の上告審)

  • 【17】最判平成5・2・25(昭和63年(オ)第612号)(訟務月報40巻3号452頁)([8]の上告審…国が上告人)
    横田基地夜間飛行禁止等請求上告事件(横田基地第1次・第2次訴訟の上告審)

  • 【16】最判平成5・2・25(昭和63年(オ)第611号)(判例時報1456号53頁、判例タイムズ816号137頁)([8]の上告審…被害者らが上告人)
    横田基地夜間飛行禁止等請求事件(横田基地第1次・第2次訴訟の上告審)

  • 【15】横浜地判平成4・12・21(判例時報1448号42頁、判例タイムズ808号82頁)
    航空機離着陸差止等請求事件(厚木基地第2次訴訟の1審)

  • 【14】東京高判平成4・10・23(判例時報1440号46頁、判例タイムズ802号77頁)([6]の2審)
    新東京国際空港の事業認定処分の取消しが請求された。

  • 【13】福岡高判平成4・3・6(判例時報1418号3頁、判例タイムズ781号83頁)([9]の控訴審)
    福岡空港夜間飛行禁止等請求控訴、同附帯控訴事件(福5岡空港第1次・第2次訴訟の2審)

  • 【12】金沢地判平成3・3・13(判例時報1379号3頁、判例タイムズ754号74頁)
    小松基地騒音差止請求、ファントム戦闘機離着陸差止等請求事件(小松基地第1次・第2次訴訟の1審)

  • 【11】那覇地判平成2・5・29(判例時報1351号16頁、判例タイムズ727号118頁)
    沖縄県の米軍基地のための「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」に基づく土地使用定の取消しが請求された

  • 【10】東京地八王子支判平成1・3・15(判例時報1498号44頁、判例タイムズ705号205頁)
    横田基地夜間飛行差止等請求事件(横田基地第3次訴訟の1審)

  • 【9】福岡地判昭和63 ・12 ・6(判例時報1298号32頁、判例夕イムズ685号43頁)
    福岡空港夜間飛行禁止等請求事件(福岡空港第1次・第2次訴訟の1審)

  • 【8】東京高判昭和62・7・15(判例時報1245号3頁、判例タイムズ641号232頁)([3]の控訴審)
    横田基地夜間飛行禁止等請求控訴事件(横田基地第1次・第2次訴訟の2審)

  • 【7】東京高判昭和61 ・4・9(判例時報1192号1頁、判例タイムズ617号44頁)([5]の控訴審)
    航空機発着差止等請求控訴、同附帯控訴事件(厚木基地第1次訴訟の2審)

  • 【6】東京地判昭和59・7・6(判例時報1125号25頁、判例タイムズ532号90頁)
    新東京国際空港建設事業についての事業認定処分の取消しが請求された。

  • 【5】横浜地判昭和57・10・20(判例時報1056号26頁、判例夕イムズ484号107頁)
    航空機発着差止等請求事件(厚木基地第1次訴訟の1審)

  • 【4】最判昭和56・12・16(判例時報1025号39頁、判例タイムズ455号口1頁)([2]の上告審)
    大阪国際空港夜間飛行禁止等請求上告事件(大阪国際空港騒音公害訴訟の上告審)

  • 【3】東京地八王子支判_昭和56・7・13〔判例時報1008号19頁、判例タイムズ445号88頁〕
    横田基地夜間飛行禁止等請求事件(横田基地第1次・第2次訴訟の1審)

  • 【2】大阪高判昭和50・11 ・27 (判例時報797号36頁、判例夕イムズ330号116頁)に1]の控訴審)
    大阪国際空港夜間飛行禁止等請求控訴、同附帯控訴事件(大阪国際空港騒音公害訴訟の2審)

  • 【1】大阪地判昭和49・2・27(判例時報729号3頁、判例タイムズ306号117頁)
    大阪国際空港夜間飛行禁止等請求事件(大阪国際空港騒音公害訴訟の1審)

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