東京都は3月17日、小池百合子知事が進める都政の透明化の取り組みの一環として、「市町村総合交付金」の市町村別の交付額をホームページで公表。
交付額がどのように自治体に配分されているのか可視化してみた。
- 都が透明化の取り組みの一環として「市町村総合交付金」内訳を公表
- 説明文章なし!
- 交付額は八王子市(37億円)と町田市(29億円)がツートップ
- 1人当たり交付額TOP20に島部全ての自治体がランクイン
- 面積当たりでは狛江市(200万円/km2)が頭一つ抜けている
- 交付額の算定内容も公開すべし!
都が透明化の取り組みの一環として「市町村総合交付金」内訳を公表
東京都は3月17日、小池百合子知事が進める都政の透明化の取り組みの一環として、「市町村総合交付金」の市町村別の交付額をホームページで公表した。
東京都、多摩・島しょ向け総合交付金の市町村別内訳を公表
東京都は17日、多摩・島しょの市町村の財源を補うために配分している「市町村総合交付金」の市町村別の交付額を公表した。
これまでも各市町村の決算などをみれば把握できたが、都が個別に公表していなかった。小池百合子知事が進める都政の透明化の取り組みの一環。
同日公表した2016年度分の交付額(総額500億円)の内訳によると、八王子市が37億4300万円、町田市は29億4000万円、西東京市は19億1100万円などとなっている。内訳は都のホームページにも掲載した。年度内に各市町村に交付する予定。(以下略)(日本経済新聞 3月18日)
説明文章なし!
総合交付金の市町村への配分は、どのようにして決められるのか?
都の発表資料は、「平成28年度東京都市町村総合交付金の交付額決定について」と題して、たった一行のお知らせ文章が掲載されているだけ。
「別紙」を開くと、八王子から小笠原村までの各自治体の交付額が列記されているだけ。
説明文章は全くない。
「小池都知事に命じられたので、いちおうホームページにアップしました」と言っている担当者の声が聞こえてきそうだ。
やる気の感じられない都の担当者に代わって、同交付額がどのように市町村に配分されているのか可視化してみよう。
交付額は八王子市(37億円)と町田市(29億円)がツートップ
各市町村に配分された交付額を人口1人当たり、面積当たりに換算して一覧表にまとめみた。
※人口は住民基本台帳人口(平成28年1月1日現在)、面積は総務局行政部長通知「東京都区市町村別の面積について」(平成26年10月1日現在)。
交付額のTOP20を次図に示す。
八王子市(37億円)と町田市(29億円)がツートップ。
人口が少ない大島町(14億円)と八丈町(13億円)といった島部の自治体がランクイン。
1人当たり交付額TOP20に島部全ての自治体がランクイン
人口1人当たりの交付額TOP20を次図に示す。
20市町村のうち、島部の全ての自治体がランクインしている。しかも人口が少ないだけに、青ヶ島村(189万円/人)・御蔵島村(131万円/人)・利島村(103万円/人)は他を圧倒している。
島部を除いた市町村の1人当たりの交付金を地図に落としてみた(次図)。
奥多摩町や日の出町など、西多摩郡の値が高い。
交付額が1位と2位の八王子市と町田市は、1人当たりにすると、とっても少ないことが分かる。
面積当たりでは狛江市(200万円/km2)が頭一つ抜けている
面積当たりの交付額TOP20を次図に示す。
狛江市(200万円/km2)が頭一つ抜けている。
2位国立市(150万円/km2)、3位清瀬市(149万円/km2)。
島部を除いた市町村の面積当たりの交付金を地図に落としてみた(次図)。
清瀬市を筆頭に、西東京市、東村山市、東久留米市など、多摩北部の値が高い。
交付額の算定内容も公開すべし!
あらためて気づくことは、総合交付金の交付額の合計が500億円ピッタリであること。
500億円ありきで、都税が無駄に配分されていないかとっても気になる。
朝日の取材記事によれば、「市町村の財政規模、徴税率や歳出削減率といった経営努力などに基づいて都が決める」ことになっている。
都によると、交付額は、市町村の財政規模、徴税率や歳出削減率といった経営努力などに基づいて都が決める。道路改修や学校の耐震化、観光拠点の整備、災害対応などに使われる。
(朝日新聞 3月2日)
「東京都市町村総合交付金交付要綱」により、交付額は財政状況割30%、経営努力割15%、振興支援割55%という比率で算定されることになっているらしいので、そのあたりの内訳まで公開しないと透明化したことにならないのではないだろうか。
ちなみに、都知選で小池知事の得票率が高かった自治体(次図)への交付額が高いというわけではなさそうだ。
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