首都圏の新築マンションの発売価格は、庶民にとっては絶望的なほどに上昇中であることを先月のブログに記した。
バブルが崩壊するまで待てないという人のために、中古マンションの価格水準を調べてみた。
ざっくり言うと
- 中古マンションの価格も上昇傾向にはあるが、新築の約6割(首都圏)
- 東京がムリでも、神奈川・埼玉・千葉であれば手が届くのでは
- 売主の言い値と成約価格の差は約500万円(首都圏中古)
- 「築0~5年」に対して、「築20年超」は約4割の価格
中古マンションの価格も上昇傾向にはあるが、新築の約6割(首都圏)
東日本不動産流通機構が運営しているREINS TOWERサイトに毎月発表されている「月例マーケットウオッチ」に、首都圏と1都3県の中古マンションの成約単価が掲載されている。
不動産経済研究所が毎月発表している、新築マンションの発売単価とともにグラフ化してみた(次図)。
中古マンションの単価は3年ほど前から若干上昇傾向にはあるが、16年4月時点で46.5万円。新築の82.6万円の約6割でしかない。
平均築年数が約19年と築浅ではないマンションのデータではあるが、70m2に換算すると3,255万円。これなら庶民でも手が届くのではないか。
首都圏平均ではなく、1都3県の中古マンションの単価の推移も可視化してみよう。
東京がムリでも、神奈川・埼玉・千葉であれば手が届くのでは
中古マンションといえど、都内では3年ほど前から上昇を続けている(次図)。
東京都がムリでも、神奈川県や埼玉県、千葉県であれば手が届くのではないか。
売主の言い値と成約価格の差は約500万円(首都圏中古)
次に、築年数で中古マンションの単価はどのくらい変わるのか(安くなるのか)確認してみよう。
REINS TOWERサイトで毎年3月に発表される「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」データをひも解いてみた。
成約物件のm2当たり単価は「築0~5年」が70万円台、「築6~15年」は50万円台、「築16~20年」は40万円台、「築20年超」では30万円前後(次図)。
新規登録物件の単価(≒売主が売りたい単価)と成約物件の単価のかい離は、平均で約7.9万円。70m2換算では552万円の差がある。
つまり、中古マンションを買う場合には、ネゴ交渉によって、売主の言い値よりも500万円くらいは安く買える可能性があることを示唆している。
「築0~5年」に対して、「築20年超」は約4割の価格
では、築年数の経過とともに単価はどれくらい下落するのか?
「築0~5年」の中古マンションの成約単価を100とした場合、各築年の成約単価の割合を可視化したのが次図。
「築21~25年」までは、ほぼ年数に比例して下落していることが分かる。
「築0~5年」に対して、「築20年超」は約4割の価格(約6割下落)であまり変化していない。
あわせて読みたい
(本日、マンション広告なし)