住宅ローンの破産実態はどうなっているのか?
残念ながらその数字が分かる統計データは、なかなか見当たらない。
全国銀行協会(全銀協)あたりが各行のデータを集約すれば簡単にまとめられると思うのだが――。
何かいいデータはないものかとググっていたら、日本弁護士連合会のホームページに、「2014年破産事件及び個人再生事件記録調査」(PDF:6.6MB)の結果が掲載されているのを発見!
同調査は1992年から実施されていて、2014年調査が9回目。
2014年調査では、全国で2013年6月から11月までに申し立てられた破産事件1240件、個人再生事件708件(小規模個人再生560件、給与所得者等再生148件)の有効データが収集・分析されているのだ。
全152ページと結構な分量。住宅ローン破産に関連しそうな情報を中心に拾ってみた。
住宅ローンによる破産は16%(2014年)
2014年の破産事件1,240件のうち、破産理由(複数回答)を見ると、「生活苦・低所得」が約6割(人数比)で圧倒的に多い。
「住宅購入」による破産は16%。
住宅ローンによる破産は増加傾向
同調査によれば、「失業」「給料の減少」等に伴い、住宅ローンが支払えず破産せざる得ない状況が深刻化しているという。
「住宅購入」は、2008年調査以降、増加傾向にあり、今回調査では大幅に増加して1997年調査以降の最大値を更新した(12.24%→16.05%)。
「失業」「給料の減少」等に伴い、住宅ローンが支払えず破産せざるを得ない状況がより深刻化していると思われる。
「住宅購入」による破産は、11年・14年と上昇している。
住宅ローンは現代の小作農
35年ローンを組み、その返済のために働く。
「住宅ローンは現代の小作農だ」というジャーナリストの金子哲雄氏(「持たない」ビジネス 儲けのカラクリ )。
全国では、4割近い世帯が住宅ローンを組んでいる(全国で4割近い世帯が住宅ローンを組んでいる! )。
政府も銀行も、小作を惑わすような住宅ローン破産データなど開示したくないということなのであろうか。
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