大震災や大洪水の発生リスクを念頭にマンションの立地を選ぶ人はいても、スギやヒノキの花粉の大量飛散リスクを気にしてマンションの立地を選ぶ人は多くないのではないか。
マンション選びで、めったに起こらない大地震や大洪水リスクは盛んに取り上げられるが、毎年春に確実に起きる花粉症への影響を取り上げたメディア記事はほとんど見ない。
そこで大手メディアに代わって、花粉症歴30年超の筆者が調査・分析し、スムログに投稿したのが「マンション選び、都内で花粉症に優しい地域はどこか?」という記事。
都内では、花粉症に最も優しい地域は江東区であるということと、江戸川・墨田・足立区の一部も花粉飛散数が少ない傾向が見られることを明らかにした(次図)。
「マンション選び、都内で花粉症に優しい地域はどこか? | スムログ」より
今回は上記記事で採用したのと同じ手法を使って、神奈川県、千葉県、埼玉県について飛散花粉数を可視化し、最後に首都圏全体を可視化する。
神奈川県:花粉飛散数は東部と南西部で比較的少ない
2023年春(2~5月)の神奈川県内の自治体ごとの花粉飛散数をグラフ化したのが次図。
さらに、2023年春(2~5月)の神奈川県内の自治体ごとの花粉飛散数を地図に落としてみた(次図)。
神奈川県内では、花粉飛散数は東部と南西部で比較的少ないことが分かる。
千葉県:粉飛散数は湾岸エリアでは概ね少ない
2023年春(2~5月)の千葉県内の自治体ごとの花粉飛散数をグラフ化したのが次図。
さらに、2023年春(2~5月)の千葉県内の自治体ごとの花粉飛散数を地図に落としてみた(次図)。
千葉県内では、花粉飛散数は湾岸エリアでは概ね少ないことが分かる。
埼玉県:花粉飛散数は東部にいくほど少ない
2023年春(2~5月)の埼玉県内の自治体ごとの花粉飛散数をグラフ化したのが次図。
さらに、2023年春(2~5月)の埼玉県内の自治体ごとの花粉飛散数を地図に落としてみた(次図)。
埼玉県内では、花粉飛散数は東部にいくほど少ないことが分かる。
首都圏:花粉症に優しい地域は、湾岸エリアかも
そもそも花粉というものは、行政境界でキッチリ分けられる性質のものではないので、2023年春(2~5月)の首都圏の飛散花粉数につき、等高線で表現してみた(次図)。
スギ花粉の発生源といわれている埼玉の秩父地方、東京の奥多摩地方、神奈川の西部、千葉の房総半島中北部からの飛散花粉数が多い状況がよく再現されている。
都内で花粉症に優しい地域は、湾岸エリアと言えるのではないか(湾岸タワマン好きには嬉しいお知らせ)。
※追記24年3月7日
今回の解析の対象となった花粉飛散数のデータを提供している株式会社ウェザーニューズに、花粉飛散数の単位が「個数/m^2」と表示されているのは間違いではないのかメール照会したところ(3月4日)、「個数/cm^2」の間違いである旨のメール回答が送られてきた(3月7日)。
担当部門と確認しまして、単位に誤りがあることが判明しました。
大変申し訳ございませんでした。サイトでの表記は修正をいたしました。
公開前のチェックを徹底し、再発防止に努めてまいります。
こんな基本的な情報を間違えてサイトに掲載し続けているなんて、チョットお粗末。
※本記事の記載内容にかかわらず、マンションの立地を決めるのは自己責任でお願いします。
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