PPAPの歌詞をピコ太郎と無関係の企業が商標出願しているというニュース。
無関係の「商標出願」繰り返す企業(Yahoo!ニュース)
PPAPの歌詞をピコ太郎と無関係の企業が商標出願しているというニュース。
無関係の「商標出願」繰り返す企業、ついに「ペンパイナッポーアッポーペン」も!
ピコ太郎さんの大ヒット曲「Pen-Pineapple-Apple-Pen(PPAP)」で使われるフレーズ「ペンパイナッポーアッポーペン」などが、大阪府内にある無関係の企業によって商標出願されていたことがわかった。
(中略)
大阪の企業は、過去にも「STAP細胞はあります」「民進党」といった言葉など、既存の団体や人物に関連した商標を出願していた。特許庁は昨年5月、「一部の出願人から大量の商標出願が行われている」として注意喚起する声明を発表していた。
(Yahoo!ニュース 1月24日)
念のため、商標の出願・登録状況が閲覧できる「特許情報プラットフォーム(J―PlatPat)」で調べてみると、たしかに「ペンパイナッポーアッポーペン」や「PPAP」が出願されている(次図)。
Yahoo!ニュースが報じている「大阪の企業」とは、ベストライセンス株式会社であることが分かる。
ベスト社はどのくらい商標を出願しているのか?
ベスト社の出願件数は「サンリオ」をブッチギリ
株式会社 root ip(代表者 弁理士 大倉昭人)が運営しているサイト「知財ラボ」に「2016年公開商標公報 出願人ランキング」(TOP10)が掲載されている。
グラフにすると、ベストライセンス株式会社(19,949件)がダントツで多いことが一目瞭然だ(次図)。
2位の上田育弘氏(5,701件)は、同社と同じ住所。
この2者は、ライセンスビジネスで有名なサンリオ(829件)をブッチギリにしているのである。
商標の出願料は最低1万2,000円だから、同社は2億円以上支払っているのかといえば、そうではないようだ。
特許庁は名指しは避けているものの、出願料を支払わないで大量の商標登録出願を行っている人の存在を指摘している。
最近、一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願などの商標登録出願が大量に行われています。しかも、これらのほとんどが出願手数料の支払いのない手続上の瑕疵のある出願となっています。
審査開始時に出願料が支払われていなければ出願が取り消される。
出願して取り消されるまでの間に、他社と交渉し商標の売買と使用権の許諾で利益を得るビジネスモデル。パテント・トロール・ビジネスに似た手法で「商標ゴロ」などと呼ばれているらしい。
特許庁は、「仮にご自身の商標について、このような出願が他人からなされていたとしても、ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないよう」注意喚起している。
仮に出願手数料の支払いがあった場合でも、出願された商標が、出願人の業務に係る商品・役務について使用するものでない場合(商標法第3条第1項柱書)や、他人の著名な商標の先取りとなるような出願や第三者の公益的なマークの出願である等の場合(同法第4条第1項各号)には、商標登録されることはありません。
したがいまして、仮にご自身の商標について、このような出願が他人からなされていたとしても、ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないようご注意ください。
(同上)
どうやら「ペンパイナッポーアッポーペン」や「PPAP」は、「他人の著名な商標の先取り」になるので商標に登録されることはなさそうだ。
よかったね、ピコ太郎!
ところで、このベスト社は、マンション関係でも商標を出願をしているのか?
ベスト社は、マンション関係でも商標を出願している!
「特許情報プラットフォーム(J―PlatPat)」で調べてみたところ、次の4件が見つかった。ただ、いずれも審査待ち状態。
- 限界マンション(出願日16年10月15日、審査待ち)
- AI・TOWER(出願日16年11月19日、審査待ち)
- ECOTOWER(同上)
- AUTOTOWER(同上)
「AI」と「TOWER」をピッコって、うーっ、「AI・TOWER」・・・なんてね。
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