2014年1月の携帯電話純増数はソフトバンクが首位、ドコモは3位に転落
国内携帯系キャリアのガリバー=ドコモに挑む2弱のauとソフトバンクのニュースをマスコミ各社は頻繁に伝えている。
たしかに「純増数」での争いではauとソフトバンクは健闘している。
ただ、「契約数」ではドコモが圧倒している。
※TCA(電気通信事業者協会)のサイトに掲載されている3社のデータから上図を作成した。
なぜ、マスコミは「国内携帯系キャリア市場」に係るニュースを頻繁に取り上げるのに、「マンション管理市場」に係るニュースはほとんどといっていいほど取り上げないのか
ドコモ(堀北真希)やau(剛力彩芽・哀川翔)、ソフトバンク(白戸家・堺雅人)のCMは毎日のように流れているが、マンション管理業者のCMは皆無だ。スマホのCMは個人がキャリアを乗り換える行動に直結するが、仮にマンション管理のCMを流したとしても、個人が管理会社を代える行動を起こす可能性は極めて低い。
携帯系キャリアと違って、マンション管理業者を代えるためのハードルは高く、そもそもマンション管理は業者にお任せの場合が多いからだ。
消費者は「国内携帯系キャリア市場」に高い関心を持っているが、「マンション管理市場」に対してはとても無関心だ。
消費者は無関心だし、地味な業界なので、マスコミもニュースとして取り上げることがない。
地味な業界ではあるが、ある程度の規模をもった安定した市場だ。
皆の無関心をいいことに、管理業者はやりたい放題となっていないか――。
市場規模の比較
「テレコムデータブック 統計年報2013(電気通信事業者協会)」をひも解くと、国内携帯系キャリア市場(ここでは「携帯又はPHSデータ伝送」を対象とした)の12年度売上高が約3.6兆円(増加率13%)。ここ数年大きく伸びていることが分かる。一方、「マンション管理市場」のほうはといえば、矢野経済研究所が2014年1月16日に発表した「マンション管理市場に関する調査結果 2013」によれば、12年(年度ではない)のマンション管理費売上高が0.6兆円(増加率2.4%)。
「国内携帯系キャリア市場」と比べて、売上高は6分の1(増加率は5分の1)と小さい(次図参照)。
「マンション管理市場」は3強
「国内携帯系キャリア市場」に参入しているのが19社に対して、「マンション管理市場」には大小合わせて400社近くも参入している。管理受託戸数では、「大京アステージ」「日本ハウズイング」「東急コミュニティー」が3強だ(詳しくは、ほとんど知られていない、マンション管理会社ランキング(決定版)参照)。
ただ、増加戸数(前年比)で見ると、日本ハウズイングが増加傾向にあるのに対して、東急コミュニティーは減少傾向。
大京アステージも減少傾向にあったが、2013年にジャパン・リビング・コミュニティと合併して大幅に増加した(次図参照)。
おわりに
「国内携帯系キャリア市場」においては、ガリバー=ドコモに2弱のauとソフトバンクがシェア争いと挑むことで、ここ数年、サービスが向上するとともに価格が低下してきたのは皆の知るところだろう。一方、「マンション管理市場」においては、消費者もマスコミも無関心。
みんなが無関心をいいことに、管理業者はやりたい放題となっていないか――。