不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


新築マンション(3都県)価格動向、鑑定評価員コメント(2月22日)


本日、マンション広告なし。

    • -

国土交通省が2月22日、全国主要都市の計150地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。

比較的バイアスのかかっていない、新築マンション市況を知り得る数少ない情報。

3都県の新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」を拾ってみた。



埼玉

  • さいたま市(新都心))【マンション分譲価格:横ばい】
    • マンション分譲価格は値下がりは見られず、横ばい傾向であるが、1月下旬に分譲する新規マンション419戸の分譲価格が注目されている。



千葉

  • 千葉市(中央区/千葉港)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 内陸部の駅徒歩圏のマンションの需要は比較的安定しているものの、東日本大震災の影響により海に近いエリアのマンションに対するエンドユーザーの需要は大きく減少している。当地区は震災被害の大きかった美浜区に比べると需要減少の割合は少ないが、海に近いマンションを中心に総じて湾岸エリア内の取引件数は少なくなっており、成約までの期間も長く、マンション分譲価格は下落傾向にある。


  • 千葉県(浦安市/新浦安)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 東日本大震災後、価格面などで良い条件の中古マンションの取引が市内居住者を中心に徐々に増え始めているものの、取引数は未だ震災前の数分の一程度に留まっている。需要は少ないが、売り手の目立った値下げも認められず、売り手と買い手の目線が乖離している状態が続いている。以上より、当面、まとまった住宅需要は見込めず、当分新規分譲需要が見込めないことから、マンション分譲価格は下落傾向にある。


  • 千葉県(柏市/柏の葉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 駅前の高層マンション分譲価格は概ね横ばいで推移しているが、柏市外からのファミリー層の需要減退により、今後マンション分譲価格が下落傾向に向かうことが懸念される。



東京

  • 千代田区(番町)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東日本大震災の影響により落ち込んだ不動産需要者のマインドは概ね落ち着いてきた。優良な新築もしくは築浅物件を求める需要は引き続き堅調である。ただし、規模の大きい新規物件の供給が予定されていることから、一部に買い控えの動きは認められる。これらの動向を総合的にとらえると、マンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 中央区(佃・月島)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 都心へのアクセス等の立地の優位性から当地区のマンションに対する需要者は依然として存するため、マンション分譲価格は横ばい傾向であるが、当地区の分譲マンション新規供給が今後多数予定されていることから、需要との兼ね合いで先行きの価格に対する懸念も存在する。


  • 港区(南青山)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 景気先行きの不透明感等から富裕者層による高級住宅の買受け意思決定が慎重であること、当地区周辺において従前より小さい専有面積で分譲単価も低く設定した新築物件が供給されていること等から、マンション分譲価格は下落している。中古マンション価格にも同様の傾向が認められる。


  • 港区(高輪)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東京メトロ南北線沿線で大手・中堅デベロッパーにより中小規模のマンション供給が続いており、販売状況も概ね堅調でマンション分譲価格は概ね横ばいである。隣接地区において当地区からも徒歩圏にある大型物件の販売が夏に予定されており、定期借地権であることから今後周辺地区のマンション開発に与える影響が注目される。


  • 港区(芝浦)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 当地区及び周辺地区の超高層中古マンションの売出価格は、東日本大震災等の影響が薄れ、当期は前期と比較するとやや上昇傾向に転区じているため、マンション分譲価格は上昇傾向で推移している。


  • 渋谷区(代官山)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 高額マンションの買受需要は弱く、マンション分譲価格は下落傾向にある。


  • 文京区(本郷・湯島)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 長引く地価低迷による分譲価格の底値感と、住宅ローン減税やフラット35等の利用によりマンション販売は好調である。なお、本郷三丁目周辺は、比較的高級住宅街であることから、新築マンションについては、比較的グレードの高いものが計画され、マンション分譲価格そのものは、高水準の横ばい傾向である。


  • 品川区(品川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当期は当地区において新規のマンション分譲はない。築4年になろうとする駅近のマンションは現在も分譲中であり、マンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 江東区(豊洲)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区及び隣接する湾岸エリアでは、デベロッパーが耐震性・安全性をより強く打ち出したこともあって、高層マンションの新築販売が好調で、臨海部を選好するエンドユーザーの需要も東日本大震災前の状態に戻りつつあるが、一方で震災前に竣工し、その後売れ残った在庫も少なくなく、これらの処分が完全に落着くまで実質的なマンション分譲価格の上昇はなく横ばい傾向である。当期においても、高層マンションの分譲価格を見ると概ね前期と同価格で推移している。


  • 世田谷区(二子玉川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 新築マンション分譲価格は、動きは総じて弱含みの横ばいで、駅徒歩10分圏内、3LDK(70m2以上)、6千万円程度までの価格が売れ筋である。中古マンションについても、再開発後の値上がり期待を待つ物件の市場滞留の長期化がみられるが、売主が価格を引き下げると、築10年以内で、5000万円までの価格帯であれば需給ギャップが解消して成約につながっている。




  • 武蔵野市(吉祥寺)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 新築物件は、都内の他地域同様、若干の需要の減速傾向が伺え、当地区でも利便性に劣るエリアでは苦戦しているものもある。好条件が揃っていれば、新規物件が出にくい吉祥寺駅周辺ならば高値で成約する可能性が高く、新規のマンション分譲価格は概ね横ばいという状況にある。但し中古マンションについては、駅に近く比較的築浅の物件でも若干の陰りが見られ、取引価格はやや下落傾向にある。


  • 立川市(立川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 年初から春にかけて完成する新築分譲マンションの販売が6物件ほど始まっており、マンション分譲価格は横ばいである。しかし、立川駅から10分以上離れた立地条件や駅に近くても敷地規模が小さいコンパクトマンションのため、いずれの物件も竣工時迄に完売することは難しく、販売はやや苦戦している。





神奈川

  • 横浜市(都筑区/筑区センター南)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 全体的に分譲面積を縮小し、販売価格を抑えた物件に人気が集まるが、総額が嵩む物件については動きが悪い。子育て世代にとってセンター南駅周辺は、役所・病院・商業施設・映画館・公園等が整備されて充実しているため、港北ニュータウンの中でもセンター北駅と並んで人気のあるところで、乗降客数も増えている。1次取得層で給与所得者が需要の中心であり、マンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 横浜市(青葉区/美しが丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 販売中の藤が丘駅徒歩7分専有坪単価200万円から210万円や青葉台駅4分専有坪単価220万円〜230万円のマンションは完成直後になっても売れ残りが見られるなど、平成23年後半になってからの市場の冷え込み状況が未だ影を落としているが、マンション分譲価格は横ばいである。


  • 川崎市(中原区/元住吉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 中原区内では昨年後半からマンションの新規販売が相次いでおり、特に武蔵小杉駅徒歩圏の物件は販売時に90%以上の成約率となっているものが多かったが、現在工事中の駅に隣接する武蔵小杉駅南口再開発ビルの平均分譲価格は6千万円台を超え、かつての売り出し物件のように即日完売とまではなっていない。当地区の特徴は隣接する東京と比べての割安感であり、地区全体の開発が中盤にさしかかった現在、高額物件の売却が課題といえ、マンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 川崎市(麻生区/新百合ヶ丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 新築マンション市場については、住宅取得支援策(住宅取得資金に係る贈与税の非課税枠の拡充)等の政策効果により、市況・需給ともに回復基調にある。新百合ヶ丘駅徒歩5分の立地で定期借地権付分譲マンションが計画(総戸数85戸)されている。利便性及び品等良好なマンションについては需要が根強く、中古マンション価格についても概ね横ばい傾向で推移している。従って、新築マンション分譲価格についても横ばい傾向で推移している。



関連記事

ときどき つぶやいています。

↓ ↓ ↓

http://twitter.com/1manken

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.