不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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マンション・チラシに垣間見る不都合な真実(13選)

この半年間のブログ記事から、「マンション・チラシに垣間見る不都合な真実」を拾ってみた。


3,200円分のお食事券の意味するところ
1,600円分の食事券2枚で昼食を済ませた後、クオカード2,000円分でショッピングも楽しめる、と思われた方は、いないだろうか? 

所得情報を含む高度な個人情報にしては、なんとも安い金額だとは思わないか。 

5,200円の経費を掛けて、90分間の営業チャンスを得ようとしているデベロッパー。

人気がない物件であることを自ら告白しているようなものだ、と見るべきだろう。



バラバラ配置の間取図を合体して見えてくる不都合な真実
B3判チラシ裏面に掲載された4つの間取り図。方位がバラバラに描かれているだけでなく――

AタイプとCタイプの間取り図の並びが、実際の住戸の並びとは左右逆に配置されている。

バラバラの間取り図を合体すると不都合な真実が見えてくる。



「嵌め殺し窓」の超高層マンションは、冷房が不可欠
「嵌め殺し窓」を採用したことで、オフィスビルのような外観の格好さが実現できたのだが、窓の清掃は容易にできないし、避難性能も劣るなど、居住者にとっていいことはほとんどない(外観の格好さは、売主都合!)。

万が一、計画停電になろうものなら、リビングは灼熱地獄と化す。



超高層マンション、エレベーターというアキレスけん
東北地方太平洋沖地震の強い地震の影響で、首都圏でも超高層マンションのエレベーターが停止し、不便された方が多かったのではないだろうか。

平常時であれば、専門技術者が直ちに駆けつけ、速やかに点検実施、運転再開となるのだが、大地震時には、専門技術者がてんてこ舞いとなって、復旧に時間がかかる。



これからの「正義」の話をしよう〜工期遅延リスクは誰が負うべきか?
東北関東大震災、工期遅延リスクは誰が負うべきか? 

入居予定日遅延リスクをデベロッパーに負担させるべきか、購入者が負担すべきか、悩ましいところだろう。



マンション抽選、事前調整は必要悪か
売れ残って困るのは、売り主だけでなく、既購入者も同じだから、マンション抽選の事前調整は、必要悪だという見方もできそうな気がするが――

消費者の視点からいえば、本来であれば、売れ残って値下げ販売されたであろう不人気物件を高値でつかまされていることになる。

事前調整された“抽選”により、売り主利益が最大化される一方で、購入者が不利益を被っているという構図。



新築マンション登録受付・抽選、事前調整の舞台裏
その日の「本広告」で200戸を「新発売」し、当日の15時に受付終了だなんて、第6条ルール(事前予約不可ルール)を順守していないのは明らかではないか。

“日本最大の新築マンション口コミ掲示板”マンションコミュニティからこの物件の口コミ情報を拾ってみた。



先着順物件のメリット
販売サイドのメリットとして、抽選前の事前調整の手間や、抽選そのものの手間が省けることが考えられる。

抽選前に、人気住戸がバッティングしないよう、希望する住戸を要望書として受け付ける行為そのものが、本来はルール違反。

「先着順」であれば、その辺の後ろめたさと煩わしさから解放される。

さらに穿った見方をすれば、どの住戸が先着順の対象住戸なのか外部からは特定できないから、売れ行きを見ながら、先着順の対象住戸を決めていくことも可能だろう。



期末決算前の大幅値引き物件は買いか?
「決算期なので、大幅値引きしますから、なんとか○日までに契約をお願いします」などという販売員の煽りトークに惑わされてはいけない。

最初から「大幅値引き」を見込んだ価格が設定されているかもしれないからだ。

もし、本当に大幅な値引きだったとしたら、それはそれで、問題がある。

「年度末の大幅値引き物件」=「超不人気な売れ残り物件」であるからだ。



元地権者の多いマンションのメリット・デメリット
入居時に判を押させられる原始規約は、元地権者に有利な規約が盛り込まれている可能性すらある。

駐車場位置はもちろん、住居位置は、元地権者の意向が優先されていると考えたほうが精神衛生上は良さそうだ。

元地権者が高齢者ではない場合には、自らが住まず、速攻で賃貸に出されることが予想される。

マンション所有者の中に、多くの賃貸人が混在するマンションでは、良好なコミュニティの形成が難しさを増す。



マンション“販売戸数”の虚と実
予告広告(30戸)で集客しておいて、反応がいいと見るや、一気に150戸を売りさばくという、「予告広告」の本来の趣旨を大きく逸脱した、なんとも売主都合の販売ワザ。

マンション・チラシを定点観測できる筆者には、手に取るように分かるのだが――売主と消費者との情報のギャップの大きさに愕然とするばかりである。



コンパクトマンション=金融商品
駅チカで都心へのアクセスが良好なワンルームマンションは、若い人にとってさぞかし魅力的なものだろう。

このコンパクトマンションを購入した多くの若者は、早晩、転勤や結婚などのライフスタイルの変化に伴い、自らが住まなくなる可能性が高い。

遠からず賃貸化する宿命にあるこのコンパクトマンションの折込みチラシは、カタチを変えたマンション投資へのお誘いなのだ。



新築マンション、ランキング・サイトの実態
多くのサイトが価格の比較ではなく、ホームページへのアクセス数を人気ランキングの代替指標としているのが、物販比較サイトとの大きな違いだ。

規模が大きいマンションや長期間にわたって売り出されている(=売れ残っている)マンションほどアクセス数が多く(=ランキングが高く)なってしまうことはないのか?

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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