【最終期1次 本広告】日暮里駅直通18分、駅徒歩19分。総戸数216戸、11階建。販売戸数25戸、3LDK(68.07m2)〜4LDK(88.79m2)。販売価格2,670万円〜4,090万円、最多価格帯2,800万円台(4戸)。平成23年7月上旬竣工(本チラシ掲載日の6カ月後)。
- ※10月22日(金)の物件と同じ。
精密機械メーカー事業所の跡地に建つ、駅から遠い大規模マンション。
新聞全紙大のチラシのオモテ面の左上に、赤帯の上に白抜きの大きな文字を載せた、目立つキャッチコピー。
- ご好評につき、早くも最終章へ。
竣工まであと半年。本日のチラシは「最終期1次」の「本広告」。
どの程度「好評」なのか?
『マンション・チラシの定点観測データベース』とリクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解いてみた。
この物件の広告が最初にお目見えしたのは、10年7月20日の「第1章(予告広告)」。
このときの予定販売戸数は30戸となっていた。
ところが、9月28日に出た「第1章(本広告)」の販売戸数は、なんと150戸!
その差120戸。
しかも、受付登録期間は平日の10月4日(月)11:00〜12:00のピンポイント。
その日の午後13時から抽選するという早業だ。
予告広告(30戸)で集客しておいて、反応がいいと見るや、一気に150戸を売りさばくという、「予告広告」の本来の趣旨を大きく逸脱した、なんとも売主都合の販売ワザだ。
「第1章」以降の広告の販売戸数は、次のとおりだ。
- 第1期
- 予告広告10戸
- 本広告15戸
- 第1期2次
- 予告広告10戸
- 本広告21戸
- 最終期1次
- 予告広告10戸
- 本広告25戸
「第1章」から「最終期1次」までの「本広告」の“販売戸数”の推移をグラフ化すると次のようになる。
竣工まであと半年もあるというのに、「最終期1次」までに販売した累計戸数は216戸。
ただし、この216戸は、あくまでも「本広告」の“販売戸数”の累計であって、必ずしも契約に至った戸数でないことに注意する必要がある。
総戸数216戸の期分け販売の割合を円グラフで表すと次のようになる。
まだ販売されていない戸数は、5戸。
で、冒頭で述べた「どの程度『好評』なのか?」という問いに対して――
「好評」かどうかは別にして、「好調」な売れ行きを感じさせる期分け販売状況にあるとは言えそうだ。
ついでに、この物件の「予告広告」と「本広告」の“販売戸数”を比較したグラフ化も作ってみた。
「予告広告」の”販売戸数”に対して、「本広告」の”販売戸数”が増えている様子がよく分かる。
ある物件がどの程度売れているのか? あるいは、売主がどのように売りさばこうとしているのか?
マンション・チラシを定点観測できる筆者には、手に取るように分かるのだが――
売主と消費者との情報のギャップの大きさに愕然とするばかりである。