不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「管理費ゼロ」という販促ワザ


本日、マンション広告なし。

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「管理費ゼロ」の付加価値マンション、○○(=デベロッパー名)が横浜で開発。
以下にasahi.com 2010年11月8日の記事を抜粋。

(前略)
マンションの1階部分に設ける店舗部分の床面積(149平方メートル)を、区分所有者に共有持分として所有してもらう。
この部分から上がる賃料収入を、管理組合がマンション全体の管理費として充当する方式だ。

通常、マンションにテナントが入居する場合、マンションディベロッパーがその部分を売却するか、そのまま保有して賃料収入を得ていくケースが多い。
今回は、区分所有者全体の「資産」として店舗部分を共有するものだ。

既に大手コンビニエンスストアの入居が決まっており、20年の賃貸借契約のうち、当初5年間については月額110万円の賃料保証を付けた。
そのうち100万円を管理費に計上すれば、総戸数82戸の同物件の管理費が賄えることになる。単純計算で1戸当たり1万2200円弱だ。
残り10万円は、店舗にかかる修繕積立金及び区分所有者にかかる固定資産税などに充てる。
(後略)

1階店舗の家賃収入が入るから、マンション居住者の管理費はゼロという謳い文句。
どこかヘン。


賃料保証は最初の5年間だけ。6年以降は保証されていない。
店子(たなこ)に逃げられたら、家賃収入は入らず、修繕費用や固定資産税を負担し続けなければならないことになる。
欲しくもない1階の店舗の建設費を負担させられて、「管理費ゼロ」を素直に喜ぶ人は、よほどの能天気だと思う。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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