不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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新・旧価格を比べてみると、一部住戸の値付け失敗が読み取れる


総戸数の16%も地権者住戸含まれている、駅から遠い超高層マンション

【第1期1次・2次・3次先着順】新宿駅20分(途中急行乗り換え)、駅徒歩16分。総戸数90戸(地権者住戸14戸含む)、20階建。販売戸数20戸、2LDK(60.04m2)〜3LDK(75.68m2)。販売価格3,550万円〜4,860万円、最多価格帯4,000万円台(5戸)。平成22年10月竣工済み(本チラシ掲載日の1カ月前)。

  • ※5月1日(土)の物件と同じ。



新聞半紙大のチラシのオモテ面に値下げの大見出し。

  • 全邸価格改定
  • 新価格発表

チラシ裏面に掲載された3つの間取り図に、それぞれの新・旧価格が表示されている。
3つの間取り図には、左から右に次のように並んでいる。

  • B type 66.46m2 (3LDK・102号室)新価格3,770万円、旧価格4,250万円
  • F type 74.90m2 (2LDK・1202号室)新価格4,190万円、旧価格4,610万円
  • H type 71.95m2 (3LDK・308号室)新価格3,780万円、旧価格3,980万円

これら新・旧価格を見て、おやっと思った人は、価格に敏感。


左の二つ(B type/1階とF type/12階)の値下げ額が5百万円近い(480万円と420万円)のに、一番右側のH type/3階の値下げ額は200万円と小さい。
間取り図の掲載順を左から右に、低い階(102号室)から高い階(1202号室)に並べればいいものの、あえてバラバラ(102号室⇒1202号室⇒308号室)に並べているのは、とても不自然だ。
分譲価格の低い順番に並んでいるわけでもないし(3,770万円⇒4,190万円⇒3,780万円)し。
チラシを見る人に、的確な価格判断をさせようとしない意図を感じるのは筆者だけか・・・・・・。


新・旧価格の変化を理解しやすいよう、低い階(102号室)から高い階(1202号室)に並べ直したうえで、値下げ額・値下げ率をグラフ化してみた。
※以下のグラフでは、102号室を「1階南向き(中住戸)」、308号室を「3階北東(角住戸)」、1202号室を「12階東向き(中住戸)」としている。
値下げ額・率の比較
上のグラフでは、「3階北東(角住戸)」の値下げ額・率が相対的に小さいことくらいしか分からない。
そこで、m2当たりの新・旧価格を比較したのが次のグラフ。


新・旧価格の比較(?当たり)
このグラフから、「1階南向き(中住戸)」「12階東向き(中住戸)」の当初の値付け水準(旧価格)が高過ぎたので、「3階北東(角住戸)」の当初価格水準旧価格)に近付けている様子が読み取れる。
もう少し具体的に言えば、専用庭のない(?)102号室(1階南向き(中住戸))や高層階(12階)ではあるが東向きである1202号室(12階東向き(中住戸))の価格水準が高すぎた(値付け失敗で売れ残った)ということ。
すでに「1階南向き(中住戸)」や「12階東向き(中住戸)」を高値掴みされた方は、納得できないところかもしれない。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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