不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「エリア最高層」マンションの眺望喪失リスク


本日、マンション広告6枚。

【予告広告】池袋駅直通8分、駅徒歩4分。総戸数285戸、24階建。販売戸数/未定、2LDK(58.92m2)〜4LDK(100.32m2)。販売価格/未定。平成23年12月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。

大手スーパーDの跡地、商業地域に建つ、超高層マンション


新聞半紙大のチラシのオモテ面にキャッチコピーが躍る。

  • エリア最高層のランドマークシティ、誕生。
    • 全戸南向き285邸、地上24階建て。

おおっ、超高層にして全住戸が南向き!


チラシ裏面の「現地周辺エリアイラストマップ」を眺めると――
この物件の西側には道路を挟んで大手スーパーS、東側には「平成24年新装オープン予定」の大手スーパーD。
北側にはワンブロック先に商店街。
南側はといえば、「○○病院」、その先には○○公園が広がっている。


駅徒歩4分だし、なかなか恵まれた立地環境ではないか、と思いながらグーグルマップで周辺環境を確認していて、トンデモナイことに気が付いた。


この物件のすぐ南にあるように表記されていた「○○病院」のイラストは、実は建物の一部でしかなく、大半は中古マンションなのだ(△△ハイツとシッカリ表記すべし!)。
この中古マンションは、総戸数195戸の11階建て。
本日の物件が24階建ての超高層マンションだから、12階以上の住戸であれば、南側の眺望は良好と思われがち。


ところが、目の前に建つ、この11階建の中古マンションは、1978年1月の竣工。
すなわち、築32年を経過した老朽化マンションなのだ。
この中古マンションの敷地条件を区のホームページで調べると、商業地域で、建ぺい率80%、容積率500%であることが分かる。
10年後(築42年経過)ではないとしても、この中古マンションは、やがて超高層マンションに建て替わる可能性がある。


おいおい、そんな重要なこと、ちゃんとチラシに記載しておけよ、と憤慨しながらチラシ裏面に目を凝らしていたら――
ゴマ粒サイズの小さな文字で、シッカリと逃げが打たれているのだ。

  • 駅徒歩4分、都心の空を見晴らすエリア最高層。
    • ○○駅へ徒歩4分、2駅7路線のマルチアクセスが叶える自在な都心生活。
    • 地上24階建てのレジデンスが実現する、○○が未だ体験したことのない広大な空の眺望。
    • 東京を駆け抜け大空へと羽ばたく贅沢なライフスタイルを、生まれ変わる街・○○に描きます。
      • ※眺望・環境は変わる可能性があり、将来にわたって保証されるものではありません。

駅チカの商業地域、利便性の高い敷地に建つ、本日の物件。
ピンク産業やホームレスの多さといった周辺環境の悪さとの比較検討も大切だろうが、南側の眺望喪失リスクが潜んでいる物件であることをシッカリと認識する必要があるだろう。

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南側にマンションが建つと日照・眺望・プライバシーが失われる(99頁)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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