不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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ボーナス時の返済額を併記しないのは販促ワザだ

金利によって返済負担はこんなに変わる


日曜日、マンション広告1枚。

  • 2007年9月16日(日)・11月3日(土)・12月8日(土)、2008年5月1日(木)、7月5日(土)、7月20日(日)、9月6日(土)の物件と同じ。

【本広告】大手町駅直通16分、駅徒歩7分。総戸数52戸、10階建。販売戸数14戸、2LDK+S(62.90m2)〜4LDK(82.44m2)。販売価格3,490万円〜4,990万円、最多価格帯4,700万円台。平成20年8月31日竣工済み(本チラシ掲載日の2カ月前)。

2カ月前に竣工済みの、環七沿いに建つ中規模マンション。
前回9月6日のチラシと比べて、販売戸数・価格とも変化していないので、この2カ月間で1戸も売れていないということになる。
コピー用紙よりもペラペラなオレンジ色を基調としたB4サイズの本日のチラシ。
オモテ面には、5センチ角ほどの大きなサイズの「9」の文字が目に飛び込んでくる。

  • 3LDKファミリータイプ 頭金0円 月々万円台より

この「月々9万円台より」の「台より」がなんとも胡散臭い。
チラシ裏面を見ると、販売価格3,880万円(頭金0円/借入金3,880万円)の返済例として、毎月の返済額が「9万円台(93,928円)」となっている。
たしかに9万円台だ。
でも、「ボーナス時返済額/146,724円(年2回)」が前提であることがゴマ粒サイズの文字で記されている。
しかも、みずほ銀行提携ローンは、「1.475%・35年」の変動金利だぞ!
業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第11条(物件の内容・取引条件等に係る表示基準)の(46)号(住宅ローン等)には、次のように記されている。

住宅ローンの返済例を表示する場合において、ボーナス併用払のときは、1か月当たりの返済額の表示に続けて、ボーナス時に加算される返済額を明示すること。

ということだから、チラシのオモテ面で謳われている「月々9万円台より」は、ボーナス時の返済額が併記されていないので、ルール違反といえよう。

    • -

さて、先月末に政策金利が0.3%まで引き下げられたとはいうものの、住宅ローン金利が35年間も低利のままだということはあり得ないだろうから――。
金利の上昇によって、返済額がどのくらい変わるのか?
山下和之著 住宅ローンが危ない (平凡社新書)の29頁に掲載されている「金利によって返済負担はこんなに変わる」の35年返済(借入額3000万円、元利均等ボーナス返済なし)の数値データをグラフ化してみた(右上図参照)。
金利1.5%のときの月々の返済額91,855円に対して、金利が3.0%になると月々の返済額は115,455円になる。
26%アップ、月々23,600円の増額だ。
ご利用は計画的に!


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