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- 今年初の1万戸突破の1万132戸、12月としては2年連続の大台乗せ。
これは、不動産経済研究所が1月19日に公表した「首都圏のマンション市場動向(2005年12月度)」の冒頭の強気の見出し。
中を詳しく読んでいくと、次のような表現もみられる。
- 12月の新規販売戸数は10,132戸である。対前年同月(10,824戸)比6.4%減、対前月(7,939戸)比27.6%増である。
新規販売戸数は、前の年に比べて6.4%減少しているが、前月11月に比べると27.6%増加しているという、微妙な言い回しがなされている。
11月と比較して新規販売戸数が27.6%増加しているという数値は、消費者にとっては、さほど重要なことではないだろう。
重要なのは、前の年に比べて6,4%減っているということだ。
冒頭の「12月としては2年連続の大台乗せ」という、業界を鼓舞するような表現に惑わされることなく、ここは、新規販売戸数が下降局面に入っているのではないのか? という慎重な視点が必要だ。
2月6日に東京都が公表した「住宅着工統計」という客観的な数値から、以下に都内の新築マンション動向を考察してみよう(図参照)。
※不動産経済研究所のデータは「新規販売戸数」、東京都のデータは「着工戸数」である。混乱されないように。
平成17年の東京都内の分譲マンション着工数は、63,086戸(前年比3.8%減)で、2年連続の減少となっている。
さらに注目すべき点は、1戸当たりの平均床面積が前年比1.4m2減少、3年連続の減少となっていること。
マンション・デベロッパーは、床面積を小さくすることで、見た目の分譲価格を抑えようとしていないか・・・・・・。
都心部での新規マンション用地の不足と今後の金利上昇局面に向かって、マンションを買い急ぎたい心理と―。
方や、姉歯・非姉歯事件の全体像が見通せない状況にある中で、マンション購入検討中の方は判断がさぞ難しいことだろう。