不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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業界で決めた自主ルールに無頓着なデベロッパー?

住宅性能表示マーク

金曜日、マンション・チラシ5枚。

  • 9月16日(金)、9月24日(土)、10月9日(日)の物件と同じ。

大手町駅直通16分、駅徒歩25分。総戸数45戸(管理員室1戸を含む)、10階建。販売戸数2戸、3LDK(67.74m2)〜4LDK(83.79m2)。販売価格2,960万円〜4,080万円。平成18年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の10カ月後)。

総合リース会社の100%子会社が売り主となっている小規模マンション。
国土交通省の7日の発表によれば、民間検査機関ビューローベリタスジャパンが、強度偽装マンションの「住宅性能表示」の評価の際に「耐震」の評価書を出していたという。
耐震強度偽装問題は、いまや住宅性能表示制度の信頼性をも揺るがしかねない状況にある。
そんな中、本日のチラシでは、次のようにしっかりと住宅性能評価のことが謳われている。
前回・前々回のチラシ(9月16日・9月24日)には、住宅性能評価のことは、全く掲載されていなかったのに―。

  • 信頼を築く住宅性能評価書
    • 当マンションは、国が指定した第三者評価機関による、日本住宅性能表示基準に基づく「設計住宅性能評価書」の交付を申請。
    • 評価員が基準に基づき、多岐にわたる項目を公正かつ客観的に検査し、住宅の性能評価を表示します。
    • また、竣工時には「建設住宅性能評価書」の交付を受ける予定です。(基本プランに限る
    • ※建設住宅性能評価書は、完成後取得予定。

「基本プランに限る」という、曖昧な表現も引っかかるところだが―。
本チラシは、まだ評価書の交付を受けていない「建設性能評価」の標章(マーク)を掲載したことで、明らかにルール違反(不当表示)を犯しているようだ。
下記に示すように「首都圏不動産公正取引協議会」のQAに従えば、「建設性能評価」のマークは、「建設住宅性能評価書」が交付済みでなければ、掲載することが許されていない。
消費者の判断のよりどころである住宅性能表示の信頼性が揺らいでいるこの時期に、デベロッパーは、業界で決めた自主ルールに対してもう少し慎重であってほしい。

■Q■
建設住宅性能評価書の交付を申請中でその取得予定年月を明記した上で「建設住宅性能評価」に付けられる予定の「建設性能評価」の標章(マーク)も併せて掲載したい。
■A■
(前略)運用基準第1項は、住宅品質確保法に設計住宅性能評価書、建設住宅性能評価書等(「住宅性能評価書等」という。)の交付を受けていないのに、その交付を受けたものであると誤認されるおそれのある表示などは、不当表示に当たることを明らかにしています。
お尋ねの場合は、設計性能評価のマークはともかく、評価書の交付を受けていない建設住宅性能評価のマークは、広告に掲載することは不当表示に当たりますので、掲載することはできません。(後略)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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