不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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角住戸の割りにパッとしない間取りなのは、なぜ?

flats2005-04-30

  • 9月22日(水)の物件と同じ。

東京駅直通13分(快速利用)、駅徒歩9分。総戸数72戸(管理事務室1戸・コミュニティルーム1戸を含む)、10階建。販売戸数2戸、2LDK+S(81.67m2・83.14m2)。販売価格4,398万円・4,598万円。平成17年9月下旬竣工(本チラシ掲載日の5カ月後)。

竣工までに、まだ5カ月もあるのに残り住戸2戸と売れ行き好調のようだ。
なるほど、駅徒歩9分で、騒音源である鉄道からも幹線道路からも離れている。立地条件としては悪くはない。
本マンションは、南に面した角住戸(20戸)と東に面した住戸(50戸)の2棟から構成されている。
比較的人気のある南面角住戸だけが、なぜ2戸売れ残っているのか?
間取り図をよく見てみよう。

  • ウォークインクロゼットが出っ張っていて、使い勝手の悪そうな北側の洋室(7畳)
    • せっかく柱が省スペースに資するアウトフレームになっているのに、ウォークインクロゼットが出っ張っているせいで洋室がとても狭く感じられる。扉の内開きスペースには物が置けないから、実質的には5畳くらいの広さだ。家具を配置してみれば使い勝手の悪さがイメージできることだろう。
  • ヨコ長のサービスルーム(5畳)
    • 窓際に机を設置して書斎として使うか(ただし、西日を覚悟する必要がある)、物置にするしか使いようがない。
  • ファミリークローゼット(3畳)
    • すでにサービスルーム(5畳)という名の物置がある。限られた空間に合計8畳もの物置を配置するのはあまりにも芸がない。
  • 行灯(あんどん)部屋となっている和室(4.5畳)
    • 角住戸なのに、なんでわざわざ窓に接していない行灯部屋を設けるのだ!
  • コンロ台の隣に洗濯機置場が配置されたキッチン
    • 脱衣物はどこに置けばいいのだ!バルコニーに面したキッチン・プランのよさが全く生きてこない。

では、なぜこのような中途半端な間取りになってしまったのか?
じつは南面住戸の西側には3階建てのマンションが、東側には2階建ての工場が迫っているのが要因なのだ。
西側に3階建てのマンションが迫っていて有効採光面積が確保できないので、せっかくの角住戸なのに、妻側に居室が設けられない。
仮に、和室(4.5畳)を西側の窓面に配置したとしても、有効採光面積が確保できないので、和室(4.5畳)ではなく、サービスルーム(4.5畳)となってしまう。
角住戸で5畳と4.5畳の2つもサービスルームが並んだ住戸など、だれが見ても気持ち悪くて買う気にならないだろう。
和室(4.5畳)を行灯部屋にして、わざわざ浴室・洗面室を窓に面させているのは以上のような理由によるのだ。
このような間取りでは、子供のいる家族は暮らしにくい。仮に北側の洋室(7畳)を子供部屋とすると、主寝室は和室(4.5畳)か、サービスルーム(5畳)にするしかない。
子供のいない夫婦二人の家族の場合はどうか?
北側の洋室(7畳)を寝室にしたとして、サービスルーム(5畳)と和室(4.5畳)を夫婦でジャンケンするか・・・・・・。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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