ジェイピーモバイル(株)は民泊データ配信大手Airdna LLC(本社:カリフォルニア州サンタモニカ )と日本国内におけるデータ提供サービスにおいて独占契約を締結し、4月15日より「エアーディー・エヌ・エージャパン( http://airdna.jp )」サイトで民泊データ分析サービスの提供を開始する。
本家AirDNA(本社:カリフォルニア州サンタモニカ)
米国のairdnaサイト(http://www.airdna.co)を開くと、主な都市にピンが立っている世界地図が表示される(次図)。
カリフォルニア州(表示例)
たとえばカリフォルニア州のピンをクリックすると、同州各地のリスティング数の多寡により、大きさや色の異なる円が描かれた地図が表示される(次図)。
ロサンゼルス(表示例)
さらに、右サイドに表示されている都市名のうち一番上の「Los Angeles」をクリックすると、ロス市内のAirbnb物件の分布図が表示される。
TOKYOのピンをクリックすると、www.airdna.jpを参照するよう促される(次図)。
日本のローカルデータ、及び分析情報はエアーディー・エヌ・エージャパン(www.airdna.jp)をご参照ください
そこで「Goto Airdna.jp(www.airdna.jp)」をクリックすると、「AirDNA 日本上陸」と表示された日本のサイトが開く。
AirDNA日本版(本社:京都リサーチパーク@京都市)
スクロールしていくと、「エアーディー・エヌ・エー(AirDNA)ジャパンとは?」や「サービス概要」などが表示される(次図)。
マーケットレポート
さらにスクロールしていくと、「マーケットレポート」が表示される(次図)。
東京都の下にある「さらに詳しく」をクリックすると、都内の稼働物件が地図上に表示される(次図)。
地図表示が秀逸!
以下、表示されるフォーマットは、日本語であること以外は本家AirDNAと同じ。
画面の右上にある「航空写真」をクリックすることで、航空写真をバックに稼働物件を表示することもできる。
このサイトのスゴイところは、筆者が苦労して描いた浅草の物件(「民泊」が旅館・ホテル需要を食っている(浅草の事例))(なんかもでもアット言う間に描いてしまうことだ(次図)。
ただ、筆者が描いたのは「物件タイプ(アパート、一軒家、その他)」ごとに色分けした図であるのに対して、このサイトが描いているのは「部屋タイプ (まるまる貸切、個室、シェアルーム)」ごとに色分けされている図だ(次図)。
部屋タイプごとではなく、物件タイプ(アパート、一軒家、その他)ごとの色分け表示もほしい。
AirbDatabankやAirLABOといった他の分析サイトとの大きな違いは、Airdnaサイトの物件数には「アクティブ状態にない物件(=数か月間実際に貸し出しされていない状態の物件)」が含まれてないこと。
【なぜ都市分析レポートの数がAirbnb上の実際の物件数より少ないのでしょうか?】
Airdnaは設定した都市の中の「アクティブ」な物件にのみ分析を行っています。
Airbnb上沢山の物件がアクティブ状態になく、カレンダーが数ヶ月更新されていない、数ヶ月実際に貸し出しされていない状態の物件があります。これらの物件を取り除く事により、より精度の増した分析を行っています。(以下略)
部屋別・レビュー別の物件数(円グラフ)
さらにスクロールしていくと、Airbnb物件数が(実質稼働物件)、部屋別、レビュー別の円グラフで表示されている(次図)。
日別・月間収益額(棒グラフ)
さらにスクロールしていくと、平均(中央値)日別収益額がグラフ表示されている。
また部屋タイプ別に月間平均収益額がグラフで表示されている。
以上の料金はドル表示となっているので、改善が望まれる。
アメニティー設備の有無(棒グラフ)
あと、ケーブルTVや洗濯機、エアコンやWiFiといったアメニティー設備の有無の割合がグラフで表示されている。
人気物件(リスト表示)
それから「最も人気物件」としてレビュー数の多い順(?)に上位10物件が表示されている。
レポートの販売価格(新宿区5万円)
気になるのはレポートの販売価格。
東京都23区すべてだと、月次価格150,000円(消費税は含むのか?)。
区単位の月次価格は物件数によって異なる価格設定となっている。
物件数が多い新宿区や渋谷区は50,000円。
物件数がやや少ない台東区レベルになると、月次価格15,000円。
さらに少ない北区レベルだと、月次価格7,500円。
民泊条例が制定された話題の大田区は、最安の3,000円。
その他に、内容は不明だが、「週次分析レポート (週4回発行)」が月次価格: 5,000円 、「月次分析レポート (月1回発行)」が月次価格: 4,000円。
物件数とレポート価格の関係をグラフにしてみた(次図)。
物件数が増えると、段階的にレポート価格が高くなる料金設定になっていることが分かる。
港区が新宿区と同じ5万円というのは割高であるということも分かる。
レポートの販売価格(本家AirDNAの5.7倍!)
ちなみに本家AirDNAのレポート価格はどうなっているのか?
冒頭で紹介したLos Angeles(ロサンゼルス)の場合は、物件数9,010件に対して79.99ドル(次図)。
1ドル109円で換算すると8,719円。
面白いことに、カリフォルニア州の上位10都市のレポート価格は物件数に係らず一律79.99ドル(8,719円)の設定になっている。
23区とカリフォルニア州の都市のレポート価格を並べてみた(次図)。
23区のレポート価格は、本家AirDNAのレポート価格と比べてかなり割高に設定されていることが分かる。
ロサンゼルス(9,010件)の8,719円に対して、新宿区(2,046件)や渋谷区(1,858件)は50,000円。5.7倍の価格設定だ。
まあ、本家AirDNAとの独占契約料や日本語サイトへの変換作業コストなどが上乗せされているので、割高な価格設定にならざるを得ないことは理解できる。
今後、AirbDatabankやAirLABOといった他の分析サイトとの価格競争で、どの程度の価格水準になるのか興味深いところである。
(↓ AirbDatabankの市場レポートは3,000円)
現在公開されているのは、東京都と大阪府のデータのみ。5月中旬以降、全国各地域のデータに対応。さらに、今期中に中国版民泊の「Tujia(途家)」も対象とする予定だという。