一昨日(2月8日)の朝、埼玉県所沢市の31階建ての高層マンションで火災発生。
高層マンション15階で火災、2人けが 埼玉・所沢
8日午後8時10分ごろ、所沢市元町の31階建て高層マンション「フォーラスタワー所沢」15階の一室約82平方メートルが全焼した。
所沢署によると、火は約5時間半後に消し止められたが、この部屋に住む山田明さん(53)と妻(48)が頭やのどにやけどを負った。命に別条はないという。
(朝日新聞デジタル 2月9日)
1年間で高層マンションで発生した火災は3件
この1年間で高層マンションで発生した火災は本件を含め3件。他の2件は次の通り。
- 2015年3月2日 千代田区の高層複合施設「西神田コスモス館」25階建ての20階の住戸から出火。
70m2の火災に、ポンプ車39台とヘリ1機が出動、4時間かけて消火。死者なし、重軽傷3名。 - 2015年3月23日 広島市東区の「ザ・広島タワー」33階建ての22階の住戸から出火。
マンション内に通っている放水管と消防車をつないで22階に水を送り、非常用エレベーターで上がった消防隊員が放水し、約1時間半後に消火。ケガ人なし。
超高層マンションの上層階に、はしご車は届かない
東京消防庁が所有しているはしご車が届く高さは30m級と40m級まで。
だから、20階建て(≒60m)を超える超高層マンションの上層階の住戸を消火するのは大変だ。
今回の千代田区20階住戸(31階建て)の火災ではヘリ1機が出動しているし、広島の22階住戸(33階建て)の火災では非常用エレベーターで上がった消防隊員による放水で対応している。
東京消防庁ホームページ:「消防行政の概要(平成27年)」
「消防行政の概要(平成27年)」によれば、はしご車の台数は86台(平成27年4月1日現在)。
平時はともかく、首都直下地震が発生した場合に、超高層マンションが乱立している東京都では、はしご車86台では心許ない。
タワーマンションの屋上にヘリポートがあれば安心か?
東京消防庁が所有しているヘリコプターは7機(平成27年4月1日現在)。
天候によっては活動が制約されるし、そもそも膨大な被災者が発生するような大震災時に、すぐにマンションの屋上まで救助に来てくれるとも限らない。
タワーリング・インフェルノ実況版
超高層マンションの火災は、1989年に江東区の超高層マンションの事例が有名だ。
玄関が開放されていたために、廊下側に煙が流出し、避難と消火活動に困難を極めた。幸い人命被害はなかったが、当時最高高さでのマンション火災はとてもショッキングな出来事であった。
このあたりについては、加藤 純子著「超高層マンション、暮らしてみれば… 」の「第6章 タワーリング・インフェルノ実況版」に詳しい。
超高層マンションの購入を検討されている方にはオススメしたい。
(本日、マンション広告なし)