不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


絶滅寸前! 新築マンションの折込みチラシ


新築マンションの折込みチラシ
本日は金曜日なのに、マンションの折込みチラシが入っていなかった。
マンションチラシの“定点観測”を始めて10年を超えるのだが、最近のマンションチラシの少なさは異常だ。


マンションの折込みチラシ激減中

都内に住む筆者の家に入ってくるチラシ枚数は、次図のように激減している。
マンション・チラシ観測枚数の推移
10年前はピークの月で100枚を超えたこともあった。
それが2013年に入ってからは20〜30枚と減少し始めて、この8月、9月は遂に10枚を下回ってしまったのだ。


もともと8月は一年の内で2番目にマンションチラシが少ない月で(1番少ないのは12月だ)、9月・10月に増える傾向にあるのだが、今年は9月に入ってもチラシが減少し続けている(次図参照)。
観測されたマンション・チラシ枚数(月別)


年度別に見てみると――
観測されたマンション・チラシ枚数(年度別)
新築マンションの売れ残り対策(在庫処理)のためにチラシが激増した2008年度を例外とすると、13年度から本格的に減少トレンドに入ったと言える。


少し古いデータだが、次図のように男女とも若い世代の新聞離れが続いていることから、今後、マンションの折込みチラシの枚数は減ることはあっても増えることはなさそうだ。
新聞の行為者率(全国・平均・男性)
新聞の行為者率(全国・平均・女性)
※NHK放送文化研究所が2011年2月23日に発表した「2010年国民生活時間調査報告書」に掲載されている「2010年国民生活時間調査報告書」に掲載されている「新聞の行為者率(男女年層別・職業別)」のデータを元に作成。


新築マンションの主たる購入世代である30代・40代への広告宣伝費が、折込みチラシからネット業界にシフトしていることは容易に想像できるのだが、実際のところはどうなのか。


不動産情報サイトの売上高は上昇傾向

不動産情報サイトの3強はSUUMO、HOME'S、Yahoo!不動産。
イスラエルのスタートアップSimilarGroupが提供している、他人のサイトのアクセス解析ができるSimilarWeb( http://www.similarweb.com/ )で調べると、2014年8月の月間のサイト訪問者数は、次の通り、SUUMOが頭一つ飛び抜けていることが分かる。



HOME'を運営しているNEXT社のホームページに公開されている「最新月次開示資料」(2014年3月期3月度)に新築マンションの売上高と掲載棟数の推移データが掲載されていたので、改めてグラフ化してみたのが次図。
※SUUMOとYahoo!不動産は、この手の情報を公開していない。
新築マンションの売上高と掲載棟数の推移(HOME'S)
2年ほど前から掲載棟数は減少傾向にあるものの、売上高は上昇傾向にあることが分かる。
競合他社との関係もあるので正確なところは分からないが、現在の新築マンションの供給戸数減少トレンドに対して、ネットの売上高が上昇傾向にあることから、新築マンションの広告宣伝費が折込チラシからネットに急激にシフトしてきた可能性は高い。

(本日、マンション広告なし)

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.