駅前の大規模再開発の地に建つ10階建てと14階建ての大規模マンション。
銀座駅乗り入れ24分、駅徒歩3分。
- 【物件G】総戸数300戸、10階建。販売戸数15戸、2LDK+S(77.49m2)〜4LDK(91.22m2)。販売価格4,960万円〜8,000万円。平成20年8月竣工済み(本チラシ掲載日の4カ月前)。
- 【物件P】総戸数150戸、14階建。販売戸数40戸、3LDK(72.60m2)〜4LDK(105.09m2)。販売価格3,985万円〜8,800万円。平成20年10月下旬竣工済み(本チラシ掲載日の2カ月前)。
- 2006年11月17日(金)、2007年2月16日(金)・11月2日(金)の物件と同じ。
新聞全紙大の広告裏面に、ド派手なキャンペーン。
- マンション購入資金(割引券)プレゼントキャンペーン!
- 総額5億円!
- 1等×3本(各期間1本) 1,000万円券
- 2等×15本(各期間5本) 500万円券
- 3等×132本(各期間44本) 300万円券
12月12日から1月28日まで、3回に分けて受け付けるという「総額5億円キャンペーン」
1等に当選すれば、1,000万円券がもらえる(マンションが1,000万円安く買える)のだから、マンションを検討されている方にとっては、なんとも気になるキャンペーンだろう。
ただ、当選するためには、次の条件を満たす必要がある。
ご当選者本人(共有も可。ただしご当選者は1住戸につき1名様のみ有効)が○○不動産(=本物件の売主)の指定する対象物件の売買契約を契約期間までにご締結いただき、各物件の引渡し期日にお引き渡しを受けて頂く事が条件となります。
つまり、当選して割引券をもらうには、売主が指定する物件を購入する必要があるのだ。
たとえば、5,000万円の指定物件の購入契約を締結し、運よく1等の1,000万円券が当選すれば、実質的には2割引で物件を購入できることになる。
2等500万円券(5名)だと、1割の値引き。
3等300万円券(44名)で、6%の値引き。
「総額5億円」とはいうものの、運よく当選できたとしても6%(3等、44名)から20%(1等、3名)の値引きでしかない。
最近チマタで言われている大幅な値引きからすれば、大した値引き率ではない。
この大した値引き率ではないのに、値引きという直接的な表現を用いずに、しかも「総額5億円」というインパクトのある数字で契約を呼び込もうとしているところが、本日のチラシのミソだろう。
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さて、この「総額5億円キャンペーン」
「不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」上の扱いはどうなっているのか?
第3条(一般消費者に対する景品類の提供の制限)に従えば、景品類の最高限度額は次のように整理できる。
- 一般懸賞景品(来場者、購入者等に抽選等で提供する場合)
- 取引価額の20倍又は10万円のいずれか低い価額(取引予定総額の2%以内)
- 総付景品(購入者全員に、又は先着順で提供する場合)
- 取引価額の10%又は100万円のいずれか低い価額
- 共同懸賞景品(多数の事業者が共同して実施する年末大売り出し等で抽選等で提供する場合)
- 30万円(取引予定総額の3%以内)
- 取引の勧誘をする旨を明示しないで行う旅行等への招待、優待
- 0円(禁止)
購入者に抽選で提供する「一般懸賞景品」の上限が10万円。
なぜ、本日のチラシのような、10万円を超える1等1,000万円券の賞品が可能なのか?
同規約施行規則第6条(不動産の販売等のため必要な物品、便益等の提供)の(7)号に、抜け穴的条文があるからだ。
- (7) 自己の供給する不動産又は不動産の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票(特定の不動産又は役務と引き換えることにしか用いることができないものを除く。)
つまり、今回のような「割引券」であれば、「正常な商習慣に照らして適当と認められる」ものとして、上述3条の「一般懸賞景品」や「総付景品」の適用を受けないということになっているのだ。
そんなわけで、チラシに「総額5億円キャンペーン」が打てるのです。
(本日、マンション広告7枚)