「外国人のマンション爆買い」は本当なのか。
国土交通省が前回(2025年11月25日)公表した調査結果では、「実態は把握できていない」と金子恭之国交相自らが説明していた。
国土交通省はその後も、不動産登記情報を使った調査を行い、「国外に住所がある者」によるマンション取得を調べてきた。
そして今回、2026年9月15日に公表した調査結果では、分析項目が追加された。中古マンションに加え、「氏名から外国人と類推される者」によるマンション取得も分析しているのである。
これにより「外国人のマンション爆買い」は明らかになったのか――。
- 国交省が「外国人類推者」を新たに分析
- 都心6区のマンション取得、「外国人類推者」は11.9%
- 「11.9%」は外国人の購入率ではない
- 前回調査から何が変わったのか
- では、「外国人の爆買い」は明らかになったのか
国交省が「外国人類推者」を新たに分析
今回の調査は、法務省から受領した不動産登記情報を基に、2018年から2025年までのマンション取引を分析したものである。国交省は今回、中古マンションと「氏名から外国人と類推される者」に関する分析を新たに追加した。
これまでの分析で使われていたのは、所有者の住所である。
住所が国外なら「国外に住所がある者」として集計する。
今回、新たに加わったのが別の方法だ。
個人については、氏名を基に、日本人氏名のデータベースとの照合などから、日本人氏名か外国人氏名かを類推するプログラムを使う。法人については、本店・主たる事務所の所在地から、日本法人か外国法人かを類推する。
国交省は、所有者の国籍を把握することは現行制度では困難としており、国籍そのものの判定は行っていない。
都心6区のマンション取得、「外国人類推者」は11.9%
ここでいう都心6区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区である。
「外国人類推者によるマンション取得割合」は、2020年の7.3%を底に上昇し、2024年には13.1%まで上がった。2025年は11.9%に低下している(次図)。

上のグラフには、都心6区の外国人人口割合も重ねた。2025年は9.1%だ。
ただし、11.9%と9.1%は同じ数字ではない。
11.9%はマンションの「購入」、9.1%は「人口」の割合だからだ。
そして11.9%は、新築だけではない。中古も含む。
「11.9%」は外国人の購入率ではない
11.9%は、国籍を確認した外国人の割合ではない。
個人は氏名、法人は所在地から、外国人・外国法人と類推しているからだ。
したがって、ここでは「外国人の購入率」ではなく、国交省の表現どおり「外国人類推者によるマンション取得割合」として見ておきたい。
そこで、両者の違いを整理してみよう(次表)。
| 項目 | 国外に住所がある者 | 外国人類推者 |
|---|---|---|
| 判定材料 | 所有者住所 | 個人:氏名 法人:所在地 |
| 判定内容 | 国外住所かどうか | 外国人・外国法人と類推 |
| 国籍 | 判定していない | 判定していない |
| 対象 | 新築・中古を別集計 | 新築+中古 |
| 2025年・都心6区 | 新築5.9%/中古5.6% | 11.9% |
※5.9%・5.6%と11.9%は、判定方法と対象が異なるため単純比較できない。
前回調査から何が変わったのか
前回調査(2025年11月25日公表)は、2025年6月までを対象としていた。国外に住所がある者による新築マンション取得割合は、東京23区で3.5%、都心6区で7.5%だった。
今回の調査では、対象期間が2025年12月まで延び、中古マンションも加わった。今回の調査結果を並べると、次のようになる。

ただし、ここで数字を単純に比べてはいけない。地域も、新築・中古の区分も、判定方法も異なるからだ。
したがって、11.9%から「日本に住む外国人による購入割合」を算出することもできない。
では、「外国人の爆買い」は明らかになったのか
結論からいえば、「爆買い」の全貌が明らかになったわけではない。
今回の調査では、「国外に住所がある者」に加え、氏名などから「外国人と類推される者」まで分析対象が広がった。
その結果、都心6区では、外国人類推者によるマンション取得割合が11.9%だったことが分かった。
前回調査よりも把握の範囲は広がったが、国籍や居住地、購入目的までは分からない。
「外国人のマンション爆買い」は本当なのか。今回の調査でその全貌までは見えなかったが、「国外住所者」だけでは捉えられなかった取得実態を示す11.9%という数字が初めて加わった。
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