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羽田新ルート|衆院「国土交通委員会」質疑全文

第195回 国会衆議院「国土交通委員会」において、「国土交通行政の基本施策に関する件」につき12月6日、初鹿明博議員(立憲民主党・市民クラブ)による18分ほど「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約6千文字)しておいた。


もくじ

初鹿委員「この対策で落下物はゼロになるんでしょうか?」

初鹿明博議員
(落下したパネル相当の大きさの紙を掲げる初鹿委員)

おはようございます。立憲民主党の初鹿明博です。
時間が少ないので、さっそく質問に入らさせていただきますが、きょうは「航空機の落下物の問題」と「羽田の新ルート」について質問をさせていただきます

お手元に新聞の記事を配布させていただいておりますが、こちらの9月23日に大阪市内でKLMオランダ航空機からパネルが落下をして自動車にぶつかったというそういう事故があったという記事であります。

この記事を見ていただきたいと思うんですが、大阪のわりと交通量の多いところですね。阪神高速の12号線の守口線と、あと京阪国道の交差点の近くということであります。ここで信号待ちをして止まっている車の後ろ側に落っこったということであります。もしですね、タイミングが悪ければ大きな事故になっていたんじゃないかと非常に深刻な問題であるというふうに思います。

1枚めくっていただきたいんですが、そこに国土交通省が作っている資料ですけれども、23日から4日後、27日の日には茨城県の稲敷市の工場でまたパネルが見つかったってですね。こちらは9月7日に全日空機が成田空港に着陸して、そして点検をしたところパネルがこちらもなくなっていたと。

搬出用のスライド装置のところについているパネルがなくなっていたということで、どうやらそのパネルが27日に見つかったという。この全日空機は9月7日に部品がなくなってて、そして整備をして装置を取り替えて旅立って、大連に行って戻ってきた9月4日にまた同じパネルがなくなっていたと。1つは見つかったんですけどもう一つは見つかっていないんですよ。こういう問題が続いていると。これは私は非常に問題だと思っております。
国土交通省もさすがにこれは深刻だということで、有識者の検討会を作って直ちに対策を考えるということをしているということであります。

まずですね、皆さん資料を見てもイメージがわかないと思うんですよ。どれくらいの大きさのものか。そこで作ってきました

これはですね、国道に落ちて車にぶつかったというのは、この大きさです皆さん。この大きさのものが車にぶつかったんですよ。皆さん見てくださいよね。

もう一つ全日空機2日連続で落としたもの。これは147センチあるんですよ、横が。これです。工場でよかったですよね。工場の敷地内で、これが人がたくさん歩いているようなところや、交通量の多いところで車の前に落っこちていたらどういう事故になっているのか、皆さんも想像すればまあ大変深刻だということはわかると思います。

お配りの資料を見ていただいて、4枚目をめくっていただくと、ここに国土交通省のこれからの対策の中で1つ、「報告制度を拡充する」ということが書かれております。

皆さんにちょっとここでご理解していただきたいんですが、まず落下物というのは落ちたものが発見された場合は「落下物」になるんですが、着陸して点検して部品がない場合もたくさんあるんですよ。この場合は「落下物」じゃなく「部品脱落」ということでなるんですね。

ここがじつは問題であって、「落下物」で発見されているのは成田空港で21件くらいなんですよ。羽田空港はゼロ件というんですね。でも「部品の脱落」はもっとあるんです。ここがミソなんです。見つかってないから数少ないということではないということをまず押さえていただきたいと思います。

その上で対策。今まで外国の航空会社は報告の義務がなかったものを報告させるようにするとか、また国の職員が着陸後の点検をキチンとするとか、まあそういうことをするということですが、この対策で落下物はゼロになるんでしょうか? ゼロになるのかどうかということをまずお聞かせください。

秋元 国交副大臣「落下物ゼロを目指して最大限取り組んでまりたい」

あきもと司国交副大臣

お答えさせていただきます。

ご指摘のようにですね、まあ時々我々として、これまでもこの落下物につきましては、未然防止や事案発生寺の強化などに取り組んできたところでございますけども、ご指摘の事案が発生したことから、さらなる強化が必要だというふうに思っております。

よって本年11月から「落下物防止等に係る総合対策推進会議」を開催しており、落下物もついて知見とノウハウを有する方々が一堂に会し、本年度内を目途に「落下物防止対策基準案」を取りまとめるなど、新たな対策の検討を行うとともに、情報やノウハウを共有することなどにより、関係者が一丸となって落下物防止に関わる対策の充実強化を図ることとしております。

特に「落下物防止対策基準」は国際民間航空機関の定める国際基準に規定されておらず、その策定は世界的にも類を見ない取り組みであります。

我々として国民の皆様の不安を払拭するためには、落下物対策を可能な限り網羅的に講じる必要がありまして、このため関係者が一丸となって対策に取り組み、落下物ゼロを目指して最大限取り組んでまりたい、とこのように思います。

初鹿委員「被害の想定をしていますか?」

決意はわかるんですけど、おそらくゼロにするというのはまず難しいんだと思うんですね。

それはたぶん国交省の皆さんもわかっていて、今までは、だから羽田空港でいえば陸上を通らずになるべく海側から離発着するようにしていて、特に車輪が出る時にいろんなものが落ちる可能性があるから、羽田空港では海の上で車輪を出して着陸をしていたわけですね。ところが今回提案がされている羽田の新ルートは、都心部上空を飛行して着陸してくるというルートが提案をされているわけです。
南風運用のときの15時から19時という時間帯で新宿、渋谷、恵比寿や目黒など、都心上空を通って羽田に着陸をするというそういうコースであります。

じつはきょう、パネルを作ってですね、成田空港で過去落ちていた落下物の空港からの距離を今度の羽田の新ルートに合わせてみたらどのあたりに落ちるのか、というパネルを作ったんですが、「それは想定のものだから示すのは相応しくない」ということで「掲示するな」と言われたんで、今日は持って来ませんでしたけれども、それを見るとですね、明らかに人口が密集しているところの上に落ちてるわけですよ、成田空港でいうと。

つまり離発着、特に着陸をするタイヤが降りてからだから、空港に近いところに落ちてる割合が多いわけですね、というかほとんどなんですよ。

それで先程も言いましたが、落下物は21件ですけれども、こちらに長妻代議士が去年出した質問主意書の資料を出しておりますけども、部品脱落は437件もあるわけです。

この437件のうちどれくらいかわかりませんけれども、つまり海に落ちているからわかんなかったというものがあるわけで、これが陸を通って降りてくるようになると、その陸上で落ちる可能性があるわけです。

立憲民主党の初鹿明博
(羽田新ルートの資料を掲げる初鹿委員)

皆さんこちらみてくださいね。

どういうところを通ってくるかということですが、新宿と渋谷の地図の上に新ルートで通るルートつけてみました。A滑走路、C滑走路あるんで二本になっているですが、まず新宿みてくださいね。新宿駅がここですよ。真横を通ってます。真横。

渋谷の駅も、これ緑のほうのここが駅ですから、ハチ公前の交差点をもろに通るわけですよ。こういうところを通っていて、この落下物があったらどういう事故になるか被害の想定をしていますか? もしこの1mクラスのこういうところに繁華街に落ちたらどういう被害になりますか。

秋元 国交副大臣「落下物ゼロを目指して対策の充実強化に取り組んでまいりたい」

まず、国交省としてはこれからの観光立国をさらに進めて、そしてまた首都圏の国際競争力の強化とか、または東京オリンピック・パラリンピックの円滑な実施のためには、どうしても羽田空港の発着枠の拡大が必要不可欠となっております。

住宅密集地の飛行経路が設定されている都市としては、国内ではこの東京もそうでありますけども、大阪そして福岡。海外でもニューヨークやロンドンの例があります。羽田空港の経路見直しの実現に向けては、落下物対策を充実強化し、住民の方々のご理解をいただくことが必要であると思います。

よって先ほど申し上げました未然対策防止やまたは航空会社に対する処分等の検討等、事案発生時の対応強化の2つの観点から、総合的な落下物対策を講じることとしております。

こうした対策の具体化について関係自治体の方々にあらゆる機会を通じて情報提供をするとともに、11月から開催している住民説明会においても丁寧な情報を行っているところであります。

国交省としては落下物ゼロを目指して対策の充実強化に取り組んでまいりたいと思います。

初鹿委員「新ルートを採用しないということも含めて検討していただきたい」

私は「どういう被害になっているのか、どういう被害になっていると思っているのか」を訊いたんであって、そこには答えていただけなかったんですが、まあ「想定には答えられない」ということなんだと思います

こちらにね、また資料を見ていただきたいんですが、人口密度の比較をつくりました。成田空港の周辺の成田市は1km2あたり613人なんですね。パネルが落ちていた稲敷市は208人なんです。今回新ルートで通る新宿、渋谷、目黒、品川、太田、豊島、港とあげましたけども、みてください1万8千人とか2万2千人とか、20倍から50倍とかそれくらい人口密度が違うわけですよ。

渋谷のハチ公前のスクランブル交差点は平日だと1日に約26万人。10時から午後6時までの間ですが1時間あたり2万3千人ぐらいが通行してると。休日だと39万人です。1説ですと通行量約3千人、1回の信号の変わるだけで3千人通ると。

そういうところの上空を通っていって、かりに落下物があったらこれは大変ですよ。そういう状況だということの認識が私はいまいち足りないんじゃないかと思います。

住民に対して説明会をやっているということであります。最後の資料ですけどね、もう時間がないのでまとめていきますけども、いま第4フェーズというところに来ているんですが、第4フェーズにきて、この落下物の大きな、落下物1mクラスの落下物が立て続けに起こったという状況で住民の方は非常に不安になっていると思います。

ですので、まず今年度でフェーズ4が終わりというスケジュールなってますが、ここで終わることなくきちんと住民の皆さんに理解を求めていただきたいというのが1つ。それともう一つはやはりですね、説明したからこれでいいんだということに私はならないと思うんです。

やっぱり一歩立ち止まって、確かにここを新ルートを使えるようにすることで経済的な効果は上がると思います。しかしそれに伴って生じるリスクの大きさということを考えるとやっぱりお金よりも人の命の安全というものを優先すべきだと思うんですよ。一歩立ち止まって考えていただきたいと思います。

ぜひ、住民の皆さんからかなり厳しい意見が出てくると思いますが、その意見を踏まえてこの新ルートを採用しないということも含めて検討していただきたいと思います。

その上でですね、私からの提案ですけれども、この今回の新ルートの提案ですと、南風ルートで増やせるのは1万1千回なんですよね、年間で。全体で3万9千増やそうという計画のようですけれども、南風(ルート)止めても2万8千は増やせるわけです。

これが是とは言いませんよ。そして新しい北風の新ルートを作らなくても、今までのルートだけでも1万3千回は増やせるという試算をしてるわけですよね。そういう計算をしているわけですよね。

でしたら、羽田はそれでとどめておいて、例えば茨城空港だとか静岡の空港だとか、近隣の空港を活用して、そこで新たな観光資源を作ることと合わせて、そちらで便数を増やして全体としての数を確保するという考えに切り替えたらどうかと思います。

以上ですね、まず「会議をここで終わらせないで、十分に住民に説明をしてほしい」ということ、それとこの「3万9千をこの新ルートで決めるんじゃなくて、住民の意見もきちんと聞いて、場合によっては他の空港で対応することも検討する」ということ、この2つをどう考えているのかということをお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

石井 国交大臣「落下物対策の強化に最大限取り組んでまいりたい」

石井啓一国土交通大臣

国土交通省といたしましては、観光事業の目標であります2020年訪日外国人旅行客4千万人の達成、首都圏の国際競争力の強化、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な実施のためには、羽田空港の発着枠の拡大は必要不可欠と考えております。

飛行経路の見直しの実現のためには、住民や関係自治体の方などに丁寧な説明を行い、できる限り多くの方々にご了解をいただくことが重要でございます。

11月1日から新たに4巡目となる住民説明会を開催をしております。これまで開催いたしました5か所の説明会では1,200名を超える住民の方々のご参加を頂きました。

住民の方々からは航空機からの落下物や騒音などの対する心配の声がある一方、羽田空港の利便性の向上に対する期待の声もございました。

いただいたご意見は真摯に受け止め、環境影響の低減や落下物対策の強化に最大限取り組んでまいりたいと考えております。

新たな説明会の開催も含め、引き続き丁寧なご説明を行い、できる限り多くの方にご理解いただけるよう努めて参りたいと存じます。

また羽田空港の発着枠につきましては、首都圏への国際線需要に対応した十分な発着枠を確保する必要があります。

特に国際線の航空需要は時差の関係などから特定の時間に集中していることから、全体の発着枠の総数を増加させるだけではなく、この南風ルートの時間の発着枠も可能な限り多く確保する必要がございます。

また飛行経路の変更は現行経路における通過便数を分散することにもつながりますが、新たな飛行経路の設定を行わなかった場合には、現行経路下の騒音影響が増加することになるため、千葉県など関係自治体のご了解をいただくことが困難だと考えています。

このため国際線の需要が集中する時間帯において、新たな飛行経路の導入が必要であると考えております。

一方で訪日外国人の増加の対応や地方創生の観点からは、茨城空港や静岡空港など、地方空港の強化が必要であり、国土交通省では必要な施設整備や訪日客支援制度による国際線への着陸料の支援などハード・ソフト両面からの施策を講じております。

しかしながら地方空港では都心へのアクセスなどの課題があると考えてございます。今後とも関係者の理解を進めつつ羽田空港の機能強化を進めていきたいと考えております。

初鹿委員「検討をちゃんとしていただきたい」

是非、お金と命どちらが重要なのかということを考えてね、検討をちゃんとしていただきたいと思います。これが落ちてきているんですからね。ぜひよろしくお願いします。

終わります。

雑感

  • 初鹿委員(立憲民主党・市民クラブ)の基本的な質問に対して、秋元副大臣や石井大臣が役人の用意した文書を棒読みするだけで質疑時間18分が終了。「落下物対策の強化に最大限取り組んでまいりたい」を繰り返す副大臣・大臣答弁は、初鹿委員の質問とあまり噛み合っていない。
  • 「5か所の説明会では1,200名を超える住民の方々のご参加」(石井大臣答弁)で、羽田新ルート問題は住民に十分伝わっているといえるのだろうか? 初鹿委員には、羽田新ルートが国民にどの程度認識されているのか世論調査の実施を国に迫るとか、この問題を広く国民に知らせることに力を注いでほしいものだ。
    ※国交省は10月27日に、朝日や日経に第4フェーズの住民説明会の新聞広告を出しているが、気が付いている人は多くはないだろう(羽田新飛行ルート問題|国交省が新聞広告! )。
  • せっかく衆議院の「国土交通委員会」で羽田新ルートに係る質疑が行われても、NHKや民放、新聞などのマスメディアが取り上げなければ国民には届かない。国会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる国会質疑の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。

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