杭の製造・施工大手のジャパンパイル(株)でも11月13日、18件の杭打ち工事データの偽装が見つかった。
残存している過去5年分のデータ約1万件の調査はいつ終わるかわからないという。
日本経済新聞の取材に対して、ジャパンパイルの黒瀬晃社長の回答は衝撃的だ。
――記録・報告用のデータが取得できないと流用するのか。
「そうだ。業界全体で行われているだろうが、工事はしっかりやっているはずだ。杭が想定より短ければ元請けに必ず報告し対処する。未到達を知りながら放置することはあり得ない。いずれ施工不良がわかるからだ」
――元請けなどからデータの体裁を整えることを指示されることは。「あると聞くが、杭が支持層に未到達なのに対処せず工事を続けろということはないだろう。杭打ち業者も不備がわかれば急いで報告したほうが得で、気を使って報告しないこともあり得ない」
(日経新聞 11月15日)
「(杭打ちデータの流用は)業界全体で行われている」
「(元請から杭打ちデータの体裁を整えることを指示されることは)あると聞く」
京都大学経済学部卒、元住友銀行執行役員68歳の、あまりにも素直な回答。
日経新聞の記者が引き出したとはいえ、杭業界大手(コンクリートパイル製造・施工で2位)社長の発言はそれなりに重い。
杭業界全体が偽装を行っていることを認めたことで、杭業界は何らかの具体的な対策を取らざるを得なくなったのではないのか。
役人はこれを機会に、「杭工事施工管理技士」でも創設するのか?
「建築施工管理技士」という資格は既にあるのだが。
これは絵空事ではない。
耐震偽装事件では、3つの資格(構造設計一級建築士、設備設計一級建築士、建築基準適合判定資格者)が創設されたのだ(耐震偽装事件で生まれた、建築士の定期講習市場は10億円?)。
(本日、マンション広告なし)