不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「40年の長期修繕計画」なのに、「建物の長寿命化」は二つ星どまり


本日、マンション広告1枚。

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生命保険会社の研修施設の跡地に建つ大規模マンション。

【第1期1次 本広告】大手町駅直通14分、駅徒歩7分。総戸数459戸、15階建。販売戸数160戸、2LDK(65.79m2)〜4LDK(91.01m2)。販売価格3,948万円〜7,188万円、最多価格帯5,200万円台(16戸)。平成27年7月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年8カ月後)。

  • ※5月18日(土)、6月1日(土)、8月23日(金)、11月1日(金)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面に、「安心・信頼のサポートシステム」が謳われている。

24時間365日家族の大切な資産価値を守る、○○プレミアムアフターサービス。
専有・共用スペースのアフターサービス保証期間を大幅に延長。

共用部(一例)

  • 柱・梁・耐力壁のコンクリート躯体、屋内への雨水侵入
    • 従来は10年
    • ○○プレミアムアフターサービス 15年



専有部(一例)

  • 床や天井の浮き・はがれなど
    • 従来は2年
    • ○○プレミアムアフターサービス 5年


  • 間仕切りの反り、玄関ドアの開閉不良・変形・破損 他
    • 従来は2年
    • ○○プレミアムアフターサービス 10年

○○プレミアムアフターサービスは、この物件の売主の1社である(施工会社でもある)○○社のサービス名。
保証期間が大幅に延長されるのは、ありがたいことだ。
品質に自信ある施工会社だから、保証期間の延長を謳うことができると言えなくもない。


チラシには、さらに次のような謳い文句も躍っている。

永住志向に応える修繕計画
マンションの資産価値を守る「40年の長期修繕計画」

国交省が平成20年6月に策定した「長期修繕計画作成ガイドライン」によれば、計画期間は「30年以上」(既存マンションの場合は25年以上)となっている。
だから、国のガイドラインを10年も上回る「40年の長期修繕計画」というのは、かなりのチャレンジング。
これほどまでに「資産価値を守る」ための「○○プレミアムアフターサービス」を謳っておきながら、筆者の心に響いてこないのは、チラシ裏面の右下隅に掲載されている「東京都マンション環境性能表示」ラベルのせい。
次図のように、4項目の評価指標のうち、「建物の長寿命化」の項目が二つ星どまりだからだ。
東京都マンション環境性能表示
社内基準に過ぎない「40年の長期修繕計画」がいくら喧伝されていても、東京都という公的機関が設定した基準で満点(三ツ星)に達していないようでは、説得力がない。


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