不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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建築学会誌上シンポ、悩み多き現状を打破できるのか

本日11月17日は「マンションの日」。
耐震強度偽造事件が発覚したのが4年前の2005年11月17日。
このブログでは、3年前から、耐震強度偽装事件の教訓を踏まえ、マンションの安心・安全と居住環境性能に対する国民の関心を高めるために、「11月17日を『マンションの日』にしようキャンペーンを続けている。
11月17日を「マンションの日」に!

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閑話休題。
日本建築学会の会報である「建築雑誌」2009年11月号の特集「2 巨大すぎる建築を巡るトラブル」。
誌上シンポジウムとして「どうすれば悩み多きこの現状を打開できるのか」をテーマに3人の弁護士と2人の建築家が交わしている意見の中からいくつかピックアップしてみよう。


まずは、「節操を失ったデベロッパー」についてのやり取り。

■竹川氏(弁護士)
(前略)
しかし、いつの頃からか、金融機関と結びついて、経済的に効率のいい建物をつくることがメインになってしまった。
つまり、金融機関の別動体みたいな性格が強くなっています。
金融機関には資金を運用して収益を上げるという目的があって、そのひとつの手段としてデベロッパーが存在する側面がある。
不動産不況で新興デベロッパーがバタバタ倒産しましたが、彼らはまさに金融機関の別動体のものでした。
結果として、デベロッパーがプロジェクトを推進するに際しては、効率優先、環境軽視になっています。


■古賀氏(建築家)
(前略)
伝統デベロッパー、新興デベロッパーと分けて考えると、前者にはまだ節操があって、「あまりひどいことをやると、うちの名前が汚れる」という感じがある。

では、設計者(建築士)が本来の職務に忠実かというと、デベロッパーとの力関係があるので、不本意な設計を進めている場合があるという。

■荻原氏(建築家)
(前略)
現地は、地盤面が海面より低いゼロメートル地帯でした。
風通しは悪いし、湿気は多い。
雨が降って、地震等で排水ポンプが停止したら、あたり一帯はもう水没ですよね。
こんな場所に本当にマンションを建てるのかと思いました。


購入者はモデルハウスしか見ていないので、現地の状況がよく分からないんですね。
マンションが完成して、いざ実際に住み始めれば気づくのでしょうが、契約はすでに完了しているので、解除するのは難しい。
(後略)

あぁ どうすればこの悩み多き現状を打破できるのか・・・・・・。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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