不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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間取り図は販促ワザのオンパレード

間取り図とは

マンション・チラシに掲載されている間取り図は、設計図面としての平面図とは似て非なるものだ。
部屋の配置や洋室、和室の別など、建築の門外漢でも理解しやすように平面図を簡略化したのが間取り図のはずなのだが――。
業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」では、「建物の間取りについて、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示」を漠然と禁止しているだけだから、世の中のマンション・チラシに掲載されている間取り図の多くは、“販促ワザ”が仕込まれている。
以下に主な4つの販促ワザを紹介しよう。

南向き以外のリビングでも下側に描く販促ワザ

北向きや西向きのリビングであっても、下側に描くことによって、あたかも日照環境に恵まれた南向きであるかのように誤認させる効果がある。
地図であれば、上が北側というのが世界標準だ(オーストラリアでは違うかもしれないが)。

見栄えのする角住戸ばかりを掲載させる販促ワザ

角住戸(=妻側住戸)は、3面が窓に面しているため、中住戸と比べて、開放的なプランニングが可能だ。
一般的に、中住戸と比べて、人気も高いが価格も高い。
でも、ペンシル型マンションを除けば、マンションの総戸数に占める角住戸の割合は高くない。
マンション全体の住戸タイプを代表していない、角住戸ばかりをチラシに掲載するのは、客寄せ狙いの販促ワザといえよう。

間取り図から寸法を測らせない販促ワザ

チラシの間取り図に定規をあてて、廊下の幅や台所の寸法を測ろうとすると困難を極める。
縮尺目盛りの入った間取り図は皆無だし、多くの間取り図が切りの悪い縮尺率を採用しているからだ。
一般的に建築の平面図は、1/100や1/50といった切りのいい縮尺が採用されている(当然だ)。
でも、マンション・チラシに掲載されている間取り図は、1/120とか1/80といった、とても中途半端な縮尺率が採用されている。
間取り図からは寸法を測らせないぞ、という売り主側の悪意さえ感じてしまうのは筆者だけだろうか。

ローマ字表記で高級感をかもし出そうとする販促ワザ

Bed Room 6.5Jといったローマ字表記。
和室6.5畳と表現すればすむのに、わざわざローマ字で表現するのは何ゆえか?
ローマ字は、漢字かな混じり表現よりも、カッコウよくみえるとでもいうのか・・・・・・。
高級感などの視覚的効果を生み出すためにローマ字表記を採用しているのかもしれないが、ここは情報をしっかり伝えるために、日本語で表現してもらいたいものだ。
6.5J(=6.5畳)などといった表現は、いただけない。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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