不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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売り惜しみ物件か? 売れ行き不振物件か?

販売延期物件(首都圏)

都心部で一部マンションの売り惜しみがある一方、郊外では不人気マンションの在庫が積み上がっているという。
「週刊ダイヤモンド」12月9日号の特集「マンション評価ランキング」にもそのような記述が見られる。

旺盛な需要を目の当たりにした不動産会社は、手持ちの物件の販売を先送りし始めた。
首都圏では都区部、横浜市の人気エリアなどで、その傾向が顕著になっている。
その結果、1999年から続いている「8万戸以上の供給」は今年で途切れることになりそうだ。
(中略)
首都圏全体で見れば在庫は低水準だが、それは都心部の物件の販売が好調なため。
千葉県松戸市・船橋市、埼玉県朝霞市・川越市などは今年9月末の段階で、販売戸数に対する在庫の割合が3〜4割に達している。
それらの地域で価格を吊り上げても、お客にソッポを向かれるのは火を見るよりア明らかである。

都心部マンションの売り惜しみ記事を、最近、新聞などでよく見かけるようになった。
実際にどの程度なのか、数値で確認したいと思っていたところ、昨日(5日)、不動産経済研究所が「首都圏における発売延期マンションの実態調査」を発表した。
同調査データによれば、2005年1月から2006年10月までに供給された継続販売物件のうち、4カ月以上販売間隔があいた「ズレ込み物件」は、首都圏全体で30%に達している。
「首都圏全体で30%」といわれれば、そんなに売り惜しみが激しいのかと受け取られてしまいそうなのだが。
本当にそうなのか?
首都圏全体30%の内訳を視覚的に理解しやすいよう、都県別にグラフに整理してみたところ――。
都心部の「ズレ込み物件」の割合は、20.5%とそれほど高くない。
一方、千葉県、埼玉県それぞれの「ズレ込み物件」の割合は、44%、42%と半数に迫る勢いだ。
不動産経済研究所が定義した「ズレ込み物件」というネーミング。
都心部においては「ズレ込み物件=売り惜しみ物件」かもしれないが、千葉県・埼玉県では「ズレ込み物件=売れ行き不振物件」といったことはないのだろうか・・・・・・。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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