大手不動産5社の中間決算が出そろった。
各社の「短信決算」情報などをひも解き、通期売上げ予定戸数（≒期末までに引渡完了予定の戸数）と契約進捗率（戸数または売上高ベース）の比較図を作成してみた（右上グラフ）。
契約進捗率の5社平均は、78%。
住友不動産が87%と頭一つ出ている。
※ただし、住友不動産のデータには、戸建て住宅も含まれていることに要留意。
各社の「決算短信」の中で触れられている分譲マンション関係情報は下記のとおり。
契約進捗状況は、戸数ベースだったり（三井不動産・住友不動産・野村不動産HD）、売上高ベースだったり（三菱地所・東急不動産）、5社の表現は一致していない。
■三井不動産
マンション分譲における当第２四半期末での契約進捗率は、引き続き好調な販売状況を受け、当期計上予定戸数5,400戸に対して約75％強まで進捗いたしました（平成22年３月末 約25％）。
一方、>完成在庫（マンション）については、886戸と平成22年３月末の872戸から若干増加しております。
■三菱地所
マンション事業において売上計上戸数が前年同期に比べ減少したため減収となりました｡
この結果、当セグメントの営業収益は128､961百万円と前年同期に比べ21､557百万円の減収となりましたが、営業利益は前年同期に比べ1､055百万円増益の575百万円となりました。
なお、マンションの通期売上計上予定額のうち約78％は既に契約済であります。
当第2四半期の営業収益は通期見込みの約38％の水準となっておりますが、これはマンション等の竣工及び顧客への引渡しが年度末に集中する傾向にあることによる季節要因であります。
当年度の業績につきましては、営業収益3､380億円、営業利益65億円を見込んでおります｡
■住友不動産
当第２四半期連結累計期間は、「シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル」、「シティタワー有明」など、マンション、戸建、宅地の合計で2,762 戸（前年同期比＋1,075 戸）を販売計上いたしました。
前年同期に比べ、計上戸数が大幅に増加した結果、売上高、営業利益ともに前年同期比５割超の大幅な増収増益となりました。
通期業績予想に対する営業利益進捗率は66％と、計画をやや上回るペースで推移しております。
マンションの契約戸数は2,623 戸（前年同期比＋13.1％）と、平成17年の「ワールドシティタワーズ」販売時以来、5 年ぶりに上半期2,500 戸を超える高水準となりました。
その結果、当第２四半期末時点におけるマンション、戸建住宅の当期計上予定戸数（4,500 戸）に対する契約率は、87％(期首時点30％、前年同期 60％)、完成済販売中マンションは1,120 戸（前期末比△78 戸）となりました。
■東急不動産
売上高は597億円（対前第２四半期十48.2％）、17億円の営業利益となりました｡
当期は、マンションとして「二子玉川ライズタワー＆レジデンス」〔東京都世田谷区〕「ブランズ文京小日向レジデンス」（東京都文京区）等を売上に計上したことにより売上が増加、たな卸資産評価損も14億円と前年同期の46億円から大幅に減少したこと等から増益となっております。
また、販売については好調に推移し、完成在庫も大幅に減少しております｡なお、賃貸住宅の一棟売りを除くマンションの通期売上予想に対する契約済み割合は、期首の44％から74％〔対前第２四半期末十４％〕となりました（単体）。
■野村不動産HD
住宅分譲部門においては、マンション分譲では「プラウド新宿御苑エンパイア」（東京都新宿区）、「プラウド市谷柳町」（東京都新宿区）、「プラウド浦和仲町マークス」（埼玉県さいたま市浦和区）等を、戸建分譲では「プラウドシーズン花小金井」（東京都小平市）、「プラウドシーズン藤沢 湘南テラス」（神奈川県藤沢市）等を売上に計上いたしました。
（中略）
この結果、当セグメントの売上高は61,860百万円（前年同四半期比△39,521百万円、39.0％減）、営業損失は912百万円（前年同四半期は営業利益10,243百万円）となりました。
前第2四半期と比べ、減収減益となっておりますが、これは主に、前第１四半期において、高収益かつ大規模の分譲マンションの売上計上が集中したこと等によるものであります。
一方、販売状況は順調に推移しており、契約済未計上残高については3,488戸（前年同四半期末比1,805戸増）まで積み上げております。
