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羽田新ルート|品川区議会「第2回定例会」質疑応答全文

品川区議会の「平成30年第2回定例会」の一般質問(6月29日)で、石田ちひろ議員(共産)石田秀男議員(自・未)あくつ広王議員(公明)吉田ゆみこ議員(ネット)の4名から「羽田新ルート」関連の質疑応答があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約1万2千文字)しておいた。

※以下、かなりの長文なので、時間のない方は次の「要点」と文末の「雑感」を読んでいただければ大意は把握できるかと。


要点

石田ちひろ議員(共産)×都市環境部長

石田「国と区の交渉が秘密裏に行われていた」

石田ちひろ議員(共産)

石田ちひろ議員(共産党、区議2期、元歯科衛生士、都立南高校卒、42歳)

日本共産党を代表して、一般質問を行います。
まず初めに、「羽田新ルートの容認、二枚舌、隠蔽は許されない。計画撤回を国に求める区政に転換を」です。
安倍内閣が2020年実施と示す、羽田新ルートが近づき、住民の不安はさらに強まっています。

国交省は2009年から16年の8年間で航空機からの部品落下を451件と報告。さらに昨年11月から今年5月までの約半年間で国際便の多い国内7空港の調査では部品落下が219件と報告。単純計算で1日1件です。

この状態で都心上空羽田新ルートが実施されたらどうなるのか。命を奪う重大事故は明らかであり、こんな危険すぎる無謀な計画を許すわけにはいきません。


国交省が今年3月末に示した落下物対策について、国交大臣は「ゼロを目指す」と述べるだけで「ゼロにする」とは言いませんでした。

品川区は「落下物はゼロにしていただきたい。無いようにしていただきたい」と答弁していますが、この対策では落下物をゼロにできないと思いますが、いかがでしょうか?

被害を防ぐ唯一の対策は、現状の海上ルート以外にありません

また、訪日外国人の受け入れというのなら、住民合意を前提に、地方空港の活用など、方法は他に十分あります。
日本共産党は羽田新ルートに反対する政党・市民とともに、羽田新ルート計画を撤回させる品川区政に転換させるために全力を挙げます。

今回は濱野区長の計画容認、二枚舌、秘密裏に国と交渉し、交渉記録すら作らない隠蔽を質問したいと思います。

第1は、濱野区長の計画容認と二枚舌の問題です。
区長は「国策として甘受するとしたら、品川区に別のメリットを提示して欲しい」と昨年11月のタウンミーティングで二度も発言しました。
騒音、落下物、不動産価格の下落、墜落事故など、住民の生命、財産を奪う計画を甘受するなど絶対に許せません。

区民や議会には「羽田新ルートは了承していない」と言いながら、国には理解を示す。こんな二枚舌は通用しません。
なぜなら区長は同じ場で、「品川区民にとってはデメリットしか降ってこない。この飛行機が飛ばないのが1番良いわけですが、どこかを飛ばなければならない」とまで発言。
「実際に発表された新飛行ルートを述べたもので、容認していない」は通用しません。

 

第2に、国と区の交渉が秘密裏に行われていた問題です。
日本共産党の調査で、濱野区長が国交省に出向き、事務次官、審議官と合計2回の交渉が分かりました。その後の調査で、今度は国交省が品川区に出向き、濱野区長と3回交渉。合計で5回の交渉が分かりました。

1回目は計画発表直後の平成26年8月14日。2回目は平成27年1月6日。3回目は平成28年4月18日。4回目は平成28年5月17日。5回目は平成30年2月23日。国交省または品川区役所で行われました。

これらは共産党が公表するまで、すべて秘密裏とされ、しかも、国には交渉記録が公文書としてあるのに、品川区には公文書がないという驚くべき行政運営です。
これは議会そして住民による行政の監視や参加を奪う隠蔽であり許されません。
公文書管理法では、先の賛成討論で述べた通り、第4条で職員に対し、意思決定に至る経過、事務、検証ができるよう、軽微な事案を除き文書を作成しなければならない、と記されています。

区長という区のトップと事務次官・審議官というトップレベルの話し合いが軽微な事案であるはずがありません。国と区長の交渉について、区に5回の交渉記録は本当にないのか?
経過を記録する公文書を作成としなくていいと、公文書管理法のどこに書かれているのか? 国との交渉は公文書として記録を残すよう求めます。それぞれいかがでしょうか。

今年4月の人事異動で担当部長と課長が代わりましたが、交渉記録がなく、何で仕事の引継ぎを行ったのか伺います
この交渉の全てに出席していたのは濱野区長ただ1人です。ところが区長は、計画撤回を求めることは1度もなく、それどころか国交省に計画容認を伝え、国から感謝までされていました。

5回目の交渉では、濱野区長は「デメリットを少しでも軽減するよう施策を検討していただきたい」と発言。「少しでも」とは被害がゼロにならないことを区長が認めていると同時に、軽減を求めることは新ルート自体の容認を表明するものです。
5回の交渉においてなぜ、濱野区長は計画撤回を国交省に伝えなかったのか伺います。
また「少しでも軽減するよう施策の検討」との区長発言は、計画受け入れを国交省に表明するものではないのか伺います

9月には区長・区議補欠選挙が行われます。この問題は選挙の最大の争点になるでしょう。計画容認、二枚舌、隠蔽と、このような区政運営に決して未来はありません。
区政の転換を強く訴えたいと思います。

部長「交渉を行ったものではなく、目的も明快だったため、議事録作成の必要がなかった」

都市環境部長

(順接の「が」を連発する都市環境部長)

私からは羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
はじめに落下物対策についてですが、本年3月に国が公表した「落下物総合対策パッケージ」は、落下物の予防と事後対策の強化を目的とするものですが、その具体的な内容は示されておりません。
区としましては、万が一にも落下物がない取り組みを具体的に示すよう、引き続き国に強く求めてまいります

次に、国との面談記録の作成についてですが、5回の面談はそのうち2回が、国に対し「区民への丁寧な説明の実施など」を口頭で求めたものであり、また、残りの3回の面談は、国が計画内容の説明のために来庁したもので、いずれも交渉を行ったものではなく、目的も明快だったため、議事録作成の必要がなかったものでございます。

次に、人事異動による仕事の引継ぎについてですが、国から公表されている資料に基づき適切に行われていると考えております。

次に、国との面談は新ルート案による環境影響や安全性について、区民の皆さんが不安を感じているとの声から、国の責任においてこれらを払拭することと、地域への丁寧な説明を行ってもらうよう国に直接伝えるために行ったものでございます。

その際、環境影響へのできる限りの軽減について検討し、地域へしっかり説明するよう申し入れをしたものでございます。区はこれまで、国に対し受け入れを表明したことはございません

石田「国の公文書の改ざんや捏造、隠蔽よりもひどい」

石田ちひろ議員(共産)

自席より再質問をさせていただきます。
まず羽田です。
「国の案に対して、受け入れを表明したことはない」という答弁でしたけども、ですが区長は、「デメリットを少しでも軽減するよう施策の検討を」と発言しています。
これはまさに容認ではないのか。伺いたいと思います。

そして、交渉記録がないために、こんなに重要なトップレベルの交渉の中身も分からない。交渉記録を作る必要もないなんて、いまの国の公文書の改ざんや捏造、隠蔽よりもひどい、異常な状況だと思います。
区民の命と暮らしがかかった大問題です。

交渉記録は改めて作ることを求めますけども、いかがでしょうか。

部長「今までの申し入れの内容と何ら変わることがないことから、交渉記録の作成は必要ないものと判断」

首都圏空港機能強化についてですが、まず、国がこの新ルート案を提案した際に、落下物対策や騒音対策、こういったものに対してどういった対応を取っていくのか、こういたものも合わせてその後、引き続き、国から公表されたものでございます。

しかし、区としましては、その国の対策に対して具体性に欠けることから、さらなる具体性を持った提案するように求めてきたものでございます。

そういった検討する中で、少しでもデメリットをなくすような、そういった方策を考えることがこの落下物対策、騒音対策の取り組み対して基本的な考え方である、ということを国に伝えに行ったものでございます。

交渉記録の必要性につきましては、これは国に対して、再三落下物対策、そして騒音対策、こういったものに対する対策を具体的に求めてきたわけですけども、こうしたかねてから求めてきたことに対して、さらに念を押して、さらに充実した対応を進めていただくよう求めに行ったものでございますので、今までの申し入れの内容と何ら変わることがないことから、交渉記録の作成は必要ないものと判断したものでございます。

石田「デメリットの軽減を求めることは、計画容認を表明するものと同じだ」

再々質問をさせていただきます。
まず羽田ですけれども、羽田の、この新ルートを容認していないと、そして落下物も無いようにと思っているのであれば、これまでの国交省交渉で「落下物がゼロにできないなら飛んでもらうわけにはいかない」と、くらいでも言えたはずなんです。

強化したとされるこの落下物対策でも、国交大臣は「ゼロにできる」と言えなかったんです。国交大臣が言えなかったんですね。ですんで今からでも反対すべきです。これでは重大事故が起こりますよ。

ですので、それを言わずにデメリットの軽減を求めることは、計画容認を表明するものと同じだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

部長「引き続き国に対しては、安全対策のさらなる検討を求めてまいりたい」

落下物の安全性に対する取り組みは、どれか1つで万全というものはない、というふうに考えております。ゼロにする。限りなくゼロにする取り組み。
こういったものを可能な限り、考え得る限り、積み重ねることによって、結果的に落下物をゼロできるというふうに考えてございます。

いま国では様々な落下物、安全対策に対する提案を出してきております。
しかし、区といたしましても、それでまだまだ万全、あるいは具体性がしっかりしていて、実効性にも十分であるというふうに判断をしているものではございません。

従いまして、引き続き国に対しては、安全対策のさらなる検討を求めてまいりたいと考えております。
現時点においておきましては、まだ国からそういった取り組み対して、強く求める段階というふうに認識をしております。

石田秀男議員(自・未)×都市環境部長

石田「地域の方々に理解される対応を(国に)強く求めていただきたい」

石田秀男議員(自・未)

石田秀男議員(自民党、区議5期、元会社役員、東海大学文学部卒、58歳)

はじめに羽田空港について伺います。
平成26年7月8日、国土交通省から新飛行経路案が公表され、平成27年8月から平成29年11月にかけ、第1から第4フェーズの説明会が開催され、今年の3月には「落下物対策総合パッケージ」が公表されました。

この間、わが会派は羽田空港の機能強化には一定の理解をするものの、騒音を軽減する方策、落下物防止を含む徹底した安全管理、環境影響等に配慮した方策を区民に丁寧な説明と情報提供を行い、区民の理解を得るよう、区、国交省に対し強く求めてまいりました。
しかし、現時点で地域の皆様に理解されているとは考えていません。

国の対応策が今後示されないのであれば、地域の方々に理解してもらうため、区長から国に対し、「現行計画案の見直しも辞さない」などの言葉をぶつけてもらい、地域の方々に理解される対応を強く求めていただきたいと考えます。

部長「今まで以上に強く国に求めてまいります」

私からは羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
新飛行ルート案につきましては、これまで国により4期にわたる「オープンハウス型説明会」やニュースレターの発行など、地域に対する周知と説明が行われてきました

また、安全対策として、落下物の予防と事後対策となる「落下物対策総合パッケージ」が本年3月に公表されました。

騒音影響の軽減方策につきましても、着陸料の見直しによる低騒音機の導入促進や、防音工事助成の要件緩和などが示されました。

一方で、「新飛行ルート案についてよく知らない、知らされていない」とする地域の声がまだ多いこと、また「落下物対策総合パッケージ」や防音工事助成の具体的内容が示されていないなど、区民の不安の払拭につながる国の取り組みはまだまだ不十分と考えております。

地域では様々な声があることも承知しております。また、今回の議員からのご質問を重く受け止めているところでございます。
今後こうした状況のまま、これ以上の具体的な対応策が示されずに計画が進められるとなれば、区としても納得できるものではありません

区としましては、地域の声をしっかりと国に届けるとともに、早急に具体的な対応策を示すよう、今まで以上に強く国に求めてまいります

あくつ議員(公明)×都市環境部長

あくつ「『品川区長や区議会の反対で、品川低空飛行から海上ルートへ勝ち取った実績』と言い放つことは…」

あくつ議員(共産)
阿久津 広王議員(公明党、区議2期、元国会議員秘書、創価大学法学部卒、44歳)

最後に、羽田空港の新飛行ルート案について質問します。
国土交通省は、羽田空港の機能強化を実現する方策として、東京都心上空の新飛行ルート案を示しています。

上空を通過する地域は、都内13区におよび、特に品川区上空には非常に低い高度が設定されています。国による住民への説明が開始されてから3年が経過し、この間、区議会公明党は区民からの様々なご意見を伺ってまいりましたが、不安を訴える声や新ルート案自体をまだご存じでない区民が多いというのが実感です。

もちろん国の計画であり、品川区に決定権がないことは明らかですが、改めて区の見解を伺います。

質問の1点目は、羽田空港の沖合移転の正確な経緯と認識について伺います。
区内で喧伝される新ルート案に対する反対意見の中には、「品川区長、区議会の反対で品川低空飛行から現在の海上ルートへ変更させた実績がある」と表現するものがあります。
おそらく、昭和40年代から50年代、国が羽田空港の拡張計画を打ち出した際、品川区は国に対し、空港の沖合移転を求める要請書を提出したことを指していると考えます。
ただし、国の拡張計画には今回の新ルート案のような品川上空ルートを飛行するような案は示されてはいなかったと認識しています。

当時、羽田発着便の増加と航空機の大型化に加え、本来モノレールの線路より海側のみに認められていた飛行ルートが、イレギュラーで内陸部を飛行する際に発生する騒音問題への解決のため、関係自治体、東京都、そして当時の運輸省が協議会を設置し、慎重な協議の結果、空港機能の沖合移転となったのが実際の経緯です。

つまり、そもそも国、東京都、関係自体という3者協議で決定した歴史を、あたかも「品川区長や区議会の反対で、品川低空飛行から海上ルートへ勝ち取った実績」と言い放つことはあまりにも牽強付会であり、議論を混乱させるものと感じています。

羽田空港沖合移転の正確な経緯の説明を求めるとともに、「品川区長、区議会の反対で品川低空飛行から現在の海上ルートへ変更させた」という表現について、品川区の見解を伺います


質問の2点目は、新ルート案に対する区民の懸念について、3点伺います。
まず落下物です。
重大インシデントに認定されるような落下物事故が多発している現状があります。
昨年9月オランダ航空機から脱落したパネルが大阪市内の繁華街を走行中の車に直撃し、屋根や窓ガラスが損傷する事故が発生しました。

私ども区議会公明党は、現地に赴き、落下現場である京阪国道西天満交差点を視察し、付近の方にもお話を伺ったところ、「落ちた時は気がつかなかったが、やはり怖い。その後しばらくは上を見て歩いていた」と心配をされていました。

本年3月には成田空港周辺で飛行機から脱落したアンテナが発見され、5月には日本航空機のエンジン破損によって落下した多数の部品が、熊本空港周辺の病院や車を直撃し、窓ガラスが割れるなどの被害が出ました。

なお、不安の声を受け、国土交通省は世界に類を見ない徹底した安全策を講じるとして、本年3月、「落下物対策総合パッケージ」を発表しましたが、主に各航空会社に厳重な点検を促すものであり、安全が完全に担保されたとは言えません。
人口密度の高い品川区で落下物が発生した場合、生命・財産を脅かす不安が払拭されておらず、区民の理解が得られていない現状です。

次に、騒音です。
最大で約80デシベルの航空機騒音が、1分半に1回、3時間であれば132回発生することが想定されています。
当初国は、「騒音環境基準以下であるため、本工事の必要性はない」という見解でしたが、その後、制度の弾力的な運用で公共的な施設の工事を行う方針を示したが、具体策はなく、一般住宅は対象外という見解は変わっていません。

また、区内の視覚障害者にとっては、連続する騒音は生活するうえでの大きな障害となります。住環境に重大な影響を及ぼす騒音についても、区民の理解は得られていない現状です。

次に、国の説明・周知の手法です。
国交省主催の「オープンハウス型説明会」がこれまで第4フェーズまで開催されましたが、品川区内会場の来場者は延べ3,360人に止まっており、39万人区民の1%にも満たない状況です。

実際、お話を伺うと、「ルート直下の区民でさえ、知らない、知らされていない」という声があります。

議会が求めてきた説明チラシの全戸配布や教室型説明会も実施されておらず、周知が不十分なため、情報が行き渡らず、残念ながら区民の理解が得られていない現状です。

以上、新飛行ルート案における落下物対策、騒音対策、説明・周知の3点について、品川区の見解を伺います

質問の3点目は新ルート案全体について伺います。
さまざまな危険性が指摘されているなかで、1日4時間のうち3時間とはいえ、日本有数の人口密集地域である品川上空を大型飛行機が飛行することは多くの区民に理解しがたい現状があります。

以上の理由により、品川区上空を低高度で飛行する新飛行ルート案を容認することはできません
区議会公明党は、国土交通省に対して、品川区上空を飛行しないルートの再考を強く求めていきたいと考えます。品川区の新ルート案に対する見解を伺います。

部長「国および都、関係自治体による『羽田空港移転問題協議会』が昭和52年に発足し、移転への検討が行われ…」

私からは羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

はじめに、沖合移転の経緯についてですが、当時羽田沖において、都による埋め立て計画が進められるなか、昭和47年に国より、この埋め立て地への航空機能の拡張計画が示されました。

品川区を含む関係自治体では、航空機の大型化などによる騒音の発生が問題視されていたことから、国に対し、機能の拡張ではなく移転を求め、また都は国に対して協議会の設置を要望しておりました

その後、国および都、関係自治体による「羽田空港移転問題協議会」が昭和52年に発足し、移転への検討が行われ、昭和56年に滑走路の配置や運用など、移転に関する基本事項について3者による合意がなされました。
工事については、昭和59年より着工し、平成19年に完了したものでございます。

次に、区民の懸念についてですが、まず落下物につきましては、本年3月に国が発表した「落下物対策総合パッケージ」は未然防止策と万が一事案が発生した場合の事後の対策の強化を主な目的としておりますが、区といたしましては、落下物を万が一でも発生しないことが必要不可欠であると捉えており、さらなる予防策の検討を国に引き続き強く求めているところでございます。

また、騒音につきましては、本年3月に防音工事助成について、制度の弾力化が示されたところです。区では国に対し、対象となる施設や対策方法などを具体的に示すよう求めておりますが、回答は得られておりません。早急に示すよう強く求めてまいります。

区民への周知につきましては、国はこれまでの複数回にわたる「オープンハウス型」の説明会の開催や、町会、回覧板を活用したニュースレターによる周知などを行ってまいりました。しかしながら、区民からは「まだまだ計画を知らない」という声や、「もっと詳しく教えて欲しい」という意見もあることから、「教室型説明会」を含めた様々な方法によるきめ細やかな周知と丁寧な説明を行うよう、引き続き国に求めてまいります

新ルート案についてですが、地域によって様々な声があることを承知しております。
また、今回の議員の意見を重く受け止めているところでございます。

今後、国がさらなる具体策を示さずにこのまま計画を進めることは、区としましても納得できるものではございません。区としましても、区民の立場に立ち、地域の声をしっかりと国に届けるとともに、今後のさらなる具体的な対応策について、今まで以上に強く国に求めていく必要があると考えております。

あくつ「あたかも『品川区が反対をすれば飛ばなくなる』こういった誤解を招くようなことは正しい議論の妨げになる」

羽田空港のところの沖合移転についてですけれども、先ほどありましたが――これは意見ですが――沖合移転については、まず東京都が埋め立てをして、これについてなんか公園にするというはずだったんですけれども、国がそれに対して拡張したいというふうに言って、結局三者、区と関連自治体と東京都とそして国と、これで慎重に話し合いをしたということですから、あたかも「品川区が反対をすれば飛ばなくなる」こういった誤解を招くようなことは正しい議論の妨げになると思いますので、これは1点指摘をしておきたいと思います。

吉田議員(ネット)×都市環境部長

吉田「南風ルートの採用は、国策として有効なのかは疑問」

吉田議員(ネット)
吉田ゆみこ議員(生活者ネットワーク、区議1期、元生活クラブ東京理事長、学習院大学法学部卒、64歳)

羽田新ルート計画についての質問です。

区民へのデメリットと引き換えにする国策をどのように評価しておられるのか伺います。

羽田の新ルート計画については、品川生活者ネットワークは当初より計画に反対し、「区としても反対の姿勢を示すべき」と求めてきました。
理由はこの新ルート案は、区民の命と暮らしの安全を脅かすものであり、たとえどんな経済的メリットが示されようとも、命に代えられるものはあり得ないと考えるからです。

ところが、区長は、「品川区にはデメリットしかなくても、国際競争力強化を始めとする国策であるから」という理由で、国に対してさらなる丁寧な説明や受け入れのための対策を求めつつも、計画には理解を示しておられるようです。

しかし、本当に品川区を通過する南風ルートの採用は、国策として有効なのかは疑問です。以下、簡単に理由を述べます。

政府、国土交通省は今後、羽田と成田と合わせて現状の離着陸能力の年間値74.7万回を、2020年までに8万回、それ以降さらに16万回、都合24万回増やして、約100万回近くまで持っていくと、2018年1月施政方針演説で発表しました。

この実現が2020年までの訪日旅客4千万人対応、その次は6千万人対応という観光立国化政策と合わせて国際競争力強化、地方と海外のアクセスの利便性向上も謳っています。

2020年までの8万回増の内訳は羽田で3.9万回、成田4万回プラスαですが、その後のさらなる16万回増の内訳は、すべて成田であることが公表されています。

すなわち、現状では羽田44.7万回、成田30万回、トータルで74.7万回を最終的に24万回増やしたいが、その増加分の内訳は羽田3.9万回、成田約20.1万回となり、増分全体を100%とすれば、羽田約16.25%、成田83.75%となり、圧倒的に成田頼みです。

次に、羽田3.9万回増の内訳についてです。
先に述べた通り、羽田増便は成田、羽田合わせた増便24万回のうちの16.25%。つまり、3.9万回しか貢献しないわけですが、さらに掘り下げると次の数字が出てきます。

2014年7月発表の「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」の「中間取りまとめ」によると、

  • 1、離着陸ルートを何も変更しなくてもD滑走路供用後、再検証した結果1.3万回増える。
  • 2、北風時の荒川北上ルートを採用するだけで、1に加えて、最大で1.5万回増える。
  • 3、南風時に都心のど真ん中を低空で貫いての着陸と川崎重工業地帯を離陸するルートを採用するとさらに1.1万回増える。

したがって、品川区上空をまともに通る都心低空ルートは、1.1万回増の効果しかなく、3.9万回の羽田全体増に占める割合は28.2%です。

さらに先程の成田を含めた全体で24万回の増加計画から見れば、高々4.6%しか貢献しません。

3点質問します。
1、区長はこの羽田と成田の増加計画の内訳の圧倒的な違いをどのように認識しておられますか

2、国土交通省は羽田の滑走路構造からくる、離着陸ルートの難しさや、米軍横田空域との関係などから、新ルートに変更しても抜本的な増便は難しく、一方で成田は第3滑走路を作ることで大きく増便が叶うと公言していることはご承知と思います。

区長は「成田に大きく頼らざるを得ないこの見解は合理的だ」とお考えですか
そのうえでの品川上空ルート容認でしょうか。

国土交通省は今回の羽田増便で増やす3.9万回を全て国際線に振り向け、現状の国際線6万回から9.9万回へ、最大約1.65倍に増やせると言っています。

これは数字のレトリックです。考えるべきは羽田空港機能強化であり、3.9万回を全て国際線に振り向けても、羽田機能強化でいえば、現状比8.7%であり、抜本的な増強にはなりません。しかも、3.9万回のうち2.8万回は品川新ルートなしでも増やせるのです。

騒音、落下物、不動産価値下落、大気環境汚染、万一の事故の甚大な被害リスクなど、都心特有の様々な懸念が想定されるなか、世界の潮流にも反したルート選択を行うのは政策として合理的な貢献効果があるとは思えません。

 

3、以上を踏まえると国策を支える立場に立って考えても、新ルートの採用が区民へのデメリットの割には増便貢献効果の低いものであると言わざるを得ません。

観光立国化や、国際競争力強化の国策への協力を前提にしても、区としては「不合理を唱え、より理にかなった新ルート計画を求めて、国に見直しを働きかけるのがあるべきスタンス」と考えますが、見解をお聞かせください。

次に、地元の同意の考え方を伺います。

6月8日の都議会都市整備委員会において、都民から出された「羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情」の審議が行われました。

その中で地元の理解を前提とする羽田新ルート問題で、「何を持って地元の同意を得られたと判断するのか」について、都は「国は首都圏空港の機能強化の具体化に向けた協議会を開催する予定であり、それに先駆けて、都および関係区市の連絡会を開催し、関係区市の意見を取りまとめる」と答弁しています。

この連絡会はこれまで1度も開かれておらず、地元の同意を得たという形を整えるため、形式的に開催されることが強く懸念されます。

質問します。連絡会の構成メンバーである品川区が形式的な地元の同意作りに協力することは許されません。白紙撤回の意見が根強くあるなかで、これらの意見をどのように反映させるのか、お考えをお聞かせください。

部長「早急に具体策を示すよう、引き続き国に申し入れていく」

私からは羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

はじめに、羽田と成田、両空港の計画についてですが、国は「首都圏空港である両空港が、それぞれ他では代えがたい重要な役割を果たしており、その役割や機能を最大限活かしながら今後の需要に対応していくことが必要である」との考えを示しております。

また、2020年以降の増便方策に関わる技術的な選択肢として、羽田空港の滑走路の増設も将来の経済状況や需要動向等を見極めた上でさらなる検討を行うとしております。

区は国策としての空港機能を強化することに一定の理解をしているところでございますが、これまでの国の取り組みに対し、区民の不安の払拭には至っておらず、まだまだ不十分であると考えております。

今後、こうした状況のまま、これ以上の具体策が示されずに計画が進められるとなれば、区とをしても納得できるものではありません。

早急に具体策を示すよう、引き続き国に申し入れていく考えでございます。


次に、東京都が設置する、「都及び関係区市連絡会」においては、都、特別区および関係区市で情報共有や意見交換を行い、協議会へ反映させるものとしており、この協議会で関係自治体の同意を取りまとめるものではございません

開催実績はございませんが、今後開催された場合には、区の考えをしっかり伝えるべきと考えております。

吉田「『地元にこれだけに根強い反対があります』ということをちゃんと言って」

羽田の国策としての考え方、そもそもそれほど羽田の品川上空を通るルートが国策としてそれほど貢献してないということを考えれば、やっぱりこれも国に申し入れるときにも、それはちゃんと品川区の見解として伝えていただきたいということなんですけど、改めて見解を伺います。

それから地元の同意の考え方です。「区の意見をちゃんと伝えていく」っていうふうに仰いましたけれども、「その区の意見の中に、地元にこれだけに根強い反対があります」ということをちゃんと言ってくださるんですか、ということをお聞きしています。改めてお答えいただきたいと思います。

部長「随時国に対して直接伝えている」

私からは羽田空港の再質問についてお答えいたします。

まず、国の計画としまして、羽田空港の効率は決して比率としては高くないというところでございますが、これは国からの説明として、両空港が代えがたいそれぞれの、他には代えがたい機能を有しているという考えを示されたところでございますけれども、ただ区民の皆様からの様々な意見がございまして、そういった、いま議員からの同様の意見もございます。

こういったものについては、しっかりと国に対して日ごろから伝えているところでございます。

また、この協議会における区の意見として、区民の声をどう捉えるかということにつきましても、これも地域からの声、日々いただいているなかで、随時国に対して直接伝えているところでございます。

この都が主催する協議会等の会議におきましては、区としても必要な意見は申していかなければならないと考えていますけれども、区民の皆様の声は直接国に対して区として、区の責任において、しっかりと伝えているものでございます。

吉田「(都主催の連絡会で)「地元にはこれだけ根強い反対があるということをきちんと伝えて」

1点だけ再々質問いたします。最後の羽田の件についてです。

国に区民の意見を伝えて下さるであろうということは信じております。

私が伺ったのは、これから開かれようとしている連絡会のなかで、「地元にはこれだけ根強い反対があるということをきちんと伝えて下さるんですか?」ということを伺っていますので、その辺を明確にお答えいただければと思います。以上です。

部長「しっかり伝える所存」

東京都が開催する協議会におきましては、しっかりと区としては意見を伝えてまいります。
また、まだ開催の実績はございませんけれども、しっかり伝える所存でございます。

ただ、その内容につきましては、これはまず区民の皆様からの声を直接個別具体に伝えるというところではなく、様々な意見がございますので、こういったものをしっかりと要旨をまとめたうえで、東京都の方へは伝えます

ただ、この開催はされておりませんけれども、これは各区の意見を取りまとめるというものではないというものでございますけれども、しっかりとそのなかでの発言はしてまいりたいというふうに考えております。

雑感

石田ちひろ議員の質疑

「二枚舌」とか「隠蔽」といった、かなりキツイ表現で区長を批判しておきながら、区長ではなく都市環境部長に答弁を許したのはなぜか?

「二枚舌」「隠蔽」の批判の対象は区長なのだから、区長からの答弁を受けるのが筋ではないのか。

石田秀男議員の質疑

登壇してすぐさま、水差しからグラスに水を注ぎ、後ろを向いて水を飲む(写真)。

登壇してすぐさま、水差しからグラスに水を注ぎ
最初に喉を潤したいのなら、登壇前に水を飲んでくるべきではないのか(時間の浪費では)。

5期も重ねていると、周りから文句も出ないのであろうか。

あくつ広王議員の質疑

早口である。

会社で役員にあのような早口で説明すれば、一発退場(笑)

吉田ゆみこ議員の質疑

口頭で数字を並びたてられても、サッパリ分からない。文字で読んでも、まだピンとこない。もう少し工夫できなかったのか。
都市環境部長の答弁

「交渉を行ったものではなく、目的も明快だったため、議事録作成の必要がなかった」という説明に納得する区民は多くないだろう。品川区にも”忖度部長”がいることに驚かされる。

都市環境部長は、4名の議員の質疑に対して、区長に代わり全て答弁。9月の区長選挙で、区長が交代になったら、忖度部長の立場は……。

全体の印象

4名の議員の質疑に対する忖度部長の答弁は、次のように総じて国にお任せ状態。

  • 引き続き国に強く求めてまいります
  • 今まで以上に強く国に求めてまいります
  • 今まで以上に強く国に求めていく必要がある
  • 早急に具体策を示すよう、引き続き国に申し入れていく

区から国への要請を強調しているだけでは、問題の先送りにしかなっていないのではないのか。

議員は、区独自の取り組みを提案してもいいのでは。

たとえば、区民アンケートを行い羽田新飛行ルート問題の認知度を把握するとか、区主催で教室型説明会を実施するとか、やるべきことはいくらでもあると思う。まあ、できない理由を忖度部長から聞かされることになるのかもしれないが。

 

  • マスメディアが取り上げなければ、羽田新飛行ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。
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2019年6月1日、このブログ開設から15周年を迎えました (^_^)/
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