北朝鮮の核実験や中距離弾道ミサイル「火星12」やICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星14」などで国際情勢が不安定化し、いよいよ日本でも個人向け核シェルターの需要が高まるのか……。
米国製の個人向け核シェルターの製品・価格情報をまとめてみた。
個人向け核シェルター、米から海上輸送(日経記事)
北朝鮮の核実験などで国際情勢が不安定化しており核シェルターの需要は高まっている。実際に海外から輸入する例は極めて珍しいという。
個人向け核シェルター、米から海上輸送 エーアイテイー
国際混載輸送のエーアイテイーは米社が受注した個人住宅向けの核シェルターを国内へと海上輸送する。国内の建築会社と不動産会社が1つずつ展示用に購入した。北朝鮮の核実験などで国際情勢が不安定化しており核シェルターの需要は高まっている。実際に海外から輸入する例は極めて珍しいという。
輸入住宅などを手掛けるアンカーハウジング社が販売する小型シェルター2つをエーアイテイーが初めて海上輸送する。9月中旬にカリフォルニア州ロングビーチ港を出航し、10月5日に博多港に到着する見通し。その後、鹿児島県の建設会社などに届けられる予定だ。核シェルターの価格は輸送費込みで1500万円という。(以下略)
(日経新聞 10月2日)
米国製の個人住宅向け核シェルターの輸入販売を手掛けるアンカーハウジング社。すでに13棟の注文が入っているという社長のコメントを『NEWS23』が伝えている。
A社製品「BombNado」価格情報
アンカーハウジング社が運営している防災シェルターの販売ページには、3つのタイプの製品の間取り図が掲載されている。
同販売ページには価格情報が全く掲載されていないので、製品販売元と思われる米国のメーカーのサイト「BombNado」をひも解いてみた。
同サイトには5つのタイプの製品の間取り図と価格が掲載されている。
- ※下記価格(1ドル112円換算)は、空気清浄機、LED照明を含む製品価格。設置費用、輸送費用は含まれていない。
また、折り畳み可能な二段ベッド、折り畳み式ソファ、トイレ、洗面化粧台、薄型テレビ、ソーラーバッテリーなども価格には含まれていない。 - ※下記間取り図は、筆者が作成したイラスト。
1~2人用、食料保存期間6か月
2.4×2.4m(2,128万円)
3~4人用、食料保存期間8か月
2.4×3.0m(2,240万円)
3~4人用、食料保存期間12か月
2.4×3.7m(2,688万円)
5~6人用、食料保存期間12か月以上
2.4×4.9m(3,696万円)
7~8人用、食料保存期間12か月以上
2.4×6.1m(3,920万円)
B社製品「RISING S BUNKERS」価格情報
テキサス州に本社を置くRISING S社が販売している核シェルターは下記のとおり、サイズ・種類とも「BombNado」の製品よりも豊富(個人向けだけでなく、企業用も含む)。
※下記価格(1ドル112円換算)には、運搬費と設置費用は含まれていない。A社製品「BombNado」と違い、空気清浄機やLED照明だけでなく、ベッドや棚、トイレなども含んだ製品価格。
- 2.4x3.7m(ミニ・シェルター)442 万円
- 3x6m(標準シリーズ|ベースモデル)655 万円
- 3×6m(標準シリーズ|アップグレードモデル)734 万円
- 3×9m(標準シリーズ|ベースモデル)834 万円
- 3×9m(標準シリーズ|アップグレードモデル)902 万円
- 3×12m(標準シリーズ|ベースモデル)958 万円
- 3x12m(標準シリーズ|アップグレードモデル)1,070 万円
- 3x15m(シルバーリーフシリーズ|サイドエントリー)1,462 万円
- 3x15m(シルバーリーフシリーズ|隠れ家)1,372 万円
- 3x15m(フリーダムシリーズ|邸宅)1,781 万円
- 3x15m(フリーダムシリーズ|パイオニア)1,781 万円
- 6x6m(提督シリーズ)1,747 万円
- 6x15m(提督シリーズ)3,226 万円
- 223m2(エクストリームシリーズ)4,469 万円
A社とB社の製品価格の比較
A社製品「BombNado」とB社製品「RISING S BUNKERS」を比較してみた。
横軸を室面積、縦軸を製品価格で描いたのが次のグラフ。
ザックリいうと、室面積10m2程度でA社製品(BombNado)300万円、B社製品(RISING S BUNKERS)500万円。B社のほうが高いのは、製品価格にベッドや棚、トイレなどの価格も含まれているためと思われる。
核シェルター本体の製品価格は300~500万円(室面積10m2)。それほど高いものではない。
冒頭の日経記事では、「核シェルターの価格は輸送費込みで1500万円」とされていた。米国からの海上輸送費(保険などを含む)のほか、国内の運搬費、現地での据え付け費、据え付けるための土工事、試運転調整費などを含めると、1千万円を超えるということなのだろう。もちろん、国内代理店の経費も含まれている。