住宅評論家の櫻井幸雄氏著『買って得する都心の1LDK 借りるのは「負け組」』毎日新聞出版 (2017/7/26)。
マンションを購入するか否か悩んでいる独身者にとって、背中を一押してくれる1冊!?
シングルマンション・ブームが起きる前に買え
賃貸より分譲マンションがいいという。
賃貸から分譲に移れば、耐震性やセキュリティーの質が上がります。断熱性、遮音性も高いので、賃貸物件によくある、いろいろな不安、不満がなくなるといったメリットもあります。(P4)
2017年から数年は、シングルマンションブームが起きる可能性があるので、買い手市場の今がチャンスらしい。
これから東京五輪まで、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌など大都市部では、1 LDKの分譲マンションが増え、購入者が増えるでしょう。つまり、1 LDKブームが起きる可能性があります。
(略)しかし、今はまだブームは起こっておらず、「徐々に1LDKの売り物が増えている」だけ。つまり、まだ買い手市場です。(略)チャンスを逃す逃さないよう、(本書を)急いでお役立てください。(P4-5)
この前書きを読んで、マンションを購入するか否か悩んでいる独身の方は、「買ってみようかな」という気になってこないか。
借りるより買ったほうがだんぜん得
マンションを購入するか否か悩んでいる独身者は第1章を読むといい。購入のメリットがてんこ盛りだから、不安が解消されるかもしれない。
賃貸のメリットは、「賃貸の長所は身軽なこと」くらしか書かれていない。
↓「第1章 借りるより買ったほうがだんぜん得」の小見出し
- じつは、割高な単身用賃貸の家賃
- 超低金利の住宅ローンが、儲けを生む
- 投資目的では利用できない、超低金利の住宅ローン
- 一人暮らし用1LDKは、限られた時期にだけ出るお宝物件
- 1LDKなら資産価値が上がりやすい
- 買うなら、ワンルームより1LDK
- 1LDKで通勤地獄から解放される
- 一生シングルだとしても、勝ち組に
- 「銀行に寝かすより、都心マンション」という金持ち発想を見習うべし
- 賃貸の長所は身軽なこと
- 「賃貸なら、不動産の値下がりリスクがない」はホントか?
- 「賃貸なら、大災害リスクがない」はホントか?
- 雨が降ったら、下駄を懐に入れ、裸足で駆け出す日本人
- 賃貸派の多くは、公共賃貸利用者
- 大学生の住まいとしてマンションを買うメリット
実践的な内容も豊富
「実需層向け1LDFと投資用1LDKはこうして見分ける」(P114)など、実際にどのように選べばいいのかなど、実践的な内容も豊富。
↓「第3章 住んでよし、売ってよしの1LDK―建物の見極め」の小見出し
- 基本は投資目線で、でも建物はアンチ投資目線
- 実需層向け1LDKと投資用1LDKはこう見分ける
- 都心マンションでも、油断大敵
- 使用されているコンクリートの強度で建物の寿命が分かる
- コンクリートは、24ニュートン以上が長持ちする目安
- 資産価値を左右する外観と緑
- 外壁はタイル張りかコンクリート打放しが最高ランク
- エントランスが素晴らしい実例
- 敷地内の樹木は”七難隠す”
- オートロックは、居住者にやさしいものが二重丸
- 一人暮らしだからこそ、セキュリティ体制をチェック
- 小規模でも安心・安全なマンションもある
- ストーカー被害の防止効果が期待できる「顔認証システム」も
- やはり気になる大災害への備え
- 免震構造以外の新工夫も
- 特に力を入れている「停電対策」
- 安心感が大きい「飲み水」と「トイレ」の確保
- 絆の育成にも力を入れている
本書の構成
全4章、221頁。
- 第1章 借りるより買ったほうがだんぜん得
- 第2章 選んで得する1LDK―立地編
- 第3章 住んでよし、売ってよしの1LDK―建物の見極め
- 第4章 住み心地のよい1LDK―一人暮らしだからこそ、この選択眼、この着眼点が大切
この先もずっと独身状態が続くのかとか、経済的な余裕の有無は人それぞれ。1LDKを購入するかどうかは、その人の状況によって異なると思う。
本書では、結婚した当初は二人で暮らし、子供が生まれ狭くなったら中古として売却して2LDKか3LDKに買い替えるとしている。都心で駅チカの1LDKならば値下がりしにくく、値上がりしている可能性があるので、売約することで次に買う家の頭金ができる……。
最終的な判断は自己責任で。