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羽田新ルート「固定化回避」巡り、三つの動きが同日に──区長要望、公明党直談判、区議会説明会

羽田新ルートを巡る政治の駆け引きが、7月31日に動いた。

森澤品川区長が中野国交相を訪問し、「海上ルート」実現を要望。また、公明党の都議・区議団も具体策を求めて国交省を直撃した。

区民の「静かな空」を取り戻す道筋は見えるのか――一連の動きを整理しておく。

※初投稿2025年8月3日(追記2025年8月4日)


もくじ

森澤区長、中野国交相を直撃

森澤篤区長が7月31日、中野洋昌国土交通大臣を電撃訪問した。目的は、羽田新飛行ルートの運用見直し、「海上ルート」実現に向けた要望のためである。

「海上ルート」など、羽田新飛行ルートの運用見直しについて国土交通大臣に面会・要望

森澤区長が7月31日(木)に中野国土交通大臣を訪問し、羽田新飛行ルートに関して要望を行いました。

面談の中で森澤区長は「令和5年12月に全区民アンケートの結果を国土交通大臣へ届けた際、大臣からは「重く受け止める」との回答を得ている。」、「本年中開催とされている第7回固定化回避検討会を早期に開催し、いわゆる海上ルートの実現に資する方策など、区民負担軽減につながる具体的な方策の提示とその実施を早期に行うよう求める。」と要望し、大臣からは「要望を受け止めて、地域の皆様の負担軽減に取り組んでいく」との発言を得ました。

品川区HP 2025年7月31日

公明党議員団も中野国交相に要望書を提出

同じ7月31日、公明党の都議・区議団も国交省を訪れ、中野大臣に「固定化回避策の実施」を要望した。

訪問したのは、公明党品川総支部の伊藤こういち都議(品川区選出)と区議会議員6名。

国交大臣へ羽田新飛行ルートの具体的な固定化回避を要望

公明党品川総支部の伊藤こういち都議会議員と区議は令和7年7月31日、国土交通省で中野洋昌国土交通大臣に面会し、「羽田新飛行ルートの具体的な固定化回避策の実施を求める要望」を行いました。

昨年12月24日に開催された国交省の「第6回固定化回避検討会」で具体策が示されなかったことに対し、品川区を含むルート直下の住民・自治体から大きな失望や落胆の声が上がっていることを示し、具体的に次の3点を要望しました。

  • 「第7回 固定化回避検討会」は2025年中の早い時期に開催し、海上ルートの実現や騒音負担の軽減の具体的方策について、ルート直下の住民と品川区を含む関係自治体に対し、早期に方向性を示すこと。
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業等が進めている、更なる騒音軽減等に資する研究成果については、航空会社等と連携のうえ、機材への導入に向けた取り組みを着実に進めること。
  • 都心の居住地域上空を飛行しない海上ルートについて、空港施設の改善などハード、ソフトの両面から前向きに検討を進め、早期に実現されるよう取り組むこと。

中野大臣は「地元の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。第7回検討会は年内開催を目指しています。JAXAや民間航空機メーカーの研究協力を得ながら、騒音のさらなる負担軽減と海上ルート実現に向けて調査・検討を進めてまいります」と応えました。

公明党品川総支部として羽田新飛行ルートの固定化回避に向けて、これからも粘り強く働きかけてまいります。

公明党品川総支部 2025年8月1日

国交省、品川区議会に説明会

同日午後、品川区議会では国交省による「固定化回避検討の説明会」が実施された。議員37名のうち28名が出席(9名欠席)。要望のタイミングと説明会の開催が一致したのは偶然か、それとも仕組まれた連携か――。 

7/31㈭午後、国交省による品川区議会への #羽田新ルート の固定化回避「検討」の説明会。28名が参加。
「特定した飛行方式」RNP-ARも実現に必要な機材更新に20~30年かかる。Aルートは市街地の上は避けられない。海上ルートを口にするも実現は雲を掴むような話。時間稼ぎの事実上「固定化」は明白です

国交省、品川区議会に説明会

安藤たい作氏(2025年8月2日 POST)

雑感

羽田新ルート「固定化回避」巡り、三つの動きが同日に──区長要望、公明党直談判、区議会説明会

森澤区長の電撃訪問、記念撮影に終わらせるな

森澤区長の動きは、どこか既視感がある。昨年12月には、斉藤国交相(当時)にも要望書を手渡している。今回の中野国交相訪問も、秋の本会議質疑に備えた“記念撮影”で終わらせてはならない。

公明都議、中野国交大臣(公明)から言質を得る

一方、公明党はどうか。伊藤こういち都議は、公明区議を引き連れて(写真から察するに、金野孝子区議は欠席か)中野大臣に要望を突きつけた。だが、そもそも「固定化回避」という曖昧な言葉を都議会で最初に持ち出したのも、2018年の伊藤氏である。以降、この言葉を掲げて選挙を勝ち抜いてきたのが公明党だ。

「固定化回避」という言葉は、羽田新ルートに伴う騒音被害を受けている住民に対し、あたかも“未来の解決策”があるかのような期待を抱かせてきた。しかし実際には、その道筋は見えていない。

だが今回、中野大臣から「海上ルート実現に向けた調査・検討」の発言を引き出したのは、公明党にとっても一定の成果である。あとはこの言質を、実効性ある政策へとつなげられるかが問われる。

【追記】「JAXA」は、「固定化回避」に代わる新たな時間稼ぎワード!?

※追記2025年8月4日

公明党の都議らが今回、国土交通省に提案したのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の騒音軽減技術の活用だ。JAXAが進めている「騒音軽減等に資する研究」とは、具体的にどのようなものなのか。

JAXAは、2015年に開始したFQUROH(Flight Demonstration of Quiet Technology to Reduce Noise from High-lift Configurations、ふくろう)プロジェクトの成果を基に、後継のFQUROH+プロジェクトを推進している

このプロジェクトは、着陸進入時に発生する機体騒音、特に高揚力装置(フラップやスラット)や降着装置(主脚など)由来の空力騒音を低減する技術を、旅客機に適用可能なレベルまで成熟させることを目標としている。具体的には、数値解析や風洞試験、飛行実証を通じて、スラットやフラップの設計最適化や低騒音化デバイスの開発を進めている。

ただ、航空機の更新には20~30年かかるとされていることから、FQUROH+の成果によって、羽田新ルートの騒音問題が解決されるのはまだまだ先ではないのだろうか。

したがって、公明党が今回持ち出したJAXAの騒音軽減研究は、「固定化回避」に代わる新たな時間稼ぎのキーワードに過ぎないのではないか

あわせて読みたい

2023年6月の第2会定例会本会議の代表・一般質問を最後に、森澤区長は答弁を部下に丸投げし続けている。

2025年6月1日、このブログ開設から21周年を迎えました (^_^)/
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