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参院「国土交通委員会」杉尾秀哉議員(立憲)『管制官の欠員問題』

第217回 国会参議院「国土交通委員会」(25年4月17日)において、杉尾秀哉議員(立憲)により、最近の航空機の安全上のトラブルや航空管制官に係る質疑があった。

ネット中継録画をもとに、テキスト化(約6,000文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※「局長」とあるのは、平岡航空局長のこと


杉尾秀哉 参議院議員(立憲)

杉尾秀哉 参議院議員(立憲)
杉尾秀哉 参議院議員(立憲民主党、当選2回、元TBS報道局記者、東大文学部卒、67歳)

【1】最近の航空機の安全上のトラブルを受けた国土交通省による対策の実施状況

杉尾:トラブル頻発、国交省としての対策の実施状況?

羽田空港の問題が出てきたので、その流れで、ちょっと羽田空港の関係で去年の衝突事故、海保機の乗員の方が残念ながらというか、本当にお亡くなりになって、これ本当に極めて深刻な事故であります。


ただ、JAL機の方に、けが人等の怪我された方いらっしゃいますけれども、死者が出なかったというのは、まあ不幸中のなんとかであるかもしれません。いずれにしても、だけどこの事故というのは、極めて示唆が多いというふうに思うんですね。この事故を教訓にして航空法の改正が、この度出されております。


これから審議をされますので、この後になると思いますけれども、この航空法の関係を抜かして、私、この管制の問題、航空管制と管制官の問題を、いくつか聞いてみたいんですが、去年の1月の事故の後も、この管制をめぐる、これは羽田以外ですけれども、安全上のトラブルが頻発をしておりました。


例えば、去年の2月アメリカのサンディエゴ空港、それから5月に福岡空港、いずれも日航機が滑走路手前の停止線を超えてしまった。事故には至っておりませんけれども、これも極めて重大な事案です。


そして11月には新千歳空港で貨物機が着陸許可を得て滑走路に向かう途中で、工事車両がその滑走路の方に進入してしまったと、こういう事案もありました。

これも事故には至っておりませんけれども、本当、あわや事故が起きてもおかしくない。こうした事案が続いた原因、またそれを踏まえた国交省としての対策の実施状況、これどうなってますか。

局長:管制業務の実施体制の強化など、着実に推進

平岡成哲 航空局長
平岡成哲 航空局長(東大法卒、1989年旧運輸省入省、58歳)

ご指摘の事案につきましては、関係当局において原因を調査中のものもございますけれども、いずれの事案につきましてもヒューマンエラーが関与しているものというふうに認識しております。


個別の事案につきましては、たとえば基本的事項の徹底であるとか、あるいはJALの案件につきましては、様々なトラブルが続いたということがございまして、厳重注意をした上でJALにおきまして安全システムの総点検、再構築というのを今行っているというところでございます。


また、国土交通省では昨年6月に公表されました「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」の「中間取りまとめ」を踏まえまして、滑走路誤進入に係る注意喚起システム強化、管制業務の実施体制の強化など5本柱の取り組みについて着実に推進しているところでございます。


具体的には、例えば主要空港におきまして、昨年10月末より管制官に対する注意喚起システムのアラート機能を強化するとともに、昨年10月より滑走路状態表示灯を対象滑走路に導入すべく、その工事に着手をしたところでございます。また今年度より離着陸調整担当の管制官を配置したところです。さらに今年度中に滑走路進入車両に位置情報等送信機を搭載する予定でございます。


これらの対策は、ヒューマンエラーを原因とすると思われるご指摘のような事案にも効果的なものであるというふうに考えているところでございます。

【2】過去15年間の航空管制官の定員及び管制取扱機数の推移

杉尾:過去15年間の管制官の定員?

いずれもヒューマンエラー、やっぱり管制トラブルというのは基本的にヒューマンエラーということで、確か、史上最悪の飛行機事故っていうのはどこだったかな、スペインのなんとか諸島で、ジャンボ機とジャンボ機が、カナリア諸島だったかな、ジャンボ機とジャンボ機が衝突をして800人ぐらい亡くなったという、あれが史上最悪の事故だった。あれも管制ミスです。


だいたい飛行機事故の半数以上はヒューマンエラーだというふうに言われておりますけれども、じゃあそのヒューマンの部分がどうなのかということで、管制官なんですが、今、去年の6月の中間取りまとめの話もありましたけれども、人的体制の強化拡充というのが課題に掲げられております。


そこで伺いますが、過去15年間の管制官の定員、あくまで定員、実数じゃなくて定員の推移と航空交通管制の取扱機数の推移、これどうなってますか、説明してもらえますか。

 

局長:平成22年度末定員1,952名が、令和6年度末2,051名

まず、管制取扱機数の方からでございますけれども、過去15年間ということでございましたので、平成22年でございますけれども約500万機であったのに対しまして、令和6年は約700万機というふうに増加をしているところでございます。


管制官の定員につきましては、これまでも1人当たりの業務負担が課題とならないよう適切な体制を確保すべく、システムの高度化など業務の効率化を図りつつ増員を行ってきたところであります。


管制取扱件数が平成22年と令和6年の数字でございましたので、管制官の定員につきましても、平成22年度末の定員でございますけれども、これは1,952名であったということでございますが、令和6年度末は2,051名というふうになってるところでございます。


引き続き、将来的な航空需要の増大に対応しつつ、滑走路上の安全・確保に必要な体制の維持充実を図るため、管制官の人的体制の強化拡充を含め、空港の安全安心の確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

杉尾:羽田は世界一忙しい空港、実態は?

今、説明いただいたものをお手元に資料として配りました。交通管制取扱い機数、確かに22年は5,040で、ここから着実に増えていったんですが、令和2年のコロナでガクンと減りまして、令和3年も横ばいだったんですが、ここからコロナ後の回復が著しくて、令和6年は過去最高の7,282機と、こういうことになっております。このままの伸びでいったら、大変な数になると、こういうことです。


一方、保安業務にかかる定員の推移ということで、保安業務全体は減ってるんですけれども、今、「増えてる」というふうにおっしゃいましたが、これは管制官です。この赤枠で囲ったところ。これは横ばいですね。横ばい、完全に。これはもう増えてるとは到底言えません。こういう状況ですね。本当にこれで大丈夫なのかということであります。特に羽田は世界一忙しい空港というふうに呼ばれておりますけれども、実態はどうなってるんでしょうか。

局長:世界的な順位で言うと18位

羽田空港につきましては、確かにご指摘の通り、混雑している空港ではございますけれども、世界一離着陸回数が多いかというと、そういうことではございません。

2022年のデータでございますけれども、世界の主要空港における離着陸の回数で比較いたしますと、アトランタ空港が72.4万回ということでございまして、羽田空港につきましては38.8万回ということで、世界的な順位で言うと18位ということになってるというところでございます。

杉尾:1人の管制官が7機監視、羽田では常態化?

世界一というのは言い過ぎかもしれませんけれども、ただ羽田というのは敷地が全然広くなくて、アトランタ空港、私も行ったことありますけど、全然敷地の大きさ違いますよ。

それからつい先週ですけれども、イスタンブール空港行ったんですね。今5本あるんですよ、滑走路が。あそこ、最初に何もないところに、5本の滑走路いきなり作って、さらに8本増やすらしいんです。もう本当、広大な敷地でありました。


それを考えると、あそこに4本、ABCDがちょうど井桁状に並んでいて、これ4本の滑走路を駆使して40秒に1回の発着なんでしょ。しかも2010年には年間30万回が、24年ですね、49万回ということで、1.5倍ぐらいに増えてるわけですよ。


去年の事故の時の報告書を見ましたけれども、この事故機を担当していた管制官というのは、一度に5機を担当してた。一度に5機を担当してて、そのうちの1機が事故機です。この5機を担当して、他に2機を監視してたということで、全部で1人の管制官が7機みてた。これは羽田では常態化してるんですか。

局長:管制官1人当たりの取り扱い機数、なるべく多くならないように適切に対応してきている

羽田空港につきましては、4本の滑走路ということで、井桁状になっておりまして、これは風向きに応じて効果的に使用しながら、国際基準に則り、航空機の十分な間隔と安全が確保できる範囲内の容量で運用しているということになっております。


基本的に滑走路はそれぞれ別の管制官が担当するということになっておりまして、滑走路1本あたりでは概ね2分に1機が離着陸をしていると、こういう状況でございます。

先ほどご指摘いただきました経過報告の中におきまして、「7機担当していた」ということでございますけれども、確かに混雑時には1人の管制官が誘導路に並ぶ航空機、こうしたものも含めまして7機担当するということもございます。


しかしながら、これまでも増便に対応すべく管制官の増員等の体制強化を図ってきており、管制官1人当たりの取り扱い数は必ずしも増加していないというふうに考えております。

着陸回数が2004年から2023年にかけて1.5倍となっているところでございますけれども、管制官の定員につきましては2004年から2023年までに1.6倍ということでございまして、管制官1人当たりの取り扱い機数が多くならないように、なるべく多くならないように適切に対応してきているところでございます。

【3】航空管制官採用試験の申込者数が近年減少傾向にある状況の原因と増加へ向けた対策

杉尾:管制官、さらなる体制の強化・拡充に向けた取り組み?

「なるべく多くならないように適切に対応」という表現でしたけれども、本当にそれでいいのかということなんですが、先ほどお配りしたその管制官なんですけどね、令和7年が2,072人の定員ですが、実際には2,072人いないんですよね。

去年の6月の時点では113人が欠員だったと、こういうふうに聞いております。この欠員も埋めようとされてるみたいですけれども、これが現在どういうふうになってるのか。また、さらなる体制の強化・拡充に向けた取り組み、これどうなってますか。

局長:航空保安大学校の採用数の拡大、元管制官の中途採用など

管制官につきましては、航空の安全確保に欠かせない役割を果たしており、航空需要の増加に対応した必要な体制を確保するため、これまで新規配置の必要性や退職者数など勘案しながら計画的な採用・育成を進めてまいりました。


近年、育児休業あるいは中途退職などによりまして、管制官の欠員が令和7年1月には84名というふうになりましたけれども、その後、航空保安大学校の採用数の拡大、これは令和6年12月より年間ベースで84人から120名まで増やしているということでございまして、年間あたり36名増ということでございます。

また、元管制官の中途採用などに取り組んでいるところでございまして、今後は減少する見込みとなっております。引き続き、滑走路上の安全確保に必要な体制の維持・充実を図りつつ、航空の安全に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

杉尾:管制官の志望者数が減、原因と対策?

縷々努力はされているようですけれども、未だ欠員を埋めるには至って、完全には埋めるには至ってない、こういうことなんですよね。


ちょっと心配なのが、管制官の採用試験の申し込み者数が2013年から2023年の10年間で半分に減ってるんですね。2013年は1,400人いて87人の合格者だったんですが、2023年はちょうど半分の795人の申し込み者に減ってまして、合格者数はほぼ同じ94ってことで、倍率は依然高いんですけれども、やっぱりこの管制官の志望者数が減っているというのも、これも相当に深刻だというふうに思います。これ、原因と対策どうなってますか。

局長:引き続き採用活動や情報発信

委員ご指摘の通り、管制官の採用試験の申し込み者数でございますけれども、平成27年度から令和6年度にかけて約26%、約280名減少しているというところでございます。

一方で、比較でございますけれども、国家公務員全体の志願者数は同じ期間で約29%減少しているということでございまして、管制官の志願者数も同様の傾向であるというふうに考えているところでございます。


国土交通省におきましては、管制官の志願者の増加を図るため、全国各地の大学に赴きまして管制官の魅力を直接学生に伝える活動であるとか、あるいはSNSを通じた魅力の発信などに取り組んでいるところでございます。


管制官は空の安全・安心を守る最後の砦であり、グローバルな人流・物流を支える不可欠な存在であると考えております。そのやりがいと魅力を1人でも多くの若者に知ってもらい、熱意を持った優秀な人材を確保するため、引き続き採用活動や情報発信に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

杉尾:大臣、今度空の安全、管制の立場からどう守るか?

「公務員と同様の傾向」というふうにおっしゃいましたけど、公務員は7.9倍が4.5倍に下がっただけ。下がっているんですけど。管制官は16.5倍が8.5倍に下がっていて、これ落ち方が激しいんです。


最後に、大臣に伺います。
私は過去、日航の大阪事故もそうでしたし、83年の羽田の日航機の滑走路の手前に落ちた事故も、全部こういう航空機事故は現場で取材をしてるんです。本当に航空機事故、いろんな本も読みましたけれども、先ほどから何度も何度も言っているように、やっぱり基本的にはヒューマンエラーなんですよ。もちろんテクニカルなものもあるけれども。


今、インバウンドを2030年に6,000万人を目指してるわけでしょ。去年が3,700万人で、これは大多数がやっぱり航空機で入ってくるわけなので、こういう航空管制の人員と体制で本当にこの6,000万人が、達成が大丈夫なのかということも含めて、最後に大臣に、今度空の安全、管制の立場からどう守るか、これ聞かせてください。これが最後です。

大臣:安全・安心の確保に向けた取り組み進めてまいりたい

中野洋昌 国交大臣
中野洋昌 国交大臣(公明党、当選回数5回、東大教養卒⇒コロンビア大院卒、47歳)

委員ご指摘の通り、政府目標インバウンド6,000万人を達成するという意味では、首都圏空港をはじめとして全国の空港の機能向上というのは当然測る必要がございます。

このため、羽田・関西国際空港等においては飛行経路の見直し等により発着枠の増加、そして本年3月20日には福岡空港の2本目の滑走路の供用の開始。そして、成田空港においては今、滑走路の新増設などさらなる機能強化を進めているというところでございます。


先ほど局長も答弁させていただいておりますけれども、航空需要の増大に伴い、やはり管制官の一人当たりの業務負担が過大とならないよう、適切な対応を確保すべく増員については図らせていただいたということは答弁もさせていただきました。


引き続き、滑走路の安全確保に必要な体制の維持・充実というのは大変重要でございます。人的体制の強化・拡充を含め、安全・安心の確保に向けた取り組み進めてまいりたいと考えております。

杉尾:ありがとうございました

すみません、鉄道ネットワークの関係、ちょっと時間が足りませんでした。失礼しました。ありがとうございました。

雑感(安全・安心は確保できるのか…)

インバウンドで機数が増加している一方で、管制官の育児休業や中途退職などが増加傾向。また、管制官の採用試験の申し込み者数が2013年から2023年の10年間で半分に減っている。

将来にわたって安全・安心が確保できるのかどうか、心配な状況だ。特に、混雑している羽田新ルート。

これはもう、管制業務にAIを積極的に導入するとか、外国人人材を採用していかないと、安全・安心の確保はままならないのではないのかと素人ながらに思ってしまう。

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2025年6月1日、このブログ開設から21周年を迎えました (^_^)/
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