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重要施設周辺等における外国人の土地取得規制、再質問に対して実質ゼロ回答(政府答弁)

第217回国会(25年1月24日~6月22日)の参議院の質問主意書を眺めていて、外国人の土地取得規制に関する質問主意書に対する再質問書があることに気が付いた。

神谷宗幣 参議院議員(参政党)が4月2日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成。

※時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

神谷宗幣 参議院議員(参政党)

神谷宗幣 参議院議員(参政党)
参議院 財政金融委員会 24年12月19日動画より)

神谷宗幣 参議院議員(1期、参政党、元高校講師、元陸上自衛隊・予備自衛官三等陸曹、関大法科大学院修了:法務博士、47歳)

私が第217回国会に提出した「土地利用状況に関する報告を踏まえた安全保障と外国人土地取得規制に関する質問主意書」(第217回国会質問第1号。以下「本件質問主意書」という。)に対する答弁(内閣参質217第1号。以下「本件答弁書」という。)では、「重要施設の施設機能及び国境離島等の離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する基本方針」(令和4年9月16日閣議決定。以下「基本方針」という。)において、「「どのような行為が機能阻害行為となるのかという点について、一定の予見可能性を確保しておくことも重要」であることから、機能阻害行為を例示したもの」にすぎず、「機能阻害行為に該当するか否かについて、「個別具体的な事情に応じ、適切に判断する」」としている。この点について、政府が実際に厳格な判断を行うことが期待される。

一方、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(以下「同法」という。)において注視区域を重要施設の周囲おおむね千メートルの区域内と定めている根拠については「予見可能性の確保や過度な負担防止の観点から、施設からの一定の距離で範囲を設定していくことが適当である」としている。

しかし、科学技術の進展を受け、高台からの観測やドローン、高性能カメラの利用、レーザー照射、電波妨害等の多様な手法により、千メートルを超える距離からであっても機能阻害行為は実施可能であると考えられることから、千メートルとする合理的な根拠が示されるべきである。


また、同法附則第2条において「政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と定められているが、外国人・外国系法人による土地取得が増加しているという緊急の課題を考慮すると、5年を待たずに早期に検討を開始し、法改正や新たな対策を講ずるべきである。

さらに、「「外国資本による土地取得」の規制」に関して、本件答弁書は、令和2年11月9日の第1回国土利用の実態把握等に関する有識者会議での議論を引用し、「外国資本等の定義は難しく、仮に、外国資本等だけを対象にすると、いわゆるダミー会社等を捕捉できないおそれもある」としている一方で、令和6年12月に公表された「重要施設周辺等における土地等の取得の状況(令和5年度)について」では、外国系法人(外国法人、及び内国法人であって外国籍を有する者又は国外に居住する外国人と思われる者が代表者となっているもの)による土地取得が具体的に調査され、公表されている。

外国人・外国系法人による「注視区域」内の土地の取得面積
重要施設周辺等における外国人の土地取得規制」より


このように、重要施設周辺等における土地の取得主体に関する調査機能を強化することにより、ダミー会社を含む不透明な土地の取得を明らかにすることが可能となり、調査機能の更なる強化が期待される

また、土地等の取得後における機能阻害行為に対しても、外国人・外国系法人だけでなく、日本人・日本法人も対象に内外無差別で調査及び規制を行うことで、安全保障上の効果を確保できると考える。


本件答弁書によれば、国土利用の実態把握等に関する有識者会議は、「国土利用の実態把握等のための新たな法制度のあり方について 提言」において、「新しい立法措置を講ずる場合には、内外無差別の原則を前提とすべきである」と提言しているという。しかし、安全保障等の観点からは、土地取得に関しては内外を区別して対応すべきである。

現在、主要国のうち、外国人が自由に土地を取得することができるのは日本とマレーシアだけとされる。このような外国人による土地取得を厳格に規制しない政策は、重要な土地や水源地に対する用途制限がないため、日本の国土が広範囲にわたって外国人の手に渡る深刻な状況を生んでいる

さらに、外国人が無制限に土地を取得できる現状は、外国人自治区の形成や日本人の居住環境の悪化、物価上昇など多くの社会問題を引き起こしている。このままでは、日本の領土の相当部分が外国人に所有される可能性も否定できない

以上を前提に、以下質問する。

問1:機能阻害行為に該当するか否か、判断基準を設けている?

政府は「機能阻害行為に該当するか否かについて、「個別具体的な事情に応じ、適切に判断する」」としているが、具体的にどのような判断基準を設けているのか示されたい。

また、基本方針に例示されていない行為についても、厳格な判断を行う方針であるか明らかにされたい。

答1:一概にお答えすることは困難

前段のお尋ねについては、御指摘の「基本方針」において、機能阻害行為に該当するか否かについて、「個別具体的な事情に応じ、適切に判断する」こととしており、一概にお答えすることは困難である。


後段のお尋ねについては、御指摘の「基本方針」において、機能阻害行為の「類型に該当しない行為であっても、機能阻害行為として、勧告及び命令の対象となることはある」としているところであり、個別具体的な事情に応じ、適切に判断してまいりたい

問2:千メートルの区域内を注視区域、具体的根拠?

同法において、重要施設の敷地の周囲おおむね千メートルの区域内を注視区域として指定することができることとした具体的根拠を示されたい。特に、現代の科学技術を考慮した場合、千メートルを超える距離からも機能阻害行為が可能と考えられるが、この点についてどのように検討したのか示されたい。

また、同法制定過程での議論内容を併せて明らかにされたい。

答2:先の答弁書1についてでお答えした

御指摘の「現代の科学技術を考慮した場合、千メートルを超える距離からも機能阻害行為が可能と考えられる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和2年12月24日に国土利用の実態把握等に関する有識者会議で取りまとめられた「国土利用の実態把握等のための新たな法制度の在り方について 提言」において、「防衛関係施設等の周辺の土地につき、どの程度の範囲まで制度的枠組みの対象とするのかという点に関しては、予見可能性の確保や過度な負担防止の観点から、原則として、施設からの一定の距離で範囲を設定しておくことが適当である」とされたことを踏まえ、政府としては、「予見可能性の確保や過度な負担防止の観点」から、先の答弁書(令和7年2月4日内閣参質217第1号)1についてでお答えしたように、機能阻害行為が「相当に懸念される範囲」として、重要施設の「敷地からおおむね1千メートルの区域を対象とすることとした」ところである。

問3:同法の施行後5年を待たずに法律の見直しを検討する必要がある

重要施設周辺等における外国人・外国系法人による土地・建物等の取得が顕著であることが判明した現状を踏まえ、同法の施行後5年を待たずに法律の見直しを検討する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

また、「必要な措置を講ずる」ための具体的な行程表を示されたい。

答3:適切に検討してまいりたい

※後述(答3&5)参照。

問4:中国人・中国系法人が取得した土地、規制を強化すべき

中国人・中国系法人による土地・建物等の取得件数が極めて多い現状を踏まえ、中国の「国防動員法」及び「国家情報法」も考慮すると、中国人・中国系法人が取得した土地に対して特別な監視、調査、規制を強化すべきと考えるが、そのような方針があるか明らかにされたい。

答4:適切に対応してまいりたい

御指摘の「中国人・中国系法人による土地・建物等の取得件数が極めて多い現状」並びにお尋ねの「中国人・中国系法人が取得した土地に対して特別な監視、調査、規制を強化すべき」及び「そのような方針」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、政府としては、注視区域内における土地等の所有及び利用状況の実態把握を着実に進め、重要施設及び国境離島等に対する機能阻害行為を防止するべく、適切に対応してまいりたい

問5:全国的な土地利用の用途や量的側面、規制を設けるべき

外国人の土地・建物等の取得に関しては、内外無差別の原則だけに依存するのではなく、安全保障を考慮し、全国的な土地利用の用途や量的側面を考慮した規制を設けるべきと考える。


特に、「重要施設周辺及び国境離島等」の区域に限定せず、自衛隊基地・原子力関連施設・空港・港湾・水源地・通信施設周辺など、安全保障に係る他の戦略的地域にも規制対象を拡大すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。

答3&5:適切に検討してまいりたい

御指摘の「外国人・外国系法人による土地・建物等の取得が顕著であることが判明した現状」及びお尋ねの「安全保障に係る他の戦略的地域にも規制対象を拡大すべき」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(令和3年法律第84号。以下「法」という。)第5条第1項に規定する注視区域(以下「注視区域」という。)において、法第6条に規定する土地等利用状況調査を適切に実施しているところであり、土地及び建物(以下「土地等」という。)の所有及び利用状況の実態把握を着実に進めてまいりたい


その上で、法附則第2条において、「政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされていることを踏まえ、適切に検討してまいりたい

雑感(実質のゼロ回答)

外国人が無制限に土地を取得できる現状は、外国人自治区の形成や日本人の居住環境の悪化、物価上昇など多くの社会問題を引き起こしている、というのが神谷宗幣 参議院議員(参政党)の問題意識。このままでは、日本の領土の相当部分が外国人に所有される可能性も否定できないと訴えている。

前回の質問主意書に対して、政府は「適切に対応してまいりたい」と”霞が関文学”で応じていた。

今回の再質問書に対してもまた、政府は”霞が関文学”で応じた。

  • 一概にお答えすることは困難
  • 先の答弁書1についてでお答えした
  • 適切に検討してまいりたい(4回)

神谷宗幣議員の再質問に対して、実質のゼロ回答である。これで日本の領土を守れるのか……。

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