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「経営・管理」の在留資格を悪用した外国人移住の実態「お答えすることは困難」を連発(政府答弁)

第217回国会(25年1月24日~6月22日)の参議院の質問主意書を眺めていて、「経営・管理」の在留資格を悪用した外国人移住の実態に関する質問主意書があることに気が付いた。

神谷宗幣 参議院議員(参政党)が3月25日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成。

※以下長文。時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

神谷宗幣 参議院議員(参政党)

神谷宗幣 参議院議員(参政党)
参議院 財政金融委員会 24年12月19日動画より)

神谷宗幣 参議院議員(1期、参政党、元高校講師、元陸上自衛隊・予備自衛官三等陸曹、関大法科大学院修了:法務博士、47歳)

外国人による「経営・管理」の在留資格や永住権の不正取得が深刻な問題となっている。特に、近年、中国人富裕層が、日本の高品質な医療サービスを低コストで享受するため、日本に会社を設立し、「経営・管理」の在留資格を取得して移住する事案が増えている。


また、日本の公的医療保険制度を利用して高額な医療を受けた後、保険料を滞納したまま帰国するケースも報告されている。産経新聞は2025年3月16日、「「日本に会社」で医療天国」と評し、こうした移住の背景には中国人富裕層に日本への移住を斡旋する業者の存在があると指摘している。


これらの業者は、中国人富裕層に「経営・管理」の在留資格を取得させるため、ペーパーカンパニーを設立し、虚偽の事業計画書や売上報告書を作成するなどして、高額な手数料を徴収しているという。その結果、経営実態のない企業が乱立し、在留資格制度の信頼性が揺らいでいる


この問題は、特区民泊を利用したケースにも及んでいる。読売新聞は2025年2月28日大阪市内で認定を受けた特区民泊のうち、中国人又は中国系法人が運営している施設が41%を占める旨報道した。

また、中国のSNS上では「日本語不要」、「民泊が簡単」などの情報が拡散され、中国人富裕層は、経営実態がないにもかかわらず「経営・管理」の在留資格を取得し、民泊経営は在留資格を得る手段として利用されている。このような状況は、制度の悪用を助長し、地域社会へ悪影響を及ぼすことも懸念される。


さらに、中国国家安全部が、移民を通じて日本の自治体や地域社会に影響を及ぼそうとしているとの指摘もある。中国の「国防動員法」や「国家情報法」では、海外在住の中国人も国家の指示に従う義務を負っており、日本における経済・不動産取引を通じて中国が影響力を拡大する動きが懸念される。


これらの問題に対応するため、「経営・管理」の在留資格要件を厳格化し、法人登記時の実態審査を強化するとともに、バーチャルオフィスを利用したペーパーカンパニーの排除登記後の事業実態の定期確認を導入することが急務である。


また、外国人の公的医療保険加入条件を見直し、社会保障制度の悪用を防ぐ対策も必要である。在留資格の不正取得を仲介する斡旋業者に対する監視体制や取締りの強化、名義貸しの禁止が求められる。さらに、外国人移住が日本の安全保障に及ぼす影響を精査し、国としての監視体制を整えるべきである。

問1:「経営・管理」在留資格を取得不正、摘発された事案?

「経営・管理」の在留資格を取得することを目的として、日本国内にペーパーカンパニーを設立し、虚偽の事業計画書や取引記録を提出する手口が横行している。特に、名義貸しを行う斡旋業者の存在が指摘されており、実際には経営に関与しない外国人が「経営・管理」の在留資格を取得しているケースも確認されている。このような不正について、政府の把握状況を示されたい。

また、これまでに摘発された事案がある場合、その件数を示されたい。

答1:お答えすることは困難

前段のお尋ねについては、「このような不正」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「経営・管理」の在留資格をもって我が国に在留する外国人富裕層が増えており、その中には当該在留資格に係る営業の実態が確認できない事例がある旨の報道があったことは承知している。

後段のお尋ねについては、「摘発された事案」の具体的に意味するところが明らかではないため、「その件数」についてお答えすることは困難である。

問2:(在留資格取得不正)監視・取締体制をどのように強化?

前記問題に対し、政府は斡旋業者に対する監視体制・取締体制をどのように強化する予定か示されたい

特に、在留資格審査の厳格化に加え、不正取得に関与した斡旋業者や仲介業者への規制強化、名義貸しの禁止措置などを検討しているのか示されたい。

答2:お答えすることは困難

お尋ねの「斡旋業者に対する監視体制・取締体制」及び「不正取得に関与した斡旋業者や仲介業者への規制強化、名義貸しの禁止措置」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

問3:登記の形骸化、不正を防ぐ仕組みを強化する考えは?

ペーパーカンパニーが容易に設立できる要因として、法人登記の要件が不十分である点が指摘されている。例えば、バーチャルオフィスを利用した事案、資本金の一時的な払込みにより形式的に登記要件を充足する事案、事業実態を十分に確認しない事案など登記の形骸化が問題視されている。


現行の法人登記制度について、こうした問題を是正するために、実態審査の強化や要件の厳格化を検討しているのか示されたい。


また、法人登記後の事業の実態を確保するために、事業継続状況の定期報告を義務付ける制度を導入する考えはあるか示されたい。さらに、行政機関が登記後の事業活動について抜き打ちで実態調査を実施できる権限を付与し、不正を防ぐ仕組みを強化する考えはあるか示されたい。

答3:不正を防ぐ仕組み、導入することは考えていない

前段のお尋ねについては、「実態審査の強化や要件の厳格化を検討しているのか」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、法務局においては、商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ、取引の安全と円滑に資することを目的とする商業登記法(昭和38年法律第125号)その他の関係法令に基づいて、適切に商業登記及び法人登記に係る事務を行っているところである。


中段及び後段のお尋ねについて、商業登記及び法人登記の申請における審査は、登記簿のほか申請書及びその添付書面に基づいて行われ、登記官は、当該申請に同法第24条各号(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第330条等において準用する場合を含む。)に掲げる事由がある場合を除き、その登記をすることとなるため、お尋ねの「事業継続状況の定期報告を義務付ける制度」及び「行政機関が登記後の事業活動について抜き打ちで実態調査を実施できる権限を付与し、不正を防ぐ仕組み」を商業登記及び法人登記に係る制度において導入することは考えていない

問4:医療目的の不正移住、どのような対策を講ずる予定?

「経営・管理」の在留資格を取得した外国人が公的医療保険に加入し、高額な医療サービスを受けた後に帰国するケースが問題視されている。特に、中国人富裕層の間では、日本の医療保険制度を「医療天国」として利用する動きが広がっており、医療保険財政への過度な負担が懸念される。


これに対し、政府は医療目的の不正移住を防ぐためにどのような対策を講ずる予定か示されたい。


また、在留資格申請時に所得証明の提出を義務付けることや、保険料の前払制度を導入し、保険料の支払能力を確認する仕組みを整備する考えはあるか示されたい。


さらに、「経営・管理」の在留資格取得者のうち、高額療養費制度を利用した総人数、国籍別人数及び累計の医療費総額について、政府の把握状況を示されたい。

答4:引き続き適正な資格管理を行いたい(大臣)と答弁したとおり

前段のお尋ねについては、「医療目的の不正移住を防ぐため」に講ずる「対策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、公的医療保険の被保険者の資格管理については、令和7年2月4日の衆議院予算委員会において、福岡厚生労働大臣が「入国目的を偽って在留資格を取得し日本の医療保険制度に加入することは、被保険者の支え合いで成り立っている医療保険制度の信頼を損なうものでございまして、医療保険における適正な資格管理が大変重要だと考えております。そのような観点から、外国人の方の被保険者については、平成30年1月から、厚生労働省と法務省が連携し、在留資格の本来活動を行っていない活動があると判断される場合には、保険者である市町村から出入国在留管理局に通知する取組を実施しておりまして、引き続き適正な資格管理を行いたいと考えております。と答弁したとおりである。


中段のお尋ねについては、「在留資格申請時に所得証明の提出を義務付けることや、保険料の前払制度を導入し、保険料の支払能力を確認する仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、出入国在留管理庁においては、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第7条の2第1項に規定する在留資格認定証明書の交付申請等に係る審査に際して、当該申請に係る申請書にある申請人の報酬額の記載を確認するとともに、必要に応じて、報酬額を証する文書を提出させることとしている

後段のお尋ねについては、政府としては把握していない

問5:中国資本による地方の不動産買収、実態をどのように把握?

中国の「国防動員法」や「国家情報法」には、海外在住の中国人が中国政府の要請に協力する義務を負うことが規定されている。

近年、日本の自治体や地域社会に対し、中国人移民が影響力を強める動きが指摘されており、中国国家安全部が移民を通じて日本の自治体の政策に影響を及ぼそうとしているとの懸念がある。

例えば、中国資本による地方の不動産買収や「経営・管理」の在留資格を利用した地域密着型の事業展開が進められているが、政府はこうした中国の影響力拡大の実態をどのように把握しているのか示されたい。


また、安全保障上の観点から、自治体レベルでの外国人移民の受入れ方針に対し、国として統制を強化する考えはあるのか示されたい。

答5:お答えすることは困難

前段のお尋ねについては、御指摘の「国防動員法」及び「国家情報法」は他国の法律であり、また、「こうした中国の影響力拡大の実態」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。


後段のお尋ねについては、「安全保障上の観点から、自治体レベルでの外国人移民の受入れ方針に対し、国として統制を強化する」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

問6:特区民泊を利用した不正移住、定期的なチェックを行う仕組?

大阪を始めとする特区民泊では、中国系資本が運営する物件が増加しており、民泊の運営を利用して「経営・管理」の在留資格の取得する事案が横行していると報じられている。特に、民泊事業の実態がほとんどないにもかかわらず、「経営・管理」の在留資格を取得し、実際には他の職種で就労する外国人が増えているとの指摘がある。


政府は、特区民泊を利用した不正移住の実態をどのように把握しているのか示されたい。

また、在留資格の不正取得を防ぐため、民泊事業の経営実態の厳格な審査や、定期的なチェックを行う仕組みの導入を検討しているか示されたい。

答6:都道府県知事等が当該事業の実施状況、監督を行っている

前段のお尋ねについては、「中国系資本が運営する物件」、「民泊事業の実態がほとんどない」及び「特区民泊を利用した不正移住の実態」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「経営・管理」の在留資格をもって「民泊事業」を経営する者が存在することは承知している。


後段のお尋ねについては、御指摘の「民泊事業の経営実態の厳格な審査や、定期的なチェックを行う仕組み」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第2条第3項に規定する住宅宿泊事業については、同法に基づき、都道府県知事等が事業者の事業の適正な運営を確保するための監督を行っており、また、国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第13条第1項に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業については、同法に基づき、都道府県知事等が当該事業の実施状況についての監督を行っているものと承知している

雑感(実質的に回答を拒否!?)

神谷宗幣 参議院議員(参政党)が、外国人による「経営・管理」の在留資格や永住権の不正取得問題を取り上げた。

中国人富裕層が、日本の高品質な医療サービスを低コストで享受するため、日本に会社を設立し、「経営・管理」の在留資格を取得して移住する事案や、日本の公的医療保険制度を利用して高額な医療を受けた後、保険料を滞納したまま帰国する事案。また、中国人富裕層は、経営実態がないにもかかわらず「経営・管理」の在留資格を取得し、民泊経営を在留資格を得る手段として利用しているなど。

これに対して政府は、神谷議員の文言の「具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難」と連発し(6回)、実質的に回答を拒否しているように見える。

神谷議員には更問を期待したい。

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