第217回国会(25年1月24日~6月22日)の衆議院の質問主意書のなかに、113番目としてクルド人の難民申請係る次の質問主意書が埋もれている。
松原仁 衆議院議員が3月17日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。
松原仁 衆議院議員(無所属)

(衆議院 予算委員会 24年2月28日 動画より)
松原仁 衆議院議員(9期、立憲民主党⇒無所属、早大商卒、68歳)
私が提出した質問で、過去20年間のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数の、各月別の合計をそれぞれ可能な限り明らかにされたいと求めたのに対して、答弁書(内閣衆質217第79号)で政府が、「お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。」としたことは、誠に遺憾である。
広く普及している表計算ソフト等を利用すれば、各月別の合計は容易に算出できるのではないかとの批判も寄せられている。本件は、国民の知る権利に応える社会の公器である新聞社の取材を基に、多くの国民が関心を寄せる社会問題について、質問したものである。
もしも、集計に時間がかかるならば、国会法第75条第2項の規定にのっとり、期限を明示して答弁を延期すべきであったと考える。
以下、今回、集計の負担を軽減するために期間を短縮して、再度質問する。
問1:過去3年間のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数?
過去3年間のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数の、各月別の合計をそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
問2:明らかにできない場合、合理的理由?
問1に関連して、明らかにできない場合、各月別の統計をまとめることのできない合理的理由をお示しされたい。
問3:最小単位の期間別の合計をそれぞれ可能な限り明らかに
問1に関連して、明らかにできない場合、年間よりも短い最小単位の期間別の合計をそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
答1~3:1月の合計が547人、2月の合計が587人、・・・
令和4年から令和6年までにおけるトルコ国籍の難民認定申請(出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第61条の2第1項の難民の認定の申請をいう。)をした者の「各月別の合計」の人数については、1月の合計が547人、2月の合計が587人、3月の合計が653人、4月の合計が359人、5月の合計が274人、6月の合計が255人、7月の合計が233人、8月の合計が211人、9月の合計が185人、10月の合計が203人、11月の合計が236人、12月の合計が331人(いずれも速報値)である。
雑感(トルコ難民申請、1~3月に急増)
松原議員から前回の質問主意書で、過去20年間のトルコ国籍の難民認定申請者数の月別データの開示を求めた。しかし、政府は「お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難」と回答し、開示を拒否。
これに対し、松原議員は政府の対応を遺憾とし、「表計算ソフト等を利用すれば、各月別の合計は容易に算出できるのではないかとの批判も寄せられている」と指摘。再質問で食い下がった。
今回、政府が開示したデータは単なる数字の羅列だったため、可視化してみた(次図)。
当初の想定では、「入管関係者によると、クルド人の難民申請者は毎年、冬を迎え農業や牧畜が農閑期となる10月~11月ごろに急増。翌年、放牧の季節が始まる5月~6月ごろ帰国者が増える」とされていた(産経新聞取材班「国会議員に読ませたい「移民」と日本人」より)。
しかし、実際のデータは、産経新聞取材班の記述とは異なる結果を示した。トルコ難民申請は、10月~11月ではなく、1月~3月にかけて急増していたのだ。この結果を踏まえ、産経新聞取材班はどのように説明するのだろうか。

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