三浦房紀 山口大学名誉教授による啓発著書『これから首都直下、南海トラフ巨大地震を経験する人たちへ 』 KADOKAWA(2025/1/31)を読了。
南海トラフ巨大地震と首都直下地震のひっ迫性に対する多くの人々の無防備さに危機感を感じて本書を執筆したという。
※朱書きは、私のメモ。
首都直下地震、10万人を超える犠牲者
首都直下地震が発生したら、国の被害想定(2万3千人の死者数)を超える犠牲者(10万人)が出るという、筆者の見立て。
国の被害想定
(前略)私は首都直下地震についても2万3千人の死者数では到底すまないと思っています。
(中略)
特に重傷を負った人たちは医療体制が崩壊すると命を失うことになります。これらを考えると10万人を超える犠牲者が出ることが考えられるのではないでしょうか。
(中略)
東京消防庁は、ポンプ車、救急車、はしご車等の消防車両、消防艇、消防ヘリコプター、消防ロボットなど約2000台(2023年4月現在)を配備して災害に備えていますが、地震によって同時に多くの場所から出火した場合、この数では不十分です。しかも山手線外側の木造住宅密集地には、消防車が入れないところがたくさんあります。地元の人による初期消火に失敗した場合、燃えるに任せるしかありません。その場合、火災によって多くの犠牲者が出ることになります。(以下略)(P108-109/第3章 首都直下地震の被害想定とその備え)
※都の被害想定では、上位の3区(荒川・墨田・足立)の夜間人口10万人あたりの想定死者数は120人とされている(次図)。でも、三浦先生の見立てでは、それでは到底すまないということになる。
生活必需品の備蓄、最低でも1週間分
水・食料・携帯トイレ等の生活必需品の備蓄は、最低でも1週間分必要だという。
生活必需品の備蓄
水・食料・携帯トイレ等の生活必需品の備蓄は最低3日分と言われていますが、図3-4で説明したように早くて4日後に物資が調達できる、ということが前提になっています。したがって、避難所、あるいは避難所以外で避難している人に物資が4日後に届く保証はありません。最低でも1週間分、さらにできるだけ多く備蓄しましょう。そして賞味期限のあるものは日常の生活でも使って、順次使った分を買い足すローリングストック方法を日常としましょう。
また水・食料だけでなく、懐中電灯、ラジオ、非常用医薬品、救急キットなどの必要な備品を用意しておきましょう。ハザードマップにはどのようなものが必要か、役に立つかなどの情報がありますので、自分に、あるいは各家庭の事情に合わせて準備しましょう。
(P141-142/第3章 首都直下地震の被害想定とその備え)
4人家族が消費する1か月分トイレットペーパーの量は、一般的な市販品だとシングルで約15ロール、ダブルで約30ロールになる。でも、備蓄タイプのトイレットペーパーであれば芯がないので、約6ロールで済む。
本書の構成
4章構成。全189頁。
- 第1章 迫りつつある南海トラフ巨大地震と首都直下地震
- 第2章 南海トラフ巨大地震の被害想定とその備え
- 第3章 首都直下地震の被害想定とその備え
- 第4章 災害に強い日本を作るために
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