板橋区議会「25年第1回定例会」予算総括質疑(3月17日)で、羽田新ルートに関して、五十嵐やす子議員(社民)の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約2千500文字)しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。
五十嵐やす子議員(社民)

五十嵐やす子議員(民主クラブ/社民党、区議4期、共立女子大院卒、60歳)
はい。それでは最後の羽田新ルートについてです。3つ一緒に聞かせていただきます。
問1:(発着数)国交省からの説明と実際のデータに違いがある
2月25日から、国交省からの「羽田空港のこれから 冬号」(PDF:4.2MB)の配布が始まっています。昨年の9月2日に行われた「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 分科会」には、板橋区からも出席をしています。その際の「主な意見及び国の回答等」を見ると、昨年1月の羽田空港で起きた自衛隊機との事故についての再発防止、安全対策を求められています。

(羽田空港のこれから 2025年冬号)
はじめに、国交省によれば、従来ルートの時間あたりの発着数について、時間当たり82回が限界とされており、増便するためには新飛行経路が必要と記載されている一方、国交省が発表した資料を見ますと、時間あたりの発着数は昨年の2月3月は最大95回だったことが記されています。当初の限界値と異なっており、「新飛行ルートは不要ではないのか」という声が上がっています。そして国に対しての見解を問うている場面がありました。
実際にデータを見てみると、新ルートの時間帯以外で4月から6月では1時間100便の離着陸がある日もあります。これまでも板橋区議会には羽田新ルートに関して多くの陳情も寄せられていて、それは板橋区もご存知のはずです。
そして、南風ルートの日は午後3時になった途端に時計を見なくても3時になったことが分かるくらい飛行機の音が響き始めます。これでは、何のために区民の皆様が我慢をしているのかというふうに思います。
この国交省からの説明と実際のデータに違いがあることに関して、板橋区は国交省に対してどのように対応するのでしょうか。区民に対しどのように説明をするのか。これが1つ目です。
問2:国交省の説明を板橋区でするよう求めていただきたい
2つ目。今回配布されたものの一面には「固定化回避に係る技術的方策検討会」をし、同時運用に関わる安全性検証などを報告したことが大きく書かれています。まるですぐにでもできそうな書きぶりですけれども、他の区議会や国会議員への説明では、航空会社が飛行機の入れ替え、これは更新ですね、する10年以上先ということが説明されています。これだけ配布され説明がないと、区民は理解が追いつきません。
またこの代替ルート導入検討は1つで、かつ導入を先送りすると読売新聞に記事がありました。その後であたかもすぐにできるかのようなチラシの配布は大変紛らわしく悩ましいものです。ぜひこの冬号をはじめ、今羽田新ルートはどのようになっているのか、国交省の説明を板橋区でするよう求めていただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか。
問3:「部品欠落」紛らわしい書き方
すいません、3番目です。今回配布されているものを見ると新飛行経路において確認された落下物はゼロ件です。わざわざ「落下物はゼロ件」と赤字を大きくして書いてあります。

以前、渋谷のテニスコートへ落下した氷の塊は飛行機から落下したものではと指摘されました。この氷塊落下についての裁判でも、「本件経路を航行する飛行機からの落下物である可能性は否定しきれないものの、このことを断定するに足る的確な証拠までないと言わざるを得ない」とのことです。可能性を否定しきれないけれども、氷は溶けてしまえばわからないから結局は分からないということになります。
羽田空港を含む7空港の部品欠落は5月と6月で206個もあります。この「部品欠落」は飛行機が着陸空港で部品がなくなっていることが分かったという状態ですので、途中で落としてきましたということです。このことについて、この紛らわしい書き方について、板橋区から国交省に対して改善するように意見を伝えてほしいと思いますけれどもいかがでしょうか。お願いします。
都市整備部長
(都市整備部長)
よろしくお願いいたします。
答1:ご意見につきまして、国土交通省にお伝えしてまいります
まず1つ目の時間あたりの発着数の違いについてでございます。国土交通省の首都圏空港技術検討小委員会の中間のまとめにおきまして、発着数につきましては、従来ルートで常時達成可能な時間値は1時間あたり82回とされております。このことから、必要な処理容量を安定的に確保するためには、新経路による運用が必要となりますが、気象状況や運航状況により時間値を一時的に超える離着陸が行われることもあるというふうに聞いております。
区といたしましては常々区民に対して丁寧な情報提供、丁寧な説明を実施するよう国に求めているところでございます。委員の仰られたご意見につきまして、国土交通省にお伝えしてまいります。
答2:要望があったことにつきましてはお伝えしてまいりたい
2つ目でございます。「羽田空港のこれから2025年冬号」につきまして、住民説明会の開催をとのお話でございます。2024年12月に開催されました国土交通省の第6回固定化回避検討会では、測位衛星からの信号をもとに、自機、つまり飛行機の位置でございますが、こちらの自機の位置につきまして把握しながら計算して飛行する方式につきまして同時進入のための安全性を確認し、技術的に採用可能であるとの結論を得たところでございます。
しかしながら、様々な課題があるため、直ちに導入することが困難であり、飛行経路に変更が生じない現時点において、2020年の飛行ルート運用開始にあたって実施したような住民説明会を行う予定はないというふうに聞いております。
国土交通省ではホームページや専用の電話窓口を設置し、固定化回避の検討状況に関するご質問、ご意見を受けておりますが、今回、住民説明会開催の要望があったことにつきましてはお伝えしてまいりたいと思っております。
答3:ご意見をいただきましたので、国の方に伝えていきたい
3つ目でございます。飛行機の落下物、また部品欠落についてのご質問でございます。国土交通省では到着後の点検等で部品がなくなっていることを確認したものについて「部品欠落」と申します。また落下した物品、または氷塊が空港以外の場で発見された場合につきましては「落下物」というふうにしております。
この表現の分かりづらい点がございますというご意見をいただきましたので、国の方に伝えていきたいと思ってます。よろしくお願いいたします。
雑感(部長答弁、思っているだけ!?)
五十嵐やす子議員(社民)の質問内容からは、羽田新ルート問題をよく理解している様子が伺える。
都市整備部長の答弁は、他の区でも耳タコになっている、次のような国にお任せというスタンス。
- 委員の仰られたご意見につきまして、国土交通省にお伝えしてまいります。
- 住民説明会開催の要望があったことにつきましてはお伝えしてまいりたいと思っております。
- この表現の分かりづらい点がございますというご意見をいただきましたので、国の方に伝えていきたいと思ってます。
他の区との違いがあるとすれば、3つの回答のうち、あとの2つは「思っております」「思ってます」で締めくくっている点。
まさか、思ているだけで、実際には国交省に伝えないということはなかろうが。「思っております」「思ってます」という表現に、ホントは国交省に「伝えたくないんだけどなぁ」というような部長の「思い」が透けて見える!?
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