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羽田新ルート|品川区議会「24年第4回定例会」質疑応答

品川区議会の「24年第4回定例会」本会議一般質問(11月22日)で、羽田新ルートに関して石田ちひろ議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)もとに、全文テキスト化(約1千500文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※部長答弁は都市環境部長。


石田ちひろ 議員(共産)

石田ちひろ 議員(共産)
石田ちひろ議員(共産党、区議4期、元歯科衛生士、都立南高校卒、49歳)

石田:従来ルートで1時間あたり90回以上の離着陸がされており、羽田新ルートの必要はなくなった

次に、「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」です。羽田新ルートが実施されてから4年半、騒音や落下物だけでなく、大気汚染や電波障害、資産価値下落などの被害が区民アンケートで明らかになりました。被害をなくすには、新ルートを撤回し、従来の海上ルートに戻すことが一番の解決策です。

国交省は、「従来ルートは離着陸が限られる。新ルートにより1時間あたり80回の離着陸を90回にできる」と説明し進めてきました。しかし実際には、90回を超える発着は従来ルートでもできることが国交省の資料で明らかになりました。

国会の羽田議連と国交省のレクチャーで出された運航実績では、今年2月、3月の南風運用時で従来ルートの離着陸が90回を超えたのは5回、そのうち2回は95回にもなっています。国の言う羽田新ルートの導入根拠は崩れました。新ルートが必要ないことは明らかです。

従来ルートでも離発着「90回/時」以上の運用あり国交省ロジックに綻び!? 従来ルートでも離発着「90回/時」以上の運用あり」より

従来ルートで1時間あたり90回以上の離着陸がされており、国が言う羽田新ルートの必要はなくなったと考えますが、区の見解を伺います。

国交省が従来ルートでも離着陸が90回可能と分かっていながら、区民を危険にさらし、新ルートを実施し続けてきたことは、区民と品川区を欺いていたということだと思いますが、いかがでしょうか。

 部長:従来ルートで常時達成可能な離着陸回数は1時間あたり82回

都市環境部長
(鈴木和彦 都市環境部長(元 都市環境部都市計画課長))

私からは、羽田新飛行ルートについてお答えいたします。ご質問にあります国土交通省による運航実績の資料については、国からの情報提供により区も把握しているところです。

従来ルートで1時間あたり90回を超える運用があった点については、国より、「気象状況等により時間あたりの回数を一時的に超える離着陸が行われることもある。しかしながら、従来ルートで常時達成可能な離着陸回数は1時間あたり82回とされており、必要な処理容量を安定的に確保するためには、新飛行ルートによる運用が必要になる」との説明があったところです。

国は新規ルートの運用実績や安全対策等について、ホームページや区民向けチラシ等により情報提供を行っているところです。区としましては、区民からの疑問や不安の声に対しても、分かりやすく丁寧な説明並びに情報提供を適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります。

 石田:新ルートで安定して90回飛べると区も考えているのか

次に、羽田です。私は1時間ごとの運航記録を見ましたが、90回を超えているのが従来ルートで5回、新ルートではたった2回でした。新ルートは横風で飛べないこともあります。新ルートで安定して90回飛べると区も考えているのか、伺います。

 部長:常時必要な処理容量を安定的に確保するためには、新飛行ルートの運用が必要

羽田新飛行ルートに関する再質問についてお答えいたします。
従来ルートでの離着陸回数の増加についての区の考えについてでございますが、区としましても、実施主体である国に対し、説明を求めたところでございます。

先ほどもご答弁申し上げましたが、国からは、「一時的に想定を超える離着陸が行われることもあるが、天候等に左右されず、常時必要な処理容量を安定的に確保するためには、新飛行ルートの運用が必要である」との回答があったところでございます。

区としましては、今回のご指摘の事項も含め、区民からの疑問や不安の声に対し、分かりやすく丁寧な説明を適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります。

 石田:なぜ新ルートの方が安定して飛べると言えるのか

羽田です。新ルートの方が安定して飛べるとは言えないことを数字が示しています。なぜ新ルートの方が安定して飛べると言えるのか、伺いたいと思います。

 部長:丁寧な説明、引き続き国に対し求めてまいります

羽田新飛行ルートに関する再々質問についてお答えいたします。
羽田新飛行ルートの運用にあたっては、当初国は、従来の運用ルートではどうしても羽田空港の滑走路の運用上、着陸と離陸が交差させるところがあるというところで、それ以上回数が増やすことができないというところで、羽田新飛行ルートの運用を決定し、現在行っているというところでございます。

いずれにしましても、区民からの疑問ですとか不安の声に対しては、分かりやすく丁寧な説明をしっかりと適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります。

雑感(2代目の都市環境部長、〇〇の一つ覚え)

鈴木和彦 都市環境部長の答弁は、国の言い分を繰り返すだけなので、議論が深まらない。

最後はお決まりのフレーズでで締めくくってしまう。これではまるで〇〇の一つ覚えではないか…。

  • 区民からの疑問や不安の声に対しても、分かりやすく丁寧な説明並びに情報提供を適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります
  • 今回のご指摘の事項も含め、区民からの疑問や不安の声に対し、分かりやすく丁寧な説明を適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります
  • 民からの疑問ですとか不安の声に対しては、分かりやすく丁寧な説明をしっかりと適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります

【参考】品川区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答(まとめ)

各定例会の質疑応答詳細については、以下参照。

2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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