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羽田新ルート|品川区議会「24年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

品川区議会の「24年第3回定例会」決算特別委員会の総括質疑(10月21日)で、羽田新ルートに関して、安藤たい作議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約2千600文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※「部長」答弁は、都市環境部長


安藤たい作 議員(共産)

安藤たい作 議員(共産)
安藤たい作 議員(共産、区議5期、漫画家、宮城教育大学卒、50歳)

安藤:(大気汚染・電波障害・資産価値)区として測定や調査を行うべき

私からは「羽田新ルート」「再開発」について質問いたします。

2020年からの羽田新ルートの運用により、住民は騒音被害や不安を感じていますが、影響はそれだけではありません。昨年、区が実施した区民アンケートでは、新ルートによる影響を尋ねています。ホームページで公開されている自由意見をキーワードで検索するなどすると、それぞれ「大気汚染」145件、「電波障害」136件、「資産価値」206件もの意見が寄せられていることが分かりました。いくつか声を紹介します。

(パネルを示しながら)小っちゃくてすみません。

安藤たい作 議員(共産)_パネル

大気汚染。「空気の汚れによりバルコニーの汚れがひどくなった。外に洗濯物を干さないようにしている」「家屋内に黒い粒子の汚れが増えた」「黒い粉塵が増えて植木の葉がとても汚れる」「油っぽくて落ちない」「排気ガスによる汚染。臭いを感じることがある」。

電波障害。「飛行機が通るたびにテレビの画面が5秒くらい真っ暗になる」「上空に飛行機が飛ぶとテレビの画面が消えてしまいます」「飛行機が頭上を通る時はかなりの確率でWi-Fiが切れてしまいます。在宅勤務でオンラインミーティングをする時など非常に不便を感じています。真上に飛行機が飛ぶようになることを知っていたらマンションは購入しませんでした」「携帯の通信障害がよくあるので対応を考えてほしい」「録画がきちんと取れない」。

資産価値下落。「資産の評価が下がった」などです。


改めて伺います。率直な感想はいかがでしょうか。

それと、これだけの声が寄せられているわけですから、区として測定や調査を行うべきではないでしょうか。伺います。

部長:区民負担の軽減を国に対し強く求めてまいります

都市環境部長
(鈴木和彦 都市環境部長(元 都市環境部都市計画課長))

昨年の区民アンケート、区が行いました区民アンケートでは、ただいまご紹介いただいた意見も含めまして、自由意見27,922件のご意見をいただいたところでございます。

区としましては、このアンケートを通し、改めて多くの様々な声があることを把握したところでございます。

「調査を区が行うべきではないか」というところでございますが、大気環境につきましては、国が羽田空港周辺における調査を実施し、結果が公表されているところでございます。

電波障害につきましては、国は航空機とテレビ等が使用する電波は使用している周波数帯が異なるとしており、また資産価値下落については、成田、伊丹、福岡空港における調査では因果関係を見出すことができなかったとしてございます。

昨年の区民アンケート、いただいたご意見、区としては国に直接、自由意見も含め全て届けているところでございます。


区としましては、今後も区に寄せられた区民の声を直接国に届けるとともに、引き続き必要な取り組みの実施、区民負担の軽減を国に対し強く求めてまいります

安藤:大気汚染調査が必要、資産価値に影響がない?電波障害調査が必要ない?

今、国の調査で実施するとは言いませんでしたけども、理由にしてですね。大気汚染調査の測定地点は全て空港内です。国がやってる調査ですよ。被害の訴えが出ている生活の場所、品川区内の測定調査が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

また、資産価値の調査も対象は、国が行っている資産価値の調査の対象は成田、伊丹、福岡の3空港周辺のみです区は国のこの調査により、羽田新ルートは資産価値に影響がないと考えているのか伺いたいと思います。

また、電波障害については、電波障害を訴える声がこれだけ出てるわけですね。私はこれを受けて、声を受けて調査は行われるべきだと思うんですけども、調査は行われる必要がないと考えているのか伺います。

部長:環境負担軽減の取り組みを国に対し強く求めてまいりたい

はじめに、大気汚染の環境調査でございますが、離発着が繰り返し行われている、一番大気環境の影響が大きいと思われている羽田空港内での調査ということを国が実施しているわけでございますが、区としては十分この地点の調査で足りるものと考えているところでございます。

また、航空機のエンジンには国際基準に基づく排出規制が課せられており、それに適合した航空機でなければ国内を飛行することはできないとされております。引き続き国に対し、大気環境調査の定期的な実施など、必要な取り組みの実施を求めていくというところでございます。

資産価値につきましては、この調査の結果の考察あるいは結果につきましては、実施主体の国において区民に丁寧に説明、周知が行われるべきものと考えております。区としては、今後も資産価値に対する意見も含めて寄せられた声は国に届けるとともに、様々な手法による区民への丁寧な周知、説明を求めてまいります。

最後に、電波障害につきましては、国は「アナログの放送時代と違いまして、現在の地上デジタル放送は構造物等の反射に強い方式が採用されている」としております。しかしながら、自由意見でもいただきましたが、新飛行ルート運用開始以降、これまでに電波障害に関する問い合わせ16件も区に寄せられているというところでございます。

こうしたいただいた意見、直接国の方に届けておりますが、改めてでございますが、今後も国に対し引き続き必要な取り組み、それから環境負担軽減の取り組みを国に対し強く求めてまいりたいというところでございます。

安藤:行政の責任を果たすよう強く求めたい

大変、私はちょっと無責任な答弁だなと思います

アンケートには、こういう声も寄せられているんです。このアンケートに対してですね、「町の汚れ、住民の健康被害の無理解は行政の怠慢」「電波障害があっても何も区としても対応がない」「アンケートを取るだけで終わってしまわないかと不安」との声も寄せられています。

区民は区が行ったアンケート、その後の対応を見てるんですよ。1件、2件じゃないんです。先ほど紹介したように、区の責任で行ったアンケート調査に対し、影響を訴える声がそれぞれで100数十件以上寄せられてるんです。これ、事実なんですね。

調査を実施し、行政の責任を果たすよう強く求めたいと思います。

時間の関係で次に行っちゃいます。「再開発」の質問なんですが(以下省略)。

部長:区民負担の軽減につながる取り組みを強く求めてまいります

昨年実施の区民アンケートでございますが、回答した区民の44.5%が新飛行ルートによって影響を受けていると。そのうち88.9%が騒音の影響を受けているとの結果でございます。

自由記述についても、とりわけ騒音に関するご意見が顕著に見受けられました。区では、区長、副区長が国土交通省を直接訪問しまして、アンケート結果を国土交通大臣に直接届け、区民負担の軽減につながる取り組みの実施を強く求めたところでございます。

大臣からは「重いアンケートであり、しっかり受け止め検討する」と応じていただいたところです。

今後も、引き続き国に対し、区民への丁寧な説明、周知と区民負担の軽減につながる取り組みを強く求めてまいります

雑感(「国に対し強く求める」が締めの言葉)

本会議一般質問での質疑応答と決算特別委員会での質疑応答との大きな違いは、後者が一問一答形式であること。一問一答形式であるがゆえに、議員の質問力が問われる。

森澤区長から丸投げされて、毎回矢面に立たされていた都市環境部長。中村敏明氏から鈴木和彦氏(元 都市環境部 都市計画課長)にバトンが渡っても、相変わらずの耳タコ答弁。「国に対し強く求める」が締めの言葉。

  • 区民負担の軽減を国に対し強く求めてまいります
  • 環境負担軽減の取り組みを国に対し強く求めてまいりたい
  • 区民負担の軽減につながる取り組みを強く求めてまいります

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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