「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和6年度 第2回分科会」が24年9月2日に開催されていたことをご存じだろうか。
※投稿24年10月2日
都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた
東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が9月30日17時00分、「令和6年9月30日」に変っていた。
どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第2回分科会」が追記されたことに気づく(次図)。
毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いか…)。
リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「各区市の意見等」(PDF形式)が掲載されている。
会議の概要
- 会議名 令和6年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 分科会(第2回)
- 開催日 令和6年9月2日(月曜日)
- 出席状況
- 東京都、港区、新宿区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、江戸川区、国土交通省
- 議事の要旨
*国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明【各区市の意見等】(PDF形式)
- 南風時 A、C 滑走路着陸の機数について、当初住民説明会での説明では、時間当たりの機数は A 滑走路が 14 便程度、C 滑走路が 30 便程度ということであった。5月、6月実績を見ると、殆ど上限近い便数に戻ってきているということか。
- ⇒その通りである。復便状況について、現在ほとんど回復している状況である。A が時間当たり 14 便程度、3時間だと 42 便程度であり、C が時間あたり 30 便程度、3時間だと 90便程度であるが、今年の6月時点では、平均すると A が約 43 便、C が約 89 便であり、ほぼ想定の便数まで戻ってきている。
- 実測値の平均が昨年同時期よりも上昇している測定局がある。機材によっては推計平均値や Lden が上昇している測定局もある。復便や積載率の増加により騒音が高くなっているものと考えられるが、騒音に対して引き続き住民からも声があがっており、各エアラインに対して低騒音機の導入促進を働きかける等、改めて騒音軽減対策をお願いしたい。また、こうした取り組み内容について、次回以降の分科会でご紹介いただきたい。
- ⇒低騒音機の導入について、羽田空港では国際線の着陸料金体系に組み込むなど対応を行っているところではあるが、本邦航空会社に対して、引き続き低騒音機の導入に向けて取り組みを行っていく。
- 部品欠落の「重量不明」とはどういう意味か。
- ⇒ボルト、ワッシャー、ナット等の4つに分割可能な部品がひとまとまりに報告されたものである。重量は4つで 30 グラム程度であり、1つずつの重さが不明なため「重量不明」としている。
- 羽田新飛行ルートの住民説明会について、運用開始前は複数回実施いただいたが、日にちもかなり経過したこともあり、議会からも説明会の実施要望を受けている。これまでも要望させていただいたが、改めて説明会開催を検討いただきたい。また、1月に発生した羽田空港の事故についても、一層の安全対策を実施していただくとともに、再発防止策も講じていただきたい。
- ⇒住民説明会の開催について、現在、固定化回避検討会も行っているところであり、こちらの開催状況も踏まえながら検討していく。また、事故に対する安全対策について、6月末に有識者検討会の中間とりまとめを行っており、まずはとりまとめ施策を着実に実施していく。
- 時間あたりの発着数について、国交省が発行した「羽田空港のこれから」によると、時間あたりの発着数は 82 回が限界とされており、増便するためには新飛行経路が必要、と記載されている。一方、先日、国交省が公表した資料を読み解くと、時間あたりの発着数は最大で 95 回であった。当初の限界値と異なっており、新飛行経路は不要ではないかという声があがっている。このことに対する見解を伺いたい。
また、落下物対策について、落下物対策総合パッケージ等の対策効果により、新飛行ルートの運用開始後、羽田空港における落下物は確認されていないことは何よりである。一方、羽田空港を含む7空港の部品欠落数は5月と6月で 206 個である。昨年とほぼ同数とのことだが、部品欠落の数は航空機の運航に対する不安を増大するものである。現状、ハード面・ソフト面で様々な対策が講じられているところであるが、引き続き部品欠落の削減に向けた対策の充実、並びに落下物防止の徹底をお願いしたい。
- ⇒時間あたりの発着数であるが、82 回は過去に首都圏空港技術小委員会の中間とりまとめにおいて公表したものであり、常時達成可能な回数とし出発 41 回、到着 41 回と示している。瞬間的にはこれを超えることもあるが、常時達成可能な、とは安定的に運用するためには、82 回が限度ということである。
また、落下物対策について、部品欠落はチェック体制を強化している。今まで見つからなかったものを見つけるような体制をとっており、見つかったものについてはどういった要因で落下したのか分析し、対策を講じている。例えばラベルシールが落下した場合はシールから塗装に切り替える等である。引き続き対策を講じていく。- 航空需要が戻ってきたこともあり、騒音対策や落下物防止を含めた安全対策について改めて取り組みの継続と徹底をお願いしたい。1月の事故を受けての中間とりまとめを発表されたところであるが、確実な履行と徹底をお願いしたい。
また、固定化回避検討会について 2022 年8月に第5回目が開催されてから丸2年開催されていない。鋭意検討いただいている状況であると思うが、一刻も早い次回の検討会の開催と、具体的な取り組み内容の提示、早期の実施について重ねてお願いしたい。
- ⇒落下物対策、騒音対策、事故対応について、引き続き取り組みを実施していく。固定化回避検討会について、早期開催の声があがっていることは重々承知している。現在、鋭意検討中である。次回は技術的な検証結果を示す場になると思うが、引き続き早期の開催に向けて取り組んでいく。
【会議資料】
公開された「会議資料」(次図)は、「(資料6-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第26回」として9月30日に公表した資料に含まれている。
国交省は9月2日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に、羽田新ルートの運用状況を報告し、1か月近く経て9月30日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる。
都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?
国交省の配布資料(9月30日公表)に無かったのは、「(資料6-2)都に寄せられた意見について」。24年5月1日から6月30日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの13件!
国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。
都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。
「都及び関係区市連絡会」開催実績
羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。
開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」※未稿
都知事宛に10月2日、「出欠表(予定)」「議事概要」につき、開示請求しておいた。
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