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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和6年度 第1回幹事会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和6年度 第1回幹事会」が24年7月5日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿24年8月2日(追記24年9月9日)


もくじ

都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が8月1日17時、「令和6年8月1日」に変っていた。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第1回幹事会」が追記されたことに気づく(次図)。

毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いと思われても仕方あるまい)。

羽田空港の更なる機能強化について

リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「各区市の意見等」(PDF形式)が掲載されている。

会議の概要
  • 会議名 令和6年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会(第1回)
  • 開催日 令和6年7月5日(金曜日)
  • 出席状況
    • 東京都、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、西東京市、国土交通省
  • 議事の要旨
    *国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明

【各区市の意見等】(PDF形式)

  • 騒音値について、実測値の平均が昨年度より大きくなっている測定局や、説明会の際に示した推計平均値を上回っている測定局がある。復便の影響はあると思うが、住民から声をいただいている状況である。特に大型機については低騒音機導入による騒音軽減効果が大きく、また小型機に関しても機種の構成割合が多いため、積極的な導入促進をお願いしたい。

    • ⇒羽田空港の着陸料は航空機の重量に加えて、騒音を加味した料金体系に見直しており、航空会社に対しても航空需要を踏まえ、可能な限り騒音の小さな機材を選択するよう要請し、低騒音機の導入を促進しているところである。引き続き、航空会社に対して低騒音機材の導入を要請していく

  • 羽田空港新ルートに関する住民説明会について、運用開始前は複数回実施いただいたものの、運用開始以降かなりの日数が経過したこともあり、議会からも説明会の開催要望を受けている。これまでも何度か要請しているが、引き続きご検討いただきたい。また、1月に発生した羽田空港の事故についても、一層の安全対策と再発防止策についても合わせてお願いしたい。

    • 住民説明会についてであるが、引き続き機会を捉えて実施に向けて検討を行っていく。1月の事故について、現在、運輸安全委員会で調査を実施しているところであり、6月に事故対策の中間とりまとめを実施したところである。引き続き安全対策を実施していく。

  • 国への問い合わせの中で、羽田新飛行経路の固定化回避に係る技術的方策検討の検討状況等について、とあるが、実際どの程度あったのか。また、現在、検討はどこまで進んでいるのか。当初の検討会開催予定から1年近く延期となっており、住民から問い合わせをいただいている。当区としても具体的な説明ができない状況であり、住民に向けた丁寧な情報提供を要望させていただく。少なくとも検討を前に進めているということだけでも、住民に向けて情報提供していただきたい

    • ⇒問い合わせの個別内容の件数については手元にデータがない。固定化回避の検討状況については、現在、安全性のリスク評価を行っており、安全性を確保した上、技術的な可能性を確認している。昨年実施予定であった第6回の検討会は延期となっているが、引き続き開催に向けて進めていく。引き続き検討状況等を踏まえて速やかに情報提供できるよう努めていく。
  • 大型機の就航割合について、新飛行経路運航開始前より減っているとのことであるが、コロナ禍と比較すると航空需要が回復して大型機が増えている状況である。区民からも騒音に関する声をいただいており、軽減に向けた対応を要望させていただいているところである。一方、固定化回避検討会については5回目以降、2年近く開催されていない。1月の衝突事故に対する安全対策、さらなる再発防止策を引き続きお願いするとともに、固定化回避についても安全性の検証を最優先にしていただきつつ、早期の検討会開催、具体的な取り組みの提示について、要望させていただく

    • 要望について承った

【会議資料】

 

公開された「会議資料」(次図)は、「(資料9-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「羽田空港の新飛行経路の定期運用報告(第25回・2023年度のとりまとめ)として8月1日に公表した資料に含まれている。

国交省は7月5日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約1か月後の8月1日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(8月1日公表)に無かったのは、「(資料9-2)都に寄せられた意見について」。24年3月1日から4月30日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの7件!

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。

都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっている。都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのでは……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数

「都及び関係区市連絡会」開催実績

羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」入手

※追記24年9月9日

8月1日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、区の出席者が不明だし、どの区が発言したのかも分からない。

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

13区のうち代理者を立てた区はゼロ

東京都からの参加は都市整備局理事。羽田新ルートが通過する13区のうち、部長に変わって代理者を参加させた区は珍しくゼロ(次表)。

出欠表(予定)

公開文書では、区が特定される部分等が削除されている

議事概要によって、「関係区の主な発言」とされていたのは、4つの区(大田、豊島、新宿、品川)の発言だったことが確認できる。

1月29日に公開された文書(以下、「公開文書」)と今回開示された文書(以下、「開示文書」をつぶさに比較すると、公開文書では、区が特定される部分と、国交省が知らしめたくないと思われる部分(下記朱書き)などが削除されていることが分かる。

(大田区)

大田区立羽田小学校の騒音値について、年間を通じて大型機、小型機の実測値の平均が昨年度より大きくなっている測定局や。昨年度に関して、大型機は説明会の際に示した推計平均値に近づいている状況であり令和6年3月分、4月分では説明会の際に示した推計平均値を上回っている測定局がある。復便の影響はあると思うが、住民から声をいただいている状況である。(以下略)

(豊島区)

羽田空港新ルートに関する住民説明会について、運用開始前は複数回実施いただいたものの、運用開始以降かなりの日数が経過したこともあり、住民や議会からも説明会の開催要望を受けている。これまでも何度か要請しているが、引き続きご検討いただきたい。また、1月に発生した羽田空港の事故についても、一層の安全対策を実施いただくとともに、再発防止策についても合わせてお願いしたい。

※新宿区からの固定化回避に係る技術的方策検討の検討状況の質問に対して。

(国土交通省)

問い合わせの個別内容の件数については手元にデータがない。固定化回避の検討状況については、現在、安全性のリスク評価を行っており、安全性を確保した上、技術的な可能性を確認している最中である。昨年実施予定であった第6回の検討会は延期となっているが、引き続き開催に向けて進めていく。安全性評価で時間を要しており恐縮ではあるが、引き続き検討状況等を踏まえて速やかに情報提供できるよう努めていく。

(品川区)

大型機の就航割合について、新飛行経路運航開始前より減っているとのことであるが、コロナ禍と比較すると航空需要が回復して大型機が増えている状況であり、騒音に関する住民への影響が懸念される。昨年当区で実施した区民からもアンケートでは、騒音に関する声をいただいてお影響が顕著であり、軽減3月向けた対応を要望書を提出させていただい。(以下略)

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