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東京における航空機能に関する調査報告書(21年度 パシフィツクコンサルタンツ)をひも解く

東京都は2012年以降、羽田空港機能強化に関する調査を実施していて、これまでに2.5億円投じてきたことが確認されている(羽田空港の機能強化に関する調査費用(決算額)の推移)。

情報開示請求によって、21~23年度の調査報告書(全9件)を入手した。全ての調査項目が羽田新ルートに係るわけではないが、これまで知られていなかった情報が含まれているようだ。

本日は9件のうち、21年度にパシフィツクコンサルタンツ(株)が提出した報告書のなかから、羽田新ルートに関係しそうな個所を整理する。

※以下長文。時間のない方は、目次と文末の雑感をお読みいただければと。


もくじ

21年度(パシフィツクコンサルタンツ)報告書の目次など

報告書は全32頁、3章からなる。

  • 1 業務概要
  • 2 羽田空港の既存施設や敷地等に係る調査
    • 2.1 羽田空港の既存施設に関する調査
    • 2.2 配置面での課題等を整理
      • 2.2.1 羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件
      • 2.2.2 羽田空港に求められる役割・機能
      • 2.2.3 羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題
  • 3 羽田空港駐車場における案内誘導の調査
  • 【参考資料】事業者ヒアリング

特に、注目したいのは、「2.2 配置面での課題等を整理」のうち、2.2.1 ~2.2.3の部分(上記朱書き)。

以下、順にひも解いていく。

羽田新ルートに多少関係しそうな個所

羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件

「2.2.1 羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件」が2頁にわたって記されているが(次図、次々図)、小見出し以外は「不開示」となっているので、内容を把握することができない。

羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件

羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件(2)

羽田空港に求められる役割・機能

「羽田空港に求められる役割・機能」が1頁にまとめられている(次図)。

「a)滑走路処理能力の向上及び関連施設の拡張」の内容を知りたいところだが、「不開示」となっているので、内容は分からない。

羽田空港に求められる役割・機能

羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題

「羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題」が4頁にわたって記されているが(次図以下4枚)、小見出し以外は「不開示」となっているので、内容を把握することができない。

羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題

羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題(1)

羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題(2)

羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題(3)

雑感

知りたい情報は、ほぼ不開示

羽田新ルート問題と関係しているか所があるのではないかと考えた次の3項目。

  • 2.2.1 羽田空港の現状と機能強化にあたっての制約条件
  • 2.2.2 羽田空港に求められる役割・機能
  • 2.2.3 羽田空港に求められる役割・機能を強化するにあたっての課題

残念ながら、小見出し以外は、ほぼ不開示になっているので、内容を把握することはできなかった。

なぜ、これらの情報を開示しないのか?

一部開示決定通知書によれば、不開示にした理由として、「公にすることによって、未確定の情報が確定した情報と誤認されるなど都民に混乱を生じさせるおそれがあるため」が掲げられている。

左記の情報は、羽田空港の更なる機能強化に関する検討段階の情報である。これらの情報は、都の機関の内部における審議・検討に関する情報であって、公にすることによって、未確定の情報が確定した情報と誤認されるなど都民に混乱を生じさせるおそれがあるため

国交省は墨消し、都は白抜き

国交省の「不開示」処理と、都の「不開示」処理の大きな違いは、国交省は黒塗りであるのに対して、都は白抜きであること。黒塗りはPDF編集ソフトの「墨消し機能」を使うことで簡単に処理できるが、白抜きのほうは枠線で囲むひと手間を要する。

「都民に混乱を生じさせるおそれ」を避けるために、せっせと「不開示」処理を施している都の担当者、お疲れ様です。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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